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★タイトル (PFM ) 95/ 6/30 19:40 (100)
【地球環境】公害から環境そして地球環境 Mary
★内容
現在はほとんどの物は最初から使い捨てを前提に作られています。こ
のため大量生産・大量消費・大量廃棄という環境にとって最悪の文明が
営まれています。その上、廃棄される物の中には有害・有毒な物も含ま
れていて、直接的に環境破壊を引き起こし、人間初め生物の生命・健康
に係わる物もあります。例えば農薬による河川や水道水汚染、クリーニ
ング工場の廃液による地下水汚染、家庭等から出されるニカド蓄電池(
カドミウム)による土壌汚染、工場や車の排気ガスに含まれる窒素酸化
物や硫黄酸化物による大気汚染や酸性雨等々、挙げれば切りがありませ
ん。また有害ではなくても、大量に廃棄されることで環境に悪影響を与
える物もあります。例えば産業生活排水による水質汚濁や工場や車の排
気ガスに含まれる炭酸ガスによる地球温暖化等です。その内有害物質の
方は公害・公害と騒がれた頃に比べれば規制により大分少なくなったよ
うです。けれども、その後に出てきた新たな有害物質については必ずし
も規制されていなく、垂れ流しになっているものが沢山残っています。
「公害」の言葉が死語になって行くと同時に、環境問題の取扱が軽視さ
れてきたからです。「公害」として問題となったときの教訓が必ずしも
十分に生かされていないのです。それどころかその後に高度工業化や車
社会や使い捨て指向と言った、資源・エネルギーの多消費傾向が急激に
進みました。
例えば、国民皆免許時代と言われるような車にどっぷり使ったライフ
スタイル。しかも、より排気量の大きい車に乗る傾向が強まりました。
一時はバイコロジーという言葉が流行ったり、車を止めた人が出てきた
のに、今は環境問題のことなど眼中にはないという人が大半です。それ
より加速性能や馬力やスタイルや装備や車内の広さと言ったより快楽を
追求する方向へ変わってしまいました。ですから軽自動車に乗る人も減
りました。それまでは外出・旅行は電車やバスと言った既存の交通機関
で行くのが一般的でしたが、今は一家に一台車を持ち、一人でも近くで
も車で出かけるのが当たり前になってしまいました。この結果、街中駐
車場だらけになり、道路はどこも渋滞し、高速道路が増え、都会の生活
は物凄い騒音と排ガスを吸いながらの気分の悪いものになりました。そ
の一方でバス路線や地方の鉄道が消えました。
家庭内もこれまでになかった新たな電気製品で溢れています。洗濯機
は全自動が当たり前になり大型化してより電力を喰うものになりました
。自動化して洗濯は楽になりましたが、より水や洗剤を使う洗濯になっ
てしまいました。それから洗濯物は乾燥機で乾かすという人も増えまし
た。これも手抜きできるだけでエネルギー多消費化に手を貸しました。
電気釜は自動化してより美味しく炊けるようにしたことは良かったので
すが(主食を食べるための道具ですから)、炊いた後に一日中保温する
という機能はどう見ても電力の無駄使いです。これを日本中で一日中や
っているのですから大変な電力の無駄使いです。朝炊き夜炊きという方
法で良いのではないでしょうか。それからランチジャーのような電力を
使わない保温方法が良いと思います。
それからテレビはカラー化し更に大型化しました。最初の頃のテレビ
は白黒で14型位で飲食店等にしかありませんでしたが、今はカラーで
29インチ位のものが各家庭にあり、更にハイビジョン時代に向かって
大型化する傾向にあります。テレビは情報伝達手段として重要ですが、
環境には大きなマイナス要素であることには違いありません。液晶等今
後の技術革新に期待したいと思います。
家電については生活必需品が多いのですが、省電力ということを考慮
して、むやみやたらな自動化機械化というのは抑制した方が良いと思い
ます。メーカーは商品の企画段階からもっと環境問題に対する配慮をし
て欲しいと思います。メーカーはニーズのあるものを作るというより、
宣伝し刺激しニーズを作り出していると言った方が適切ですので。
それから食文化も大きく様変わりしました。まず、インスタント食品
の急速な普及です。より速くより手軽により美味しくということが徹底
的に追求されました。日本人の好きなラーメンを例に取れば、最初は普
通の器に入れて湯を注ぐだけというものでしたが、今はその器も付いて
くるものが数多く出回っています。問題はその器です。燃えないプラス
チックゴミです。毎日々々日本中で大量に棄てられます。今のところこ
れらは全てそのまま棄てて埋立地に持って行かれるゴミになっています
。勿論、永久に自然還元されないゴミです。それから食品のパッケージ
です。パッケージのお陰でどれも奇麗に衛生的に売られているのですか
、肉・魚・野菜・その他惣菜・調味料等々、ありとあらゆるものに付い
てきます。日本中で毎日毎食棄てられるので大量の不燃ゴミとなって棄
てられています。我が家でも不燃ゴミのゴミ箱は一日で一杯になってし
まいます。これらのゴミが毎日々々東京湾の埋立地に運ばれます。これ
は大変な資源の無駄使いです。ゴミ処分に費やす資源・エネルギーも大
変な無駄です。そして埋め立てられる海は大変な環境破壊です。
それからジュース等の飲料も変わりました。昔はジュースやコーラは
再利用できる瓶で売られていました。店の中の冷蔵庫で冷やされ売られ
ていました。缶と言えば缶詰位でした。昔はジュース類は夏でもそれ程
飲みませんでした。お茶や麦茶やただの水を飲みました。それが今では
アルミ缶に詰められ自動販売機で大量に売られています。アルミは軽く
て奇麗なのですが、作るのには大量の電力が使われます。たった一杯の
楽しみのためにです。しかも、空き缶は必ずしも原料として再利用され
ていませんでした。更に自動販売機は夏の暑いときでもいつでも24時
間つけっ離しで売られています。日本中で毎日24時間大変な電力の無
駄使いです。夏のピーク電力の時に自動販売機も電力使用量がピークに
なるのでこれも大変な電力の無駄使いです。それからペットボトルも使
い捨てです。軽くて便利なのですが、これまでは全て不燃ゴミになって
いました。最近リサイクルの試みが始まったようですが、社会の制度や
仕組みが整っていなく実用化はまだまだ先のようです。それに二度とペ
ットボトルにはできず、化学繊維等、他の製品の原料として使用できる
だけのようです。
それから牛乳も変わりました。昔は一合位のガラス瓶に紙の蓋をして
売られていました。一日は朝の牛乳屋さんの音で始まりました。ところ
が今は1リットルの牛乳パックで売られています。これも軽くて嵩張ら
ず便利なのですが、紙パックは上質のパルプでしか作れません。つまり
、毎日牛乳を飲む度に新たに木を切り倒しているのです。直接的な自然
破壊と引き換えなのです。このようにアルミ缶もペットボトルも牛乳紙
パックも環境のためには容器として適していません。ビール瓶のように
完全にリサイクルできるものにすべきです。どの飲み物も以前の方があ
るかに環境に優しい販売方法でした。文明は環境の面では急激に退化し
てきたと言った方が良いと思います。
こうしてこの問題は「公害」から「環境」そして「地球環境」という
大問題に発展してしまったのです。人間が人類として意識して地球の環
境について考えなければならない時代になったのです。
Mary(マリア)