AWC 「窓際の猫との会話」           かずいさ


        
#411/1336 短編
★タイトル (RXF     )  95/ 2/22  23:46  ( 66)
「窓際の猫との会話」           かずいさ
★内容

  猫「うい。今日もさぶいな。かずいさよ」
 一功「おお、さぶいやんけ。所でさ、おまえいつから猫になったんよ」
  猫「んなこと聞かれても知らんがな。夏目漱石の『我が輩は猫である』から
    ちゃうか。あの猫ちうのは本家の猫で、丁度ワシが祖先にあたるねん」
 一功「ほんまかよ。」
  猫「ああ、ホンマやと思う。やけどなあ、ほら。ワシって家族が無茶苦茶多
    いやろう。せやし確信は無いんやがな」
 一功「うーむ、さよか。しかしどないや、ちょっとはオトナになったか。マタ
    タビみた途端にクタクタになってへんか。」
  猫「なにいうとんねん。こう見えても、ちょっとは成長したんよ」
 一功「ほら、マタタビ」
  猫「クタクタ・・」
 一功「どこがかわってんねん、おまへは」
  猫「わからんのかー。これは関西ネタや。クタクタ・・ ま、まったく・・クタクタ・・」
 一功「おまえ、嘘つけん体やのう」
  猫「最近なあ。マタタビより凝ってるものあんねんよ。」
 一功「ほう。なんなんよ」
  猫「いや、それがナトリのマグロ珍味なんよ。あれたまらんわ。せやけど、
    アメみたいに包まれてるから、ワシの手ではあけにくいねん。」
 一功「猫も大変やのう。」
  猫「ああ、色々と大変やねん。この前も、石井さんとこの壁つたって歩いてたら、
    隣の藤井さんとこのシャム猫のポポリンなあ、わしの尻を匂いでくるんよ。
    もうたまらんわ。あいつ変態か」
 一功「どーやろうなあ。ワシ等人間にはどの行動までが、おまえさんら猫世界の変
    態行為に値するかがわからんからなあ。」
  猫「まあ、基本的に猫を取り締まる法務局もないし、警察もないしなあ。あると
    すれば保健所やしなあ。あっこだけは、ちょっとかなんわ」
 一功「あー、保健所なあ。しかしナンやなあ。お前も捨てられたんやろう?」
  猫「そうなんよ。静岡に住んでたんやけど、ナンでも大阪に越すちゅうことで、
    ほっとかれたんよ。なんか行き先は、猫とか動物こうたらあかんねんて。」
  猫「そいでやで、ワシ静岡でヒッチハイクちゅうか、勝手に乗り込んで大阪の
    飼い主の元いったんよ。到着した日にチャイム鳴らしたけど留守やったさか
    い南海サウスタワーホテルの裏で泊まって、翌日またいったんよ」
 一功「それにしては、おまえ関西弁の上達はよないか?」
  猫「ああ、それは作者が関東弁知らんからちゃうか?」
 一功「なんや、作者って」
  猫「まあええがな。そっとしとき」
 一功「ほうほう。ほんでどうやったん」
  猫「そしたら、奥さん出てきてびっくりしよってなあ。日曜やったさかいに、家族
    の人皆おって、取り敢えず茶の間上げてもらって会議したん」
 一功「んで、会議の結果どうなったん」
  猫「ああ、やっぱり住めへんから言う理由で手切れ金と、愛用してた鈴を渡されて
    しもてん」
 一功「かわいそうになー。人間の勝手な理由で」
  猫「まあ、相手方の住宅事情あるし、しゃーない所もあるンやがねー。それから
    暫くは保健所に追いかけられる毎日で、オチオチ寝てもいれへんかってんよ」
 一功「そうなんかー。それで、今の8丁目の吉井ちゃんとこで拾われたんね」
  猫「ああ、そうやねん。吉井ちゃんには感謝してんねん」
 一功「まあ、吉井ちゃんええやつやさかいし、あんまりひっかいたりしたらあかん
    ぞ」
  猫「ああ、わかった。せやけどなあ、吉井ちゃんに一個だけ内緒にしてんねん」
 一功「なになん?」
  猫「いやね、5丁目の岡田さんとこのチャンピいるやろう?」
 一功「ああ、いるいる。」
  猫「あれと今結婚を前提付き合ってて、この前にワシの大事な鈴やったんよ」
 一功「おー。やるやんけ。」
  猫「したら、その鈴がよう似合ってん。たまらんわ。もうめっちゃ惚れ」
 一功「いちいちのろけんなよー」
  猫「んなら、また何か変化あったら携帯電話の方に入れるわ」
 一功「ああ、わかった。ほんならねー」
  ・・・・んで、猫はかえりました。
 一功「しかし、あいつも大変やってんなあ。飼い主も最後まできちんと面倒みたる
    ”責任感”ちゅーものが感じられない場合もあるしなあ。」

          公共広告機構じゃないですが(笑)、    かずいさ




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