#2240/5495 長編
★タイトル (GKE ) 93/ 7/27 20:55 (192)
ハピエストランド」その6 ひとときのユートピア
★内容
Z (相手の立場) 20
どうですやる気になって来たでしょう。 人間というのは人の為というと、と
かく努力が出来ないものですが、自分の為となると頑張れるものなんです。 で
も一つ言っておきたい事実は、他人の為の努力は総て自分に返って来るのです。
この事は絶対的な真実です、とりあず貴方がこのハピエストランドに居る間だけ
でもその立場を採って下さい。 少なくともこのランドの中で、今から広田さん
の味方の立場を採って見て下さい、それによって貴方が失うものは何もないので
すから。
自分が落込んでいる悩みの穴から抜出し、その貴方の体験を光り輝く黄金の智
慧へと転化する為には
自分の立場の再点検 がどうしても必要です。
自分の側に本当に何も悪いところが無いのか、 少なくとも自分に幸せ感が無
い以上自分の心の使方に問題があったはずだ、それは何処だろうか、と。 そし
て今、目の前に自分の欲しくない結果がある以上、自分の改めるポイントは何処
にあるだろうか。 自分の人生の責任者は私だ、自分の廻りで起る総ての出来事
の責任は、自らが取らずして誰が取るというのか、彼女が悪い彼女の責任だと人
に責任を転化するのはリーダーの採るべき態度ではなかった、と。
自分を再点検し、その上で相手の立場に立って見直す、 それでも解決が着か
なかったら、何処に不幸感の原因が潜んでいるのか発見出来なかったとしたら、
貴方の採るべき三つめのチェックポイントは、
第三者の立場で見直す ことです。
特に貴方と彼女という同一平面上から見るのではなく、より高い処から見るた
め、貴方が尊敬出来るあのインスターさんだったらどう見るか。 尊者の村で暮してい
るあの神のような方々だったらこの問題をどう見るのだろうか。 そしてこのハ
ピエストランドをエルハピエスト様が作られたように、貴方の来た宇宙を作られ
た創造主がいらっしゃるとしたらどうお考えになるだろうか。
以上が対人関係改善の為の三つの要件です。
早速ですが貴方は広田さんの事をどう思っているのですか?
「正直言って私は彼女の容貌が生理的に苦手なのです」
なるほどそれでは彼女の事を好意的に見て上げるのは難しいですね。 でも肉体
を持たない今の貴方なら大丈夫です、彼女に意識を集中して、彼女の心を見つめ
て下さい。 そうです。 見えて来ましたか? 今度は同じ様に貴方好みの美子
さんを見て下さい。 二人比べてどうですか? 二人に違いがありますか?
「イヤー二人とも随分すすけて見えます、でもやはり広田さんの方が汚れが
ひどいですね」
私から見ると貴方を含めて三人ともあまり違わないように見えます。 ではも
っと意識を集中して広田嬢の魂の中心を見つめて下さい、 もっともっと奥深く
を見つめて下さい。
「ワー眼が眩みそう・・・・??? 守護霊さんと同じに見える!!」
・・・・ それが本物の広田さんです、私と代らないでしょう、今纏っている
肉体という服の違いにすぎないでしょう。
「分かりました守護霊さん、良く解りました、私が間違っていました。 考
えて見たら彼女の言っていることは当然の事でした。」
{回りがサッと、元の明るさに戻る}
「守護霊さんあんなに綺麗な、本来の広田さんを見せてくれてありがとう、
皆が彼女に向けて出していた厭だなーという思いを彼女は跳ね返していた
だけかもしれない。 あんなに、厭だ厭だ側に来なければ良いのにと思っ
ていた気持ちが嘘みたい、何だか嫌いだった人が減って一段と自分の事務
所の居心地が良くなった様に感じます。」
Z (小悟の瞬間) 22
偉い偉い良く気がつきました、改めて暖かい隣人の意識で、自分の仲間として、
心を開いて彼女を見直した時、そこに見えて来るものが違ってくるのです。
ョ「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「イ
、 人は誰でも綺麗なものを喜び、醜いものから眼を背けます。 これは、
、発展を喜ぶ、変えがたい本来の欲望です。 その欲が前面に出てもう一、
、つの欲である調和を望む欲が抑えられ、それが苦しみとなって顕れてい、
、た姿であったわけです。 、
カ「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「コ
それが本来の人間の魂の美しさを知り、意識法則下に於ける調和と発展という
二大欲を同時に獲得した結果として顕れているもの、それが今の貴方の幸せ感で
す。このほのぼのとした、しっとりとした、安定した、悟りによる真の幸せ感を
ゆっくりと噛締めて下さい・・・・・・・・・・・・・・・・・。
今、回りが一瞬明るくなったのに気付きましたか? 今貴方は、小さな悟りで
すが、大きな気付きを得ました。 貴方の表面意識にくっついていた汚れが今ポ
ロリと剥がれ落ちました。 そこからこぼれ出した貴方のそして私の魂の中心か
らの光が、周囲を明るくしたのです。 このように貴方の得た貴方の悟りという
名の喜びは、ただそれだけで回りを明るくして行く力さえ持っているのです。
この事をよーくよーく噛締めて下さい・・・・・・・・・・・。
この調和と発展という貴方の魂の欲望は、満たされれば満たされるほど廻りも
一緒に潤していけるとても美味しい水なのです。
"あんな意地悪な奴、居なくなってしまえば良いのに”という、貴方の心に湧いて
いた調和を損ねる思いが、貴方が出している思いこそが貴方の悩みの実像であっ
たのです。 今貴方の心から広田さんを自分と代らぬ人と認め、彼女の真の美し
さを拝みだす、調和の思いが出た瞬間に貴方は幸せになりました。 この事を冷
静に振返って下さい、 貴方が幸せになるのに、実は何も必要としないという事
を、貴方が幸せになるには、貴方自身が自らの心を入替えれば済むのだという事
実を・・・・・・・・・。
貴方は、自分が不愉快になるのは広田さんのせいだと思っていました。 自分
の不幸の原因を外部に求めていました、自分の不幸の原因が外部にある内は、貴
方は幸せには成り得なかった、だから又あいつが悪いという不調和を自ら作り、
その思いによって自らが傷つくという悪循環に陥っていたのです。
/<インスター> プレーヤーの皆さん貴方の回りにもきっと貴方の広田さん
が居るはずです、今現在居なくても貴方の人生の過去に必ず貴方が苦手
な又は嫌いな、こんな奴いなければ良いのにと思った人がいたはずです。
それは同じクラスのAさんかもしれない、同じクラブのB先輩かもし
れない、貴方の取引先のC主任かもしれません。
貴方はそんな時、なぜ私はこの人が嫌いなんだろう? という事を考え
た事がありましたか・・・・・。 ぜひ考えてみて下さい・・・。 そ
れは、相手が理解出来ないからではないでしょうか、何であいつはそん
な風に思うんだろう、何でそういう風に考えるんだろう、どうしてあん
な行動を取るのだろう? と、貴方にはどうしても嫌いなあいつの事が
良く分かりません。
ョ「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「イ
、 人は自分と価値観の違う人間を遠ざけようとし、 、
、 自分と同じ価値観の人達と群れたがります。 、
、貴方は、貴方が理解出来る人が大好きで、 、
、 貴方が理解出来ない人には近づきたくありません。 、
、貴方の認識力が上がりより多くの人を理解出来るようになる事は、、
、 貴方の大好きな人が増えて来て、 、
、 嫌いな人が減って来るという事なのです。 、
、即ち貴方の自己完成への悟りの道は、貴方の幸せへの道なのです。、
カ「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「コ
どうかこの広田嬢の事を人事だと捉えず、自分の身に置き換え、今の
自分が理解出来ない人の立場に自分の身を於いて、客観的に、じっくり
と考えてみて下さい。 全ての悩みは貴方の心の使い方で解決がつきま
す。 これは事実です。 私を信頼し、この事実を貴方の胸に刻んで下
さい。/
Z (ニックキ課長) 24
<守護霊> イヤー良かった君の永年の誤りに一つ決着が着いて、それでは君の
もう一つの会社での悩みの根源、後藤課長との人間関係について考えて見よう。
「フー・・、何だかあの幸せ感が一変で何処かえ行ってしまいました」
ではまず君の言分を聴こう、どうして君はそんなに課長の事を嫌っているんだ
い。
「とにかく仕事が出来ないんですよ。 こう見えても私は会社の同期では絶
対にトップクラスでした。 そのおかげで私だけは自分のやりたかった研
究開発部に配属されたんです。 ところがこないだのボーナス、私は同期
で一番の落ちこぼれの村本よりも金額が少なかったのですよ。 村本のセ
クションの上司の佐々木係長が優秀だから、セクションの営業成積で査定
が決る当社の賞与配分方では、下っ端の私がどんなに頑張っても無能な上
司の尻拭いは出来ないのです。
会社では部下が上司を選ぶ事は出来ません。 自分に責任の無い所で自分
が評価されてしまうのがどうしても許せないのです。 その無知なあいつ
が、勉強もせずゴマスリばかりやっているあいつが生意気にも私に指図す
るんですよ。 あんな人間は会社の損失です。 そのゴマすり男を重要視
する部長も又許せないんですよ。」
なるほどなるほど、君の言いたい事は分かった。 確かに仕事能力の無い人が
人生経験が長いという事だけで指導的なポジションに着く事は、それ自体悪であ
るかもしれません。
それでは又自分の立場の見直しからやって見ましょう。 貴方が嫌っている無
能上司に対し、貴方の側に何か問題はなかったか。 貴方の採るべき態度に間違
いはないのか。 少し考えて見て下さい。
「・・・・・・何も有る訳ありません、私は皆から褒めてもらえる完璧な仕
事をこなしました、なのに賞与が低かった、だから悔しいんです」
/今プレイをしているもう一人の私、そう、僕の事かな?と思っている
君だったら、貴方だったらどう思いますか、今冷静な第三者である貴
方には、恐らくこの渦中にあるもう一人の君の誤りが見えるかも分か
りません、少し考えてみて下さい。/
{どれかキーが押されるまで中断}
Z (ここにある魔界) 25
それでは又、課長の心の中心を見つめてみる事にしましょう。
「ちょっと待って下さい、そんな事したくありません。 そんな事をして彼
を許してもそれは会社の為になりません。 能力の無い人間が責任あるポ
ジションに居る事は悪です。 それは私一人が彼を許すという問題ではな
いのです。 このまま放置していたら今後益々、私のような犠牲者が出て
来るという事になるのですから。」
分かりました、悪を放置するのはそれも悪だ、そんな悪を許してはいけないと。
ごもっともです。 ・・それでどうしました? 悪は見逃さない、それで貴方は
どうしましたか。
「エッ・・、私は一平社員です、平社員である私が上司である課長に何が出
来るというのですか、そんな事分かっているでしょう」
{回りがグッと暗くなる}
気を付けて下さい今貴方は地下の世界、魔界へ入り込みました。 そのまま怒
りが持続するとすぐに回りには、今の貴方と同じ心の状態の怒り狂った魔物達が
やって来ます。 ほらほらもうやって来ました。
{眼が吊り上がり、口が裂けた、まさに鬼のような顔をした人が二人、
こちらに背中を向け、顔だけこちらを向いて様子を伺っている}
あまり気にしないで! 彼らは貴方が気にするほど、そして貴方が恐がるほど
喜びます。 貴方の心が落着けば何時の間にか見えなくなりますから。
話を戻しますが貴方は課長との人間関係を改善したいという意志はありますか?
「もちろんあります。 今のままでは私はこんな会社には居たくないとまで
思っています。」
ではどうやれば改善出来ると思いますか?
「問題は課長の無能さにある訳ですから、私にはどうする事も出来ません。」
広田さんの時と同じ様に問題は貴方の内に無くて外部にある、という事ですね。
そして貴方の内側の問題は貴方自身で解決が出来るが、貴方の外部の問題を貴方
は解決する事が出来ない、という事ですね。
「そういう事ですね、広田さんの時とは違って、彼は私の直属の上司です、
私にはどうする事も出来ません。」
貴方がどうする事も出来ないと思っている問題は、貴方がそう思っている間は
絶対に解決方法が見つかりません。 解決したいと言いながら、片方で解決出来
ないと断定しているのですから。 これは右足を前に出しながら左足を後ろに出
している、といった状態で、足はどんどん開くけれども確実に動けなくなります。
それでも貴方は本当にこの問題を解決したいと思っていると言い切れますか?
私には本心で解決を望んではいないように受取れます。
「ウー・・・ン 言われてみれば、この悩みから逃れたいと言う気持ちはあ
るが、課長との人間関係を改善しようという、はっきりした意志はなかっ
たようですね。」