AWC エティーマン 第4話  妖魔メルコーン呪いのメモリー


        
#2786/5495 長編
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エティーマン 第4話  妖魔メルコーン呪いのメモリー
★内容

エティーマン 第4話  妖魔メルコーン呪いのメモリー

 秋葉原に来ていた鬼堂明は、秋葉原のとある電気店に入ってパソコンや周
辺機器などを見て回っていた。
「へぇーっ、スパーペンテ対応のマザーボードがもう発売されているのか」
 ウインドーに展示されているボード類を見ていると、突然鬼堂明の後ろで
DOS/Vパソコンを見ていた男が、モニタを持ち上げパソコンを叩き壊し
た。
「何をするんだ」
 駆けつけた数名の店員が男を取り押さえようとしたが、男は恐るべき力を
「どうしたんだ・・・」
 その騒ぎに驚いた鬼堂明だったが、それは悪夢の始まりでしかなかった。
老若男女を問わず店内にいる人たちが次々と凶暴な人間になり、家電製品や
パソコンなどを壊し始めたのである。
「きゃー」
「うわぁぁぁーっ」
 その巻き沿いを食って正常な人たちが殴られ、次々と倒れていったのだ。
また、店内から逃げようとする人が出口に殺到し、完全に店内はパニックに
なってしまっていた。
「こ・・・これは・・いったい・・・」
 最初は驚いていた鬼堂明だったが、すぐに冷静になり暴れ回っている人た
ちの行動を観察していた。突然凶暴になり、無秩序に暴れ回っているように
見えたが、ほかのパソコンなどが壊されているのに98だけは全くの無傷で
あったのだ。
 98を媒体として人間世界に現れている電魔にとって、98はなくてはな
らない力の源なのだ。だからこそ絶対に電魔は98を壊すことはないのであ
る。その事実が電魔の仕業だという証拠になっているのだ。鬼堂明は何とか
店内から脱出しようと試みるが、狂人と化した人々によって阻まれ身動きが
とれない状態だった。
「くそーっ」少し苛立ちを覚える鬼堂明だったが、彼の目に商品として陳列
されている98が飛び込んできた。
「あれだ」暴れ回る人々の隙をついて商品棚にある98を手に取ると、出口
に向かって走り出した。
「グルルルルルッ」思った通り、電魔によって操られている人たちは98を
持つ鬼堂明を避けていった。
 外に出た鬼堂明は、そこで繰り広げられている惨劇に愕然とした。秋葉原
がまるで暴動が起きたような状態で、店が破壊されあちこちから火の手が上
がっているのだ。
「電魔一族め、本格的に人間界の攻略を始めやがったな・・・だとすれば美
紀ちゃんが危ない」
 コンピュータに触れた人間は狂人と化してしまうのだ、それがどのような
方法で行われているのか、現時点では鬼堂明にも推測が不可能だった。とに
かく、この惨劇は東京・・・いや、日本全土に広がっていることは間違いな
い。鹿島美紀もマックユーザーなのだ、だとすれば電魔によって狂人となっ
ているか、それとも暴れ回る人たちに襲われているのか、どう転んでも最悪
向かった。
「美紀ちゃん」家に飛び込んだ鬼堂明は、二階にある鹿島美紀の部屋のドア
を開けた。そこにはマックの前に座っている鹿島美紀が居た。
「美紀ちゃん、マックの電源を切るんだ」
 鬼堂明が声をかけても鹿島美紀は全く反応を示さない、不審に思いながら
も彼女に近付きそおっと肩に手を置いた。
「美紀ちゃん・・・・」
 鬼堂明がもう一度声をかけた。と、その時、突然鹿島美紀が鬼堂明に襲い
かかった。
「殺してやる、殺してやる」
 人間とは思えない声で鹿島美紀が叫んだ。
「くそ、遅かったか」鹿島美紀の攻撃をかわした鬼堂明は、下腹部に拳を叩
き込んで鹿島美紀を失神させると、そのまま床に寝かせた。
「電魔め、いったいどんな仕掛けをしたんだ」
 マックのコンセントを引き抜いて機能を完全に止めると、ドライバーを使
ってネジを外し内部のボード類を引き出した。中を覗くと、見慣れないメモ
リーが突き刺さっているのを発見した。
「こ・・・これは・・・・」
 そのメモリーを引き抜き手にした鬼堂明は、そのメモリーから明らかに電
魔特有の波動が出ているのを感じたのである。と、同時に過去に感じた波動
と同じ物だった。おそらく鬼堂明と合体する前の勇者ファーが感じた波動な
のであろう。
「呪いのメモリー・・・・こんな芸当をやってのける者は、電魔一族の中で
も奴一人だけだ。許さんぞ妖獣メルコーン」
 震える手でメモリーを握り潰した鬼堂明は飛び出すように家の外へ出た。
「エーーーティーーーーっ」
 鬼堂明が叫ぶと、鬼堂明の自宅にあるDOS/V電源が入り、鬼堂明に起
動プログラムが送られてくる。そのエネルギーを体内に受けると、融合して
いる勇者ファーのBIOSを目覚め、鬼堂明はエティーマンに変身すること
が出来るのだ。その間約0,1ミリ秒しかかからない。
「CDウイ−−−ング」
 両手を背中に回しバッと翼を広げると、空中へ舞い上がった。5万メート
ルぐらい上昇するとそこで停止した。妖獣メルコーンは、呪いのメモリーの
虜になった人間達をコントロールするために、何処かで特殊な電波を出して
いるはずである。地上では電波が入り乱れているためメルコーンが出してい
る特殊電波を捕らえにくい、そのため地上を避け空中へ出たのだ。
「Cバスイヤーーーーっ」
 尖った耳がアンテナのように伸び、あらゆる電波を捕らえている。その中
に妖獣メルコーンが放出している特殊な電波を発見した。
「ムッ、あそこか」
 妖獣メルコーンは静止衛星にへばりつき、衛星の電波発信機能を利用して
呪いのメモリーの虜になった人間達を操っていたのだ。
「貴様の企みもそこまでだ妖獣メルコーン」
「よく俺様の居場所が分かったな」
 ジロッとエティーマンを睨んだ妖獣メルコーンは、衛生をコントロールし
ている触手を外すと戦闘態勢を取った。
「貴様にこれ以上人間界を荒らさせはしないぞ」
「お前の力で俺様は倒せぬ、地獄へ行って悔しがることだ」
「それはどうかな、PCIカッターーーーーっ」
 腹に付いているバックルのような所から無数の光るカッターが飛び出し、
妖獣メルコーンに襲いかかった。
「ふふっ、無駄だ」
 メルコーンは体内から電磁バリアーを放出し、向かって来るカッターをこ
とごとく跳ね返した。
「なにっ」
「わはははは、今度は俺様の番だ。食らえ、メルビーーーーム」
 メルコーンの両腕から青白い光線が飛び出した。
「アクセラビーーーーム」
 回避が不可能だと判断したエティーマンは、両腕を胸に付け対抗するかの
ようにビームを放つ。メルビームとアクセラビームが空中でぶつかり、衝撃
波が二人に襲いかかった。いち早く体勢を立て直したメルコーンが、身体か
ら触手を伸ばして、エティーマンの身体に巻き付けると高電圧を放った。
「うぐわぁぁぁぁぁぁぁーーーっ」
 もがき苦しむエティーマン。メルコーンは勝ち誇ったように口を開く。
「勝負あったなエティーマン。このまま黒こげになるが良い」
『こ・・・このままでは殺られる・・・何とかしなくては・・・』電撃を受
けている状態ではPCIカッターもアクセラビームも使えない、それでも絶
対に負ける訳にはいかないのだ、もしここで倒れてしまったら誰が電魔一族
の魔の手から人間界を守るというのだ。エティーマンはもがき苦しみながら
も何とか突破口を開こうとしていた。
『そうだ・・・Cバスアローを使って、俺の身体に流れ込んでいる電気を逆
流させれば奴にかなりのダメージを受けるはず』
「苦しいかエティーマン、我慢せずに早く楽になれ」
 もて遊ぶように少しずつ電圧を上げていく妖獣メルコーン。
「いい気になるなよ・・・メルコーン」エティーマンはそう言い放つと、両
手で身体に巻き付いている触手を握った。
「なっ・・・何をする気だ」
「Cバスアローーーーーーーっ」
「ぐわぁぁぁぁっ」
 電気が逆流し、メルコーンはかなりのダメージを受けた。同時にエティー
マンの身体に巻き付いている触手が離れた。エティーマンはその隙を見逃さ
なかった。
「アクセラビーーーーム」
 エティーマンの放ったビームが妖獣メルコーンの身体を貫いた。
「これで・・・勝ったと・・・思うなよエティーマン・・・俺様の敵は必ず
メディア将軍エーエヌン様が・・・討ってくれるはず・・・グブッ」
 メルコーンの身体が崩れ消滅した。
「くるなら来いメディア将軍エーエヌン。俺は絶対に負けないぞ」
 エティーマンは新たなる闘志を燃やしていた。

次回予告・・・・電魔一族の計画をことごとく阻止された事に苛立つメディ
ア将軍エーエヌンは、ついにエティーマン抹殺計画を発動した。その刺客と
して選ばれた電魔ナンドス。彼の持つ恐るべき能力の前に、エティーマンの
武器は全く通じず窮地に陥る。果たして、エティーマンに勝機はあるのか・
・・・次回、第5話・・・・エティーマン抹殺計画 前編 お楽しみに





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