AWC 《 春 愁 》 4 (浅緑編) 脩


        
#7007/7701 連載
★タイトル (JFM     )  99/ 2/26   4:57  (180)
《 春 愁 》   4   (浅緑編)        脩
★内容
    
                           ☆ 浅 緑 編 (1)☆
     
     朝、裏庭の、竹薮の前の、鶏小屋で、

                
        ☆ (数十羽の鶏達が)、折り重なって、倒れていた。

                               /棚にも、地面にも・・・

           目を閉じて。脚を伸ばして。
       
                               /真っ白な羽根を、折り畳んで・・・

           薄く汚れた羽根が、小屋中に、散乱していた。

                    
        ★ (次に飼った、鶏達が)、尾羽を、抜き取られて、
                                                               
           腰の皮膚を、剥き出しにしながら、小屋の中を、歩き
           回っていた。
                               /傷痕もない、腰の皮膚を・・・


        ★ (その鶏達が)、折り重なって、倒れていた。       
                
                               /二、三箇所に、二、三十羽ずつ・・・

           小屋中に、羽根が、散乱していた。

                                                      
     鶏小屋の扉は、閉まったままで・・・・・金網も、破れてはいなかっ
     た・・・・・朝に。                          
                               /町中の者達の紹介で、

                                 数人の者が、次々と・・・家の鶏を買い取りたい
                                 といって、訪ねて来ていた頃に。

                               /昭和29〜30年。
                                                               
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                           ☆ 浅 緑 編 (2)☆

     《あっ、また、この男。》
     
        町中の、商店街の、曲がり角で・・・・・

                          
     《初老・・・白髪・・・不吉・・・卑しさ・・・》
    
        何度も、私の前に、立ち塞がって・・・・・

                                    /私を、威嚇、嘲笑しては・・・


     いつも、数人の部下を、引き連れていた彼が、
     ある時、たった一人で、私に近づいて来て・・・・・

                                    /野良の、水辺で。

                                    /店の(?)車から、降りて。

                                      にやにや、笑いながら。
                                      手に、何かを持って。

     それが、最後だったろうか。

        彼と私との、出会いの・・・
        あるいは、彼の命の・・・      
                                    /彼が持っていた物を、私が奪い取って・・・


     昭和29年の、短い間の出来事だった。

                                    /家の鶏が、(最初に)変死した頃の・・・

        晩飯の買い物の、帰りの時の・・・
        神社と空き地に、近い場所での・・・                :最後の時を除いては
                                                                     
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                           ☆ 浅 緑 編 (3)☆

     集落の外れの、池の辺に、十数人の者達が、集まっていた。

        町中の者の所有地・・・空き地・・・の中の、池の辺に。

     
     近くの畦道を、私が、通りかかった。
                                
        家の畑と、家との間の、畦道を。


     その私を、その十数人の者達が、

                                 /十五年前に、行方不明になった、近所の子供
                                   と、我が家との関連を・・・その頃、噂するよ
                                   うになっていた者達?
        口を、開けて・・・・・
        身動きも、しないで・・・・・
                                 /恐怖と、驚愕の表情で・・・
    

     野良で、首を絞められた私が・・・・・息を吹き返した・・・・・後の
     ことだったのだが。
                                 /昭和29年の、春の記憶。

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                           ☆ 浅 緑 編 (4)☆  
   
     そこは、庭の中の、閉ざされた、空間なのだった。

        《大きな納屋》
        《削った竹で編まれた、折れ曲がった、垣根》
        《池》
        《池に接した・・・通りにも面した・・・生け垣》

     ・・・・・に、囲まれた・・・


     そこから、逃げ出すには、

        ☆ 池に入って、その中の、数本の切り株の上を渡り、

        ☆ 池の周囲の、密生した潅木の、細い枝を掴んで、上に上が
           り、                           

        ☆ 生け垣に、一個所だけあった、人が通り抜けられるほどに、
           大きな隙間から、路上に出る 
 
     ・・・・・しかないのだった。       

                           
     見知らぬ中年の男に誘われて、路上から、その、近所の家の庭の、
     池の辺まで、歩いて行ったものの、         :狭い入り口を、通り抜けて・・・

     急に、不安になった私が・・・
                                 /昭和29年の、初夏の記憶。

                                  
     (逃げる私の後ろで、その男の、《あーっ》という、短い叫び声
       が・・・・・)                         
                                 /私を、呼び止めていた、その男の・・・
                             
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                           ☆ 浅 緑 編 (5)☆

     集落内には、前編の家のような、

        《敷地が、二分されていて・・・・・その片方の敷地には・・・・・家屋
          などは建っていなくて・・・・・納屋、畑、池などがあるだけの
          家》

     ・・・・・が、何軒も、あるのだった。


        《昔、隣の家から奪った、(その片方の)敷地》

     ・・・・・を、抱えた家が・・・       
                                 /前編の彼のような(?)、敷地を奪われた側
                                   の家の者は、
                                  
                                   そのことで、なぜか、

                                      ☆ 敷地を奪った家

                                      ☆ 敷地を奪った家から、その敷地を、譲
                                         られた家        :そのような例も、
                                                           多数・・・
                                   ・・・よりも、我が家を・・・?
 
                                 /敷地を譲られた家の者が、

                                   その後の、家の、不幸の度に、
                                   なぜか、我が家を、恨んだように・・・?
                       
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