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★タイトル (GSC ) 94/ 9/24 4:21 ( 61)
19 パソコン
★内容
私はパソコンを3台持っている。
1台はPC9801DA/U2で、発売当初に購入したのでずいぶん高かった。け
れども、この機種は評判が良く、事実非常に使いやすい。
その後中古品の9801UXを9万円で買い、さらに9801UVを7万円で買っ
た。当時としては妥当な値段と思われ、それぞれ有効に使い分けている。
ディスプレイとプリンターは1台しかないが、ハードディスク3台(40メガ
100メガ 240メガ)、音声装置3台(VSU AOK しゃべりん坊)、モデ
ム2機、切り替え器2個、MIDI音源、CD−ROM装置。私らしい買い物と言え
ば、3器のキーボードにそれぞれ軟性と硬性のキーボード カバーをかぶせているこ
とであろうか。それとも、フロッピーディスクを千枚以上も持っていることかも知れ
ない。これは、ファイルやデータの整理がいかにまずいかという証拠でもあるが…。
私はノート型パソコンを持っていないので、『UV』を手作りの箱に入れて、勤務
先の盲学校へ持参して使っている。
またまた木製品の話になるが、私はUVを運搬するための箱を1ケ月かけてこしら
えた。元来不器用な私だが、「精神一統何事かならざらむ」である。
板が6枚・細長い木を15本・木切れ約10個・木ネジ170本・金具類32個を
用いて、傍目にも凝った細工の箱を造り上げることができた。鋸で真っ直ぐに切るの
と、ニスを塗る所だけ、妻や子供に手伝ってもらったが、他は一人でコツコツと組み
立てたのである。
しかしこれには笑い話もあって、パソコンと音声装置及び接続コードを合わせて9
キログラムなのに、箱が6キログラムもある。また、あまりにも寸法をきちんと測っ
て造ったので、ニスを塗ったら窮屈で入らなくなり、箱からパソコンを取り出すのに
10分を要し、パソコンを箱に納めるのに15分もかかるしまつである。もう後1ミ
リ大きく造ればよかったのであるが、考え方によっては、後1ミリ小さかったら、こ
の箱は全く役に立たなかったことを思えば、まずこれでよかったのかも知れない。
千両箱ににたこのごっつい箱は、職員室の机上に置いてあり、その上にビニールカ
バーがかけてある。授業の合間の空き時間になると、私はおもむろに箱の蓋を開け、
10分もかけて、パソコンをセットするのである。
家のパソコンはどうなっているかというと、事務用テーブルの上に三階建てに色々
な装置が積み上げてあり、私は勤めから帰ると、早速ビニールのカバーをはずし、そ
のテーブルに向かって腰掛ける。腰掛けにはデパートで買ってきた踏み台を使ってお
り、2段の踏み台の上段に座ると丁度下の段に足が乗るので、実に都合がよい。木の
踏み台は形態的にも機能的にもまことにうまく造られていて、私は大変満足している。
わが家の家計は火の車なのに、高価なヴァイオリンやパソコンシステムを購入して、
結局宝の持ち腐れにしてしまうのが私である。
人生やがて60年になろうとする今、小登山にも将棋にもヴァイオリンにも限界を
感じ、競馬にも飽きたし、音楽会にも前ほどには行かなくなった。今はコンピュータ
ーに夢中だが、早晩限界は見えている。これにも飽きたら後はどうすればいいのだろ
う?
人間関係に行き詰まった者は、動植物を愛し、そして無生物を収集する。それすら
飽きてしまったら…、後はこの世に『飽きる』しかないのであろうか?
20 おわりに
私は「広く浅く」色々な物を集めてきたが、人間くさい物に対しては興味が乏しく、
例えば芸能人のサインや写真とか、色好みの趣味などには意欲が湧かない。
手軽に集められる品、形がはっきりしている物、心を込めて作成された芸術品にこ
そ、強く引かれる。
そして、「収集」というテーマにこと寄せて、私のささやかな思い出話を長々と述
べさせて頂いたしだいである。
[1994年9月23日 竹木貝石]