AWC 新選組異聞 蒼き疾風<第二回> BY 野原向日葵


        
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★タイトル (AJM     )  97/ 5/ 1  20:53  ( 48)
新選組異聞 蒼き疾風<第二回>   BY  野原向日葵
★内容
新選組異聞
 蒼き疾風    <第二回>
   第一章    (二)
 「これはこれは、清河さま」
 その夜、深川料亭『水月』に一人の武士が姿を見せた。その名を清河八郎と云う。
 「さぁ、こちらへ」
 「女将、席を外せ」
 「わかりました」
 清河は、膳の前に腰を下ろすと既に先に来ていた男に向かって口を開いた。
 「あの方からの指示は・・・?」
 「殿は、一刻も早い将軍家上洛をお望みだ」
 「それももうすぐだ。安堵されよとお伝え願いたい」
 「伝えよう。だが、清河どの、御油断召されるな。我らの計画、万が一漏れるとなら
ば、我らだけではなく、京の殿の御身が危ないと云う事を」
 「承知した。しかし、その御仁、どのようなお方なのだ」
 清河は、以前からの疑問を問いただそうとした。
 「京の殿」、それ以外、清河は知らない。
 さて一方___、牛込の試衛館道場。
 「おい、総司」
 「何ですか?永倉さん」
 稽古を終え、井戸端にやって来た沖田総司を、永倉新八が呼び止める。
 「お前は、やっぱりあの二人についていくのか?」
 「はぁ…?」
 「幕府の浪士隊の話しだ」
 「ああ、その事ですか」
 「ま、近藤先生は行くとして、問題は師範代だな。何しろ、決定権は土方さんだから
な」
 「行きますよ」
 「えっ」
 「さっき、近藤先生の所に行きましたから、多分そう云うんじゃないかと思います」
 総司は、お得意のニッコリ笑顔で答えた。
 その近藤勇の部屋で、土方歳三は京へ行く決意を語った。
 その意見に、永倉新八・藤堂平助・斎藤一らが従ったのは云う間でもない。
 時に文久3年、清河八郎が募った浪士たちは、小石川伝通院に集結した。
 「諸君、よくぞ賛同し集ってくれた。我々の役目は、上様上洛を警護すると共に、京
の攘夷派を一掃する事にある」
 清河は、声高らかに語った。そんな中で、歳三はあの男と再開した。
 (芹沢鴨・・・)
 その芹沢は、相変わらず酔っていた。
 しかし、その京ではある陰謀が着々と進められていたのである。
 「御前、首尾は上々にございます」
 「うむ。清河と云う男、役に立ったようじゃな。だが、もう一人使えるものが欲しい
のう。捨て駒は多ければ多いほどいいものじゃ」
 「その事につき、既に手を打ってございます」
 「ほぅ。その男、使えるのか」
 「はい。清河がその男を引き入れる事に・・・」
 「それは結構。早く、見たいのう。計画が実行されるのを・・・ククク」
 男は、そう云って含み笑いを漏らした。




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