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●ホテル・カリフォルニア　１　　　　　つきかげ 　　(379行)
冬の空みたいに蒼い海が、世界を覆っている。 清洌な、哀しさすら漂わす冷たい蒼。 海は蒼に身を包み、寒々と横たわっている。 そのホテルは、海の中にあった。 古代の遺跡のようにあるいは中世の城塞みたいに灰色の武骨な外見を晒す建物。
◆●長編 #0344 2009/08/11

●ホテル・カリフォルニア　2　　　　　つきかげ 　　(407行)
僕は水無元さんの手を掴むと。 走った、走った。 足が痛いけれど。 叫びながら走る。水無元さんのあえぎが耳元で。少し心が痛い。 おん、と。 無言の叫びが。 恐怖の津波が。
◆●長編 #0345 2009/08/11

●ホテル・カリフォルニア　3　　　　　つきかげ 　　(393行)
とりあえず、質問を続ける。 「ねえ、僕の住んでいた街が模造都市であったというのなら。そこに住んでいたひと たちってどうなのかな」 僕は。少し掠れる声で質問する。
◆●長編 #0346 2009/08/11

●ホテル・カリフォルニア　4　　　　　つきかげ 　　(478行)
僕と水無元さんが広間に入ったとき。 黒衣の女が全裸のおんなを抱きかええて、その首筋へ口づけをしているところだった。 それを見た水無元さんが、悲鳴をあげる。
◆●長編 #0347 2009/08/11

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