#4969/7701 連載
★タイトル (AJM ) 97/ 3/ 8 17:27 ( 37)
新撰組異聞 <蒼き疾風> 野原向日葵
★内容
<新撰組異聞>
蒼き疾風
キャスト
土方歳三 新撰組副長。「鬼の土方」の
異名をもつ。俳句の趣味あり
沖田総司 新撰組一番隊長。剣のの天才
でもあるが、明るく、歳三を
兄のように慕っている。
近藤勇 新撰組局長。元、試衛館道場主
その他・・・
<序章>
時は幕末、尊皇攘夷の機運高まる京都では、都中の人々を震撼させる事件が起きた。
その町を、二人の男が連れ立って歩く。どう云うわけか、二人の前から人が退く。
「すっかり、有名になっちゃいましたねェ」
一人が、横の男を横目で見ながら、肩で笑った。
「土方さんは、怖いから」
「馬鹿・・・」
土方歳三は、低く呟いた。
読者の方はご存じだろうか、あの池田屋襲撃を。
勤皇の志士が池田屋にて密談中、新撰組の奇襲によって、血が流された。
多くの歴史家は、池田屋事件がながれば、明治維新は早まっていただろうと云う。
この話は、後ほど本編にて紹介する事になる。
「それより、総司。お前、医者には行ってるだろうな」
「行ってますよ。やだなぁ、私をそんなに病人扱いしないでくださいよ」
沖田総司は、そう云って笑ってみせる。
暫くすると、八木家を間借りした屯所が見えてくる。
その門口から、仲間の一人である斉藤一が大きな板を抱えて、ふたりを迎えた。
「おや、散歩ですか?お二人さん」
「まさか、市中見回りですって。ねぇ、土方さん」
「斉藤、何している?」
「ああ、これですか?看板です、看板」
看板には達筆な文字で、「新撰組」と架かれてあった。
「新撰組、新しく選ばれた組かぁ」
「総司、これからだ。これから俺たちの時代が始まるんだ」
歳三は、その看板を見上げながら、声を大にしたのだった。