AWC 「ハピエストランド」その7 ひとときのユートピア


        
#2241/5495 長編
★タイトル (GKE     )  93/ 7/27  21: 0  (175)
「ハピエストランド」その7 ひとときのユートピア
★内容

Z (因果の法則)  26

 人は誰でも悩みに落込むと、苦しいから一刻も早く其処から出たいと、その苦
しみの出口を探します。 もうこんな会社辞めてやる。 これが手っ取り早い出
口です。 果してこれは問題を解決したと言えるでしょうか。
 人が悩みの壷に落込むのは、必ずそれなりの原因があります。 これを因果の
法則と呼びます。 結果として顕れている現象には必ずその原因があるのです。
 その原因を探さずに、出口を見つけてしまった場合、又同じ悩みに落込む事を
覚悟しなければなりません。 せっかく罹った病気ならその病と戦ってその悩み
を克服し二度と同じ病に罹らないようにしっかりと免疫を身に付けたいものです。
 無能な上司というのはどんな会社に行っても一人や二人必ず居るものです。
この問題を放置したまま逃出すのではなく、しっかりとその原因を退治しておき
たいものです。
 貴方の苦しみは誰のものでもなく貴方の問題です。 その貴方の問題を解くの
は貴方意外には居ないのです。 そうではありませんか? 課長と貴方の人間関
係で、苦しみを感じているのは貴方であり課長ではないのです。 そういう点で
これは課長の解くべき問題ではないのです。 だから人のせいにしていては絶対
に解決がつかないのです。
 あんな無能な奴が上司となるのはおかしい、という人を裁く思い、これも間違
いなく貴方が発している不調和な思いです、不調和な思いは必ずその思いを出し
た人へ苦しみとなって返って来ます。 この発展と調和の法則に例外はないので
す、総ての人はこの法則下から逃れられません。

 さあそれではもう一度後藤課長を観て下さい。 心を開いて彼の素晴らしさを
発見しなさい・・とは言いません。 厭がっている今の貴方の心では彼の魂の美
しさを発見する事は出来ませんから・・、代りにちょっと細工しました。
 無能な課長、丁度椅子に座って仕事中ですね、大丈夫どんなに近づいても向こ
うからは意識だけの貴方は見えませんから。
                                {課長の後ろから近づく、横に廻って驚く}
    「アレッ、守護霊さん、あの課長・・・あれ私ではありませんか」

Z (私の分身)  27

    {机も着ている背広も確かに課長の物だがどう見ても顔は自分である}
 そうです、私の意識を別け課長の肉体を支配しました。 でも肉体に附いてい
る目で見ている、回りの人は何も変化を感じていませんから、肉眼の附いてない
今の貴方にだけその様に見えているのです。
 さあ今其処に座っている課長は、つまり貴方の分身です。 自分だと思って彼
の表面意識に刻まれている過去の、そして今の彼の苦しみを覗いてご覧なさい。
 今の貴方にはそれが出来ます。 心に念じて下さい。 彼は何を考え、何を悩
んでいるのかを読取ろうと!

  〔アーア、又今期も赤字になりそうだな、隣の佐々木係長のグループに又随分
差を付けられてしまった。 今度の会議に出るの憂鬱だナー、あの部長何にもし
ないくせに責任だけはしっかり押し付けてくるからなあ。 この調子なら今度の
ボーナス査定もうちの課が又びりだな、又あの広田嬢に罵られるよ。
 xx君初め、良く頑張っている彼等にどう説明すれば良いんだろう。 それに
しても俺はついてないよナー、不況の時に縁故で入社した為に同期生は居ないし、
それに5年前自分の先輩5人が集団離職して、上役が皆居なくなってしまった。
慌てた部長が、自分の一番苦手なこのセクションの課長にしてしまった。 部長
の焦る気持ちも分かるからと、未経験ながら精一杯自分に出来る事だけはやって
みようと会社の事も考え、課長職を引受けたが、もう部長は知らん顔。出来るだ
けの援助はするといったから引受けたのに、無責任に新聞を読んでいるだけじゃ
ないか。 こんな無責任な人が、部長でございと威張り、高給を取っている。
彼の給料を頑張っているxx君等に別けた方がどれだけ会社の為になる事か。〕

  「もう分かりました、良く解りました。 守護霊さん、課長の心を見せてく
   れてありがとうございました。 私が間違っていました。 私が無責任で
   した。自分の事しか考えられなかった自分が恥ずかしいです。 ボーナス
   が低いといったって金額は村本より1万円ほど少ないだけの事なのです。
    考えたらたったそれだけの事で、私は会社を辞めようとまで考えていた
   んですね。 なんて浅はかだったんでしょうか、私は村本君と比較して、
   彼よりも低い評価を受けた事がたまらなく屈辱的でした。 恐ろしい事で
   すね人間のプライドというのは、自尊心を捨てたら人間は生きる資格が無
   いとまで思っていましたが、人間の尊厳と言うのはそんなちっぽけな、人
   から良い評価を受けたいと言うような、下らない物ではないはずですね」
                          {パチパチパチパチ・・・守護霊思わず拍手する}
 素晴らしい僕は君が誇りに思えて来たよ。 貴方の言うとおり、

Z (私は世界の為に)  28

                                     {いつの間にかインスターが立っている}
<インスター> 良く気がつきました、xxさん。 私が少し補足しましょう。
  ョ「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「イ
  、  あなた方肉体人間には自己重用欲といって、人から良い評価を受けたい、
  、という本能が組込まれています。 他人からxxさんは素晴らしいと認め、
  、られたい、と言う欲で、人から褒められた時の喜びは格別ですね。 そし、
  、て他人からよりも、自分で自分を認めた時の喜びはもっと強いはずです。、
  、これが自己保存欲の中のもっとも高度な最後の欲望と言えるでしょう。  、
  、  此処からが重要な所ですが                                        、
  、  肉体を纏って生活する為に与えられた、表面意識に組込まれている自己、
  、重用欲と、魂の中心に組込まれている発展の喜びとの違いに気が付かねば、
  、なりません。                                                      、
  、  そしてそれを別けるもの、それは                                  、
  、ョ「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「イ    、
 、、自分は人の為に生きているのか(自分は世界の為に生きている)、    、
 、、他人が自分の為に生きている(世界は自分の為にある)のか    、    、
  、カ「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「コ    、
  、貴方が会社の為に居る、のか、    会社が自分の為にあるのか。    、
  、貴方が友の為に生きているのか、   友達が貴方の為に居るのか。    、
  、貴方が課長の役に立つ為に居るのか、 課長は自分の為に居るのか。    、
  カ「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「コ
 この基本の思い 貴方はどちらの立場で生きていますか?
 自己拡張欲が純粋に回りをより良くする為のものだったら、
        回りは皆貴方の協力者となり、貴方に来るものは賞賛と好意。
        貴方はやる事成す事総てうまくいき、
        貴方自身充実感と満足感に溢れ
        更なる拡張を目指すという好循環に入ります。
        つまりこれこそが尊者の村への一本道です。
 ところがなかなかそうは行きません。 それは肉体生存の為に附いている仮の
欲に惑わされる為です。 今肉体を持たない貴方は自然に、肉体生存の為の仮の
自我欲から開放されている為、すんなりと自分の過ちに気がつきました。

Z (悟りへ) 29

 広田嬢の時と同様、課長との問題も貴方は悪いのはあいつだと人のせいにして
いました。
 そして無能な者が人を指導する過ちに対し、貴方は正義の剣を振りかざし、実
は自分の隠れた満たされない自己重用欲を補おうとしていただけでした。
  ョ「「「「「「「「「イ
  、賞与が人より一万円、 という事実の発生
  、少なかった        、 から
  カ「「「「ホ「「「「コ
            、
 ョ「「「「ヨ「「「「イ
  、自分は人より低く評、 と思い込み
  、価された          、 (実際は低く評価された訳ではない、事実は良くや
  カ「「「「、「「「「コ  ってると評価していた)
            、        その念いが
  ョ「「「「、「「「「イ
  、認められたいという、
  、欲の非充足        、 を招き
 カ「「「「「「「「「コ
                          そして
  ョ「「「「「「「「「イ
  、自己承認欲を満たす、
  、為に課長攻撃とゆう、
  、刃を振回していた  、
  カ「「「「「「「「「コ
 実は貴方の悩みは自らが作り出した妄想から欲求不満を招き、それを補う為に
他人攻撃という誤りを又侵していた。 他人攻撃は不調和の創造であり、調和を
望む自らの絶対の喜びを、自らが知らずに犯し、悩みの坩堝へと落込んでいた。
 このように苦しみの原因というのは本来総て自分が作り出しているものであり、
決して他人のせいではないのです。 この事実は実は大変ありがたい事でありま
す。 苦しみの原因が全て自分にあるという事は、言換えれば自分が変れば全て
の苦しみが消え去るという事なのですから。
 聖者の聖域に入られた方は実は皆この事実に気がつかれた人々であったという
事なのです。

Z (念いが貴方) 30

 このように、
 ョ「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「イ
 、人の悩みとは、些細な事実の発生に起因して、自らが作り出す巨大な、
 、妄想という怪物との内部闘争です。                              、
  カ「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「コ
そして
  E悩みは、人の魂を磨き上げる為に必要な、大切な大切な砥石なのです E
そして
   E他人とは、貴方に悩みのきっかけを与えてくれる為に、貴方の為に   E
   E創造主より贈られた素晴らしきプレゼントなのです。               E

ほとんど人の悩みと言うのはこんなちっぽけな、たわいの無いものなのです。
ところが悩みの渦中にある人にとっては、それがとてつもなく巨大な乗越えられ
ない壁に見えるのです。 本来自由闊達な魂も、肉体の中に閉じこめられると、
我々から見た時に、メクラとしか思えないぐらい視野が小さくなります。
 人から良い評価を受けたい、
という思いは、決して発展の喜びからくるものではありません。
 本来の貴方とは、貴方の潜在意識、貴方の10倍のエネルギーを持つ貴方の中
心意識、貴方が見ている守護霊さんこそが貴方です。 肉体の無い貴方は、もし
思いを出すのを辞めたら、存在しないのと同じです。 回りの人は貴方を、貴方
が出す思いにより識別判断しています。 すなわち貴方の念いが貴方なのです。
 そんな貴方が人から良く思われたい、と言う思いを出すでしょうか? それは
丁度、私は人から良く思われたい、と書いた看板を背負って、なおかつ、そお声
を出して言いながら町を歩いてる姿と同じ事なのです。
 この、人から認められたいという欲は、認められた結果、自分の自由度を広げ
る喜び、つまり肉体によって自由を束縛されている結果、もっと生き易くしたい
という、肉体が有るが故の欲望なのです。
  こんな偽者の欲に惑わされてはなりません。
   OC--CCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCS
   E貴方が立派な人かどうかは貴方が出す思いで決るのです。 簡単な事でE
   Eす。 人から良く思われたいと言う思いを出す前に、貴方が人を愛するE
   E思いを出せば良いのです。 それだけの事です。                    E
   WCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCC[




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