#3212/3610 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA ) 24/09/14 17:21 ( 54)
『十角館の殺人』を視覚化するためのアイディア 永山
★内容
映像化不可能と言われていた小説『十角館の殺人』がドラマ化されると聞いた当時、
どうやって実現したのだろうと考えました(今も考えていると言えばその通りなのです
が)。
真っ先に思い浮かんだのは、コミカライズで使われた手法。漫画版を既読でしたの
で。では、実写であの手法を用いた場合を想像してみると……かなり無理がある、やっ
たとしてもギャグに見えかねないと言っていいでしょうから、これは違う。
次の案がなかなか浮かばなかったのですが、時代を現代に移すのだとしたらあるいは
いけるかなと思ったのが、メイク、化粧でした。
※実際にできあがったドラマは時代を原作のまま変えていないそうなので、私のこの案
はドラマに用いられてはいないであろうという自信(?)があります。万々が一、当た
っていたらごめんなさい。
※以下、続きは「前の版」の方に書き込むことにします(というか、すでに書き込んで
います)。『十角館の殺人』の犯人の性別及び騙しの仕組みについて明かしています。
同作を未読・未見の方はぜひともネタバレを回避してくださいますよう、お願いしま
す。
化粧によって人が“化ける”ことは昔から当たり前にあったことだと思いますが、近
年、個人による動画配信が盛んになる中で、メイクの腕前を公にする人が増え、テレビ
で披露する人まで出て来て、その化けっぷりの凄さが知れ渡るようになったと感じま
す。化粧品及び化粧道具の進歩もあるのでしょう。
また、今の時代、男性が日常的にがっつり化粧することも受け入れられる世の中にな
った。
これら二つを考え合わせれば、男がメイクして、あたかも別人のように化けることは
何ら不自然ではありません。
『十角館の殺人』実写化に適用するなら、どうすればいいか。
犯人は普段から化粧をしている。が、島に渡ってからは風邪を引いたことになってお
り、化粧をしなくても当たり前。これだけで実現可能のはず。アンフェアのそしりを受
けないよう、島での男女入り混じっての会話の中に、「おまえ、素顔はそういう感じな
のね。全然大丈夫じゃん」みたいな台詞を挟み込んでおく(誰に向けての台詞か簡単に
は分からないが、読み込めば女性に向けたものではないと分かるようにする)。
あとは、例の一行をどう演出するか。犯人はあの台詞を口にする前、ニックネームを
問われる前に、何らかのアクシデントで派手に水を被ってもらいましょう。自宅かよそ
の家か、とにかく洗面台で化粧を落として大きなタオルで顔を拭いた犯人が、面を起こ
し、鏡に映ったところで言う。「**です」
どうよ?これだろ!と思ったのですが、時代設定が原作のままだと知って、それなら
違うなと。
一九八〇年代後半の日本なら、男性が普段からしっかり化粧していることは珍しく、
物語序盤でまったく言及しないで済ませる訳には行かないし、何よりも凄く不自然な絵
面になってしまう。
ならばと思い切って犯人の性別を女性に変更するのはどうか? これは別の不自然さ
が生じてしまう。いくら同じ大学の推理研に所属する親しい仲間内であっても、女性が
化粧をせずに男子学生と顔を合わせるなんて、なかなかありそうにない。ましてや合宿
は一週間の予定。七日間もすっぴんでいて平気な女性がいないとは限らないけれども、
不自然さを視聴者に向けて説明し、納得してもらう必要がある。
予想は多分外れだったとがっかりするも、それ以上にドラマが楽しみになってきた次
第。
あ、感想追っかけで、「小説よりもドラマの方が驚いたかも」的つぶやきを初めて見
付けて、いよいよ期待値が高まったです。
ではでは。