#462/1336 短編
★タイトル (ALN ) 95/ 5/28 10:48 ( 41)
姉妹 聖 紫
★内容
闇走
闇に隠れて走り行く影は私では無くお前では無く遠く消え去り
時の中を何処までも加速する私をお前をどの様に試みようか…
沸き上がることを忘れた感情の行方は宙に取り残された綿の糸
漂うことを恐れ落ち行くことに怯え舞い上がることを拒む瞬間
もう真実以外には何も残って居ない… そんな夜が降り積もり
私の此の温もりはお前を何処までも押しつぶし砕き破壊する…
私の寝息にお前の寝息が合わさらぬ様にお互いが深く眠る暗夜
期待と裏切りは諦めと悲しみを同時に約束する為故にあり得る
寝息
聴こえない… 見えない… あどけなく眠るお前の側にいても
お前の観ている夢も… 望みも… 私は分かりたくないのだよ
分かりすぎるくらいに分かっているから、全く分からないのだ
寝顔
比べる事の出来ない同等の愛しさを昨夜は君の妹が今宵は君が
哀れな神の子を試みた夜の偉大な天使悪魔のように突きつける
等価である以上今宵君の寝顔に触れることは許されない事等と
偽善者に成れるほど私は強い人間では無いのだと教えてくれる
怯える君を汚した夜の様に君の妹を抱いた夜を思い出す事なく
姉妹
春の薊に燃えし思い戯れにはやりて手折らずともその苦き痛み
故もなく知りつくしたる後に想えばこそ秋の野と知る花なれど
尽きせぬ心は冬夜の君を探すが如く暗く冷たく頑なに閉ざされ
宵闇を湿らせた雨に恋うる君の影に秘めたる激しさなりにけり
聖 紫