#887/1336 短編
★タイトル (PCN ) 97/ 8/31 14: 3 (109)
すーがくにまつわるエトセトラっ! 湯飲み茶碗
★内容
ここはどこにでもある学校のとある部屋です。今、この部屋で今年の文化祭の
スローガンを決める会議が行われています。さてさて、どんな言葉に決まるので
しょーか?彼らの話に耳を傾けてみましょう・・・・・・
「今年はどんなんにしょーか?」
「ところで、去年はなんやったん?」
「Revolution〜かえたるねん、やったかな・・」
「んじゃあ、今年も英語を入れよーよ。」
「そうやなぁー。」
みなさんけっこーお気楽な人達です。こんなこと生徒会と数名の生徒と教師で
決めてよいのでしょーかね?
では、ここで今回の主要人物2人を紹介しておきましょう。
*倉本 慎・・・20代後半で、数学教師。学生時代、特に英語と物理がひど
かったらしい。
*松山 光男・・・30代前半で、英語教師。ギョーザが好きだとか・・・
2人とも仮名であり、未だに独身・・・・・
おやっ!? そろそろ決まりそうですね。では、続きをどうぞ・・・・・
「無邪気とか天真爛漫っていうのはどう?」
「それ英語でなんて言うん?」
「innocentちゃうのん? あれっ、innocenceやったかな?」
「名詞やからinnocenceやろ・・・多分。」
「あー、そうかも。」
しかぁしっ! ここで思いがけない言葉を吐いた男がいた。それは・・・・
「無邪気はignoranceなんちゃうん?」
倉本 慎である。生徒が全員彼に注目する。 そこへ別の方向から
「それは無知やろ・・・・」
つっこんだのは松山 光男。英語教師の彼が言うのだから間違いない。
しーん。数秒であるが皆が沈黙に支配される。
しかし、それはすぐに大きな笑いへと変わる。「ignorance=無知」
その言葉はまるで今の倉本 慎の状態そのものを表しているようにも受け取れ、
そのせいもあってか、笑いはますます大きくなっていく。一方、彼はと言うと、
あ・・・赤く、トマトの限界を超えたかのような赤色に染まっている。
どうやら、決まるのはこの笑いが一段落してからのよーです。また、落ち着い
たら見ることにしましょう。
それでは、このへんで・・・・・
P.S.
辞書を引いた結果、innocenceにも「無知」というイミはあります。
しかし、ignoranceには「無邪気」というイミはありませんでした。
おしまい