#2506/3137 空中分解2
★タイトル (CKG ) 92/12/11 15:47 ( 15)
●連載パソ通小説『権力の陰謀』 8.異動
★内容
信一が異動希望調査票を提出した後、信一の人事に関する噂が飛び交った。 期待を
持たせたり、落胆させたりと。 そして、いよいよ3月が終わろうとするとき、一度は
移動できるという情報があったが、その後、事態が急変して移動できないという情報が
入った。 きっと努力は報われると前の晩確信していた信一だったが、それを知り、悲
しみと失望のどん底に突き落とされたのだった。
昭和49年4月、前年から1年遅れの新任研修があった。 どういう訳か部落差別の
話が出た。 新任研修にはまったく不似合いな話だった。 今思えば「これからお前を
差別者に仕立て揚げるぞ」という帝都の開始宣言であったのだろう。 信一に対するそ
れは、もう、そのころには策略されていたのだった。
新任研修中に江口課長より電話が入り、4月23日より大気汚染課に異動という打診
があった。 もうとっくに諦め切っていた信一だったが、承諾した。 人事移動は大幅
なものだった。 あの係長は計画部に栄転し、部長級も変わった。 今思えばもしもの
場合に備えた、緊急非難だったのだろう。 これはそれほど冒険をしても意味のある行
事だったのだ。