AWC マジックを観に行こう>ハウステンボスその2   永山


        
#7713/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ    *** コメント #7711 ***
★タイトル (AZA     )  13/05/10  01:44  ( 84)
マジックを観に行こう>ハウステンボスその2   永山
★内容
 さて、次はマジックキャッスルフロムハリウッド3の本編。アンドリュー・
ゴールデンハーシュ、ダニー・コール、シュート・オガワの三名が出演し、二
人がクロースアップマジックを十分ずつ、残り一人がステージマジック十五分
を受け持つという構成。
 一日に4〜6公演が行われ、私は当初、18:00スタートの回を前売りで
購入していただけだったのですが、その後ネットで調べると、公演ごとにクロ
ースアップとステージの受け持ちを入れ替わっているとの情報を発見(予測は
してましたが、公演日ごとなのか公演ごとなのか確信が持てなかった)。こり
ゃあ他の組み合わせも観たい、当日券があるなら買ってみるかと考えつつ、ハ
ウステンボスに“入国”。私が観ることのできる対象では、16:00と21:
00(最終)が余っていて、20:00は売り切れ。16:00、18:00、
20:00、21:00とスケジューリングされていて、三人が順繰りに入れ
替わるのなら、16:00と21:00は同じ組み合わせになる? そう考え
て売り場の係員に尋ねると、イエスの返事。じゃあ追加は16:00だけでい
いやってことに。
 開演三十分前に行ってみると、すでに入場可能。この公演は、VIP席とS
席に区分けされ、VIP席だけが眼前でクロースアップマジックを演じてもら
えるというもの。しかも、VIP席もS席もそのテリトリー内では早い者順と
いうシステムなのです。VIP席購入で二番目到着だった私は、最前列のよい
席に座れました。
 手伝いを指名されそうなポジション故、どきどき。実際にありましたが、回
数は多くはなく、役割も重要なものはなかった。マジシャンが客を満遍なく選
ぶようにしていたのに加え、大の男が一人でマジックを観に来てるなんて怪し
いと思われたか(笑)。真面目な話、“この客はマジックの種に詳しそうだな”
と踏んだら、マジシャンの方で避けることもあるかも。別の回でしたが、シュ
ート・オガワがロープマジックの最中に、「ロープを触って調べてください」
ってロープを差し出してくれたんだけど、ちょっと触れただけで、すぐに引っ
込められちゃいました。直後に「雰囲気だけ味わってください」と言われたか
ら、定番ネタなんでしょうけど。ロープマジックの一部は、知ってる人がさわ
るとばれ得る代物のはず。
 そのVIP席ですが、前後で七、八テーブルくらいに分かれていて、この回
はシュート・オガワとダニー・コールが交代で十分ずつ、クロースアップマジ
ックを披露。最初の十分が過ぎ、交代したあと後方の様子がちらっと聞こえて
きたのですが、どうもやっているマジックが最初の十分とは微妙に違う。振り
返る訳にもいかず、マジシャンの口上で判断するほかないのですが、確かに一
部別のマジックを披露していました。うーむ、これは考えどころ。21:00
の回も購入し、後側のVIP席に座れたら、多少違うマジックが見られるかも
しれない。そんな迷いを抱えつつ、マジックの方はステージに。
 アンドリュー・ゴールデンハーシュ、この人は大物マジシャンと言っていい
と思います。テレビで観たことのある人も多いでしょう、サッカー元日本代表
のラモス瑠偉に似た風貌の人。自己紹介のときに「わたしは、ラモス」とネタ
にしてた(笑)。ハウステンボスでのマジックでは常連で、日本語も片言なが
らかなり達者に聞こえたです。
 私が以前テレビで観たときは、この人、髪の毛から蝶(本物)を出していま
した。今回、初っぱなに演じ始めた、アンドリュー曰く“ジャパニーズスタイ
ル”“侍マジック”も、髪の毛を手で引っ詰め状態にして、何やらごそごそや
るので、てっきり蝶が出現するんだ、あの定番演目が観られるは嬉しい、と思
っていたら……いやー、度肝を抜かれました。進化してた。マジックが進化し
たというか、出てくる生き物が進化したというか。蝶と同じく一羽二羽と数え
るけれど、虫ではなく獣が。書かなくても分かると思うので答は省略。
 続くマジックも素晴らしく、また、観客を沸かせる術も最高でした。宙から
コインをどんどん出し、缶に入れていくマジックは、二,三枚のコインを入れ
替えて音を鳴らしているだけと思わせたところで観客席の方に歩いて行き、客
が缶の中を覗こうとすると、待ってましたとばかり、「なにっ? これ、本
物よ!」と大量のコインを見せる周到さ。
 また、小脇に抱えるほどのばかでかいコインを観客の身体から出してみせた
のですが、それを仕舞う場所がなくて持て余した挙げ句、床に放り投げる。と、
ずしんと重々しい音が響き渡った。「作り物だろう」と考えていた観客が声を
上げて驚くのへ、「なにっ。あれ、本物よ! マジックキャッスルよ!」と応
じていました。うまいなー。
 濃密な演目が続き、最後は脱出芸。米国のドラマや映画でたまに出てくる、
白色の拘束具を、観客から選んだ大柄な男性二人に頼んで装着させ、脱け出し
てみせるというもの。しかも両手にそれぞれ握った生卵を潰さずに、という条
件付き(両手は拘束具の中なので、卵も観客には見えない)。でまあ、ヨガや
太極拳を彷彿とさせる動きで、ゆっくりと脱いでいき、最初に自由になった左
手を使って、ハンカチで額の汗を拭いたり、飲み物を飲んだり、コインマジッ
クをしたり(笑)しながら、脱出完了。
 大成功!と喜んでいるアンドリューに、観客からは当然、「卵ー」の声が飛
ぶ。応えて、拘束具の中を覗き込み、困惑の表情を浮かべ沈黙するアンドリュ
ー。やがて「問題ない」を連発してごまかす素振り。観客がブーイングの類を
始めると、怒り出した。が、すぐに「ごめんなさい」と謝る(おまけに「逆ギ
レ」と小声でつぶやく)。そして改めて拘束具を覗き、何やらごぞごそ始めた
――と思ったら、拘束具から大きな鳥(ガチョウ?)二羽が出てきた! 会場
は割れんばかりの拍手喝采。驚嘆すべし、アンドリュー・ゴールデンハーシュ。
また進化させちゃったよ。

 一公演三十五分の予定とされていたのですが、時計を見ると五十分も経って
た。あっという間でした。
 全てが終わり、会場を出る観客を、演目を終えたばかりのマジシャンが見送
るサービス。ステージからドアまで、本当に駆けつけてた。アンドリューは鳥
二羽を抱えたまま(笑)。触らせてくれるので本物と分かる次第。
 マジックキャッスルの看板に偽りなし。素晴らしい。

 ではでは。




元文書 #7711 マジックを観に行こう>ハウステンボスその1   永山
 続き #7716 マジックの魅せ方・守屋
    #7718 マジックを観に行こう>ハウステンボスその3   永山
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