AWC 《 春 愁 》 3 (薄緑編) 脩


        
#7006/7701 連載
★タイトル (JFM     )  99/ 2/26   3:27  (194)
《 春 愁 》   3   (薄緑編)        脩
★内容
  
                          ☆ 薄 緑 編 (17)☆

     戦慄した。

        《もうすぐ、死ぬのだ。》

     ・・・・・と、言われて。

     幼かった、ほんとうに幼かった、私が。                   :三、四才の・・・

                               /部屋の中で、高笑いしていた。
 
                                 私に、和菓子を(?)、食べさせた後で、その
                                 ように言った者・・・親族・・・が。
                           
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                          ☆ 薄 緑 編 (18)☆

     《座敷も、障子も、私を、見捨てようとしているのだ。》
     《忘れられ始めたのだ、私は。あの木にも、草にも。》

     ・・・・・そして、何も思わなくなった。

                               /三、四才の私が、

                                 生まれてすぐに死んだ、すぐ上の兄と姉のよう
                                 に、なろうとして・・・

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                          ☆ 薄 緑 編 (19)☆

     《こんなことだろうと思った。》・・・・・と、母が、障子の外の、
     石榴の枝の下で・・・・・

     夜、蚊帳の中で、うなされていた、私の声を聞いて・・・・・

                               /外出先から、早めに帰宅した母・・・

                                 私を、すぐ上の兄、姉のようには、させまいと
                                 して・・・
 
                               /以上の三編は、昭和21〜22年頃の記憶。

                                 (家族、親族、姻族の中にも・・・私を、憎む者
                                   が・・・)
                                                                       
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                          ☆ 薄 緑 編 (20)☆

     母がいない間に、何度も、家に来た、数人の男女。     

        障子を、開けて・・・・・座敷に、上がり込んで・・・・・寝ていた私
        を、取り囲んで・・・・・弄んで・・・・・

                               /一、二才の私の、顔などを・・・


     早く、母が帰って来ないかな、と思いながら・・・・・ただ、目を、
     見開いていただけの私を、

        皆で、嘲笑って・・・・・
                               /夕方に、私を、一人にして・・・母が、家を空け
                                 ることの、多かった時期。
                            
                                 彼等は、その時期に、集中して、家に・・・

                               /戦時中の記憶。

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                          ☆ 薄 緑 編 (21)☆

     箕を売りに来たのだという、数人の男女が・・・・・

        裏庭で遊んでいた私を、                     :家族は留守だと、彼等に
                                                     告げた、私を・・・           
        口々に、誘った。

        家を出て、彼等の群れに、加わらないかと。


     私が、答えようとした時に・・・・・

        誰もいないはずの、家の中から、                                         

        水を流す音、食器を洗う音などが、聞こえてきた。


     彼等は・・・・・顔を見合わせると・・・・・急いで、立ち去った。

                                     /昭和25年頃の・・・母が、長い間、家を
                                       空けていた、昼に。
     
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                          ☆ 薄 緑 編 (22)☆

     私の名を呼ぶ声が、聞こえた。
     《いるのかな?  いないのかな?》などという、声も。

     夕方。
     台所の窓の、外から。

 
     窓を開けた私は・・・・・そこにいた、七、八人の男達に、どこかへ・・・
     どこへだったか・・・一緒に行こうと、誘われて・・・・・その窓から、外
     に出て・・・・・一人の者に、背負われて・・・・・

     家と、(隣家との境の)生け垣との間の、細長い敷地から、庭に出
     たのだが・・・・・                                   :その時、隣家は、留守
                                                       だったらしくて・・・

     外出先から戻って、門から、庭に、入って来た母に・・・・・薄暗がりの
     向こうから・・・・・声をかけられて・・・・・

     生け垣の側に、置き捨てられた。
     四方に、走り去った、男達に。                    :半数の者は、隣家に、
                                                       逃げ込んで・・・

                                            /昭和27年頃の記憶。


     (家の、通りに面した生け垣に、いつのまにかできていた、人が通
       り抜けられるほどに、大きな隙間。              :隣家との境の生け垣に
                                                       も、だったか
       男達は、そこから・・・・・)
                                            /小柄で、敏捷だった、彼等は・・・
       
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                          ☆ 薄 緑 編 (23)☆

     町の神社の向かいの、小さな空き地の、古びたベンチに、腰掛けてい
     ると、 
                               /裏通りにある、神社の・・・

   
     ☆ 中年の男が、どこからか・・・・・                        :昭和27年頃に

           寝間着(?)にも、体にも、血を滲ませながら・・・・・ベンチの
           後ろで、四つん這いになっていた、彼は、

                               /その間に、一瞬、私を拝むような、仕草を・・・

           数秒後には、そこから、這い出した。
           空き地の中央の、一株の潅木の、茂みに向かって。

              
           七、八人の男達が、走って来た。

           ベンチの数メートル手前で、立ち止まって・・・・・胡散臭そうに、
           私を見た。

           が、すぐにまた、歩き始めた。
           
                               /私のことで(?)、何かを言い合いながら。
             
                                     
     ☆ 作業服姿の男が、いつのまにか、ベンチの後ろに・・・・・  :昭和28年頃に
           
           ほんの少しの間、その場に、四つん這いになっていた彼も、
               
                               /私を拝む仕草も、一瞬・・・
 
           急に、這い出した。
           空き地に面した、民家の生け垣の、小さな隙間の奥の、庭の中
           へと。

        
           七、八人の男達が、走って来た。

                               /前の時とは別の、男達が。

           ベンチの手前で、足を止めた。
              
           棒、刀、鍋(?)などを手に、不思議そうに私を見た後・・・・・
           彼等は、また、歩き始めた。

                               /私の前を通って、先へと・・・
                              
   
     町の商店街で、晩飯用の肉などを買って、帰る途中に・・・・・

     七、八人の男達も・・・・・商店街の中の、マーケットの横の、角を曲っ
     て(?)、ベンチの手前まで・・・・・

                               /(その頃には、もう、なくなっていた)駅前の
                                 マーケットとは、別のマーケットの・・・
                                                                               
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