“白き翼を持つ悪魔【01】 悠木 歩 ” の続き
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●白き翼を持つ悪魔【01】 悠木 歩
(400行)
何か夢を見ていたような気もするが、思い出せない。いや、夢など見てはいな かったのだろう。 深く暗く、膨大な質量を持った闇。そこから太古の海に突然湧いた最初の生命
◆●長編 #0272 2006/08/25
●白き翼を持つ悪魔【02】 悠木 歩
(400行)
蘇った意識が捉えたものは、おぞましき血の海の光景に勝るとも劣らない。 耳障りな電子音が奏でる音楽。無数の靴音。身勝手に鳴らされるクラクション と整備不良を思わせるエンジン音。
◆●長編 #0273 2006/08/25
●白き翼を持つ悪魔【03】 悠木 歩
(452行)
「お前はバカか?」 どれほど無能な作家であっても、ここまで見え透いた脚本を書いたりはしまい。 そんな女の手口にいとも容易く金を手渡してしまった青年に、彼女は一瞬の逡巡
◆●長編 #0274 2006/08/25
●白き翼を持つ悪魔【04】 悠木 歩
(353行)
すぐに走って追いかけたはずではあったが、彼女の足は思いの外速かった。あ と三秒ほど遅れていたなら、彼女がどの角を曲がったのか、完全に見失っていた だろう。もっとも、追いつきはしたものの実際に彼女と歩いた時間は二分にも満
◆●長編 #0275 2006/08/25
●白き翼を持つ悪魔【05】 悠木 歩
(388行)
憂鬱さと期待感の入り混じった複雑な心境であった。 たいして物がある訳でもないが、それでも出来る限りの片づけはした。一度は 見られた部屋であるが、綺麗にしておくに越したことはないだろう。
◆●長編 #0276 2006/08/25
●白き翼を持つ悪魔【06】 悠木 歩
(432行)
「一応の手当ては済んだけど、やっぱり医者に行ったほうがいい」 救急箱の蓋を閉じて、健司は言った。彼女の顔は見ないで。 「ああ、本当にすまなかった」 たぶん彼女も健司を見ていないだろう。あるいは健司を恨んでいるのかも知れ
◆●長編 #0277 2006/08/25
●白き翼を持つ悪魔【07】 悠木 歩
(479行)
田舎、と一言で片づけてしまってもいいだろう。駅前の風景はこの数日間、彼 女が過ごして来た街とはあまりにも異なっていた。 改札口の前は心ばかりのロータリーになっていたが、車の通りは殆どない。今
◆●長編 #0278 2006/08/25
●白き翼を持つ悪魔【08】 悠木 歩
(494行)
予想に反することなく、彼女は寺に到達した。ここはかなりの高台らしく、海 がよく見渡せる。強い潮風が、彼女の髪を踊らせた。 顔に掛かった己の髪を払おうと、右手を遣った。しかし風の中、払った先から
◆●長編 #0279 2006/08/25
●白き翼を持つ悪魔【09】 悠木 歩
(470行)
同じ町内であっても、この辺りには滅多に来ない。ただ健司も中学生時代、テ ニス部に籍を置いていたため、その教師の自宅は数度訪ねたことがある。多少迷 うだろうかと思われたが、予想以上スムーズに辿り着けた。
◆●長編 #0280 2006/08/25
●白き翼を持つ悪魔【10】 悠木 歩
(461行)
思っていたよりも、店に居た時間が長かったのだろう。二人が地元の駅に降り た時、空はずいぶんと暮れ始めていた。 「あー、あと三十分以上あるよ」 バス停の時刻表と左手首に巻かれた時計とを見比べ、梨緒が言う。
◆●長編 #0281 2006/08/25
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