AWC 大都会の中の熱き戦場(7)          グレイ


        
#2413/3137 空中分解2
★タイトル (QUB     )  92/11/29  16:46  ( 87)
大都会の中の熱き戦場(7)          グレイ
★内容

 沙織と早瀬は数時間を喫茶店で過ごした後近くにある公園へと話の場所を移したので
あったが、寒さが増して来た季節であるにも関わらず二人は話に夢中になっていた。
 それ程重要な話をしていた訳でも無いのだが、早瀬は沙織の話に引き込まれるのをど
うしようも無かった、そのせいhル変に気付いたのは意外にも早瀬では無く沙織の方
先であった。

 「ねぇ早瀬ちゃん、ここの公園はアベックのメッカだったよね?」

 沙織の言葉に改めて周囲に気を配り直した早瀬は、通常であれば自分が犯すはずの無
いク敗をした事に気付いた、沙織に集中する余り普段であれば無意識に張られている
と早瀬自身が信じ込んでいた警戒意識さえ沙織に向けられて警戒を怠っていた、そして
周囲には重大な異変が起きていたのだ。
 真冬でもベンチや薮の中で愛を語らうアベックがいるはずの公園であるのに人影一つ
無くなってしまっている、結界じみた力でここが閉鎖されていない事は早瀬の力によっ
て理解出来たが、何らかの方法で一般社会からこの地域が隔離された事は間違いは無か
bス。

 「沙織、俺の側を離れるなよ」

 内心の緊張を隠しまるで口説く時の様な調子で早瀬がそう告げた時、次の異変が起こ
ったのだった。
 沙織と早瀬の5m程前方の地面が見る間に盛り上がると盛大な土煙が上がり夜目にも
周囲が真っ白に染まったのが解る程であった。
 そして、その土煙の中から一筋の炎が二人めがけて飛んだ時、早瀬は沙織の衿を掴む
と間横の植え込みの中に飛び込み遮蔽物を探した。
 だが敵の攻撃力から想像出来る破壊力を遮蔽出来る物等は周囲に存在しなかった。
 (それにしても、この力は奴の力じゃ無い、レポートには無かったしクラブの情報網
がこんな事を見逃すはずは無い、さっきの奴らと言い、敵はいったい幾つ存在するのだ
ろう?)
 早瀬がそんな考えを巡らせていた時、敵の姿が現れて来た、それはまるで大型の蜥蜴
の様な姿をした生物だった、それもその体型に元は人間の女性らしいラインが残されて
いるのが見て取れた。
=iもしかして、正体不明となっていた奴のアシストがこいつだろうか?)
 疑問ばかりになる思考を捨てた早瀬は、行動を起こす事にした。
 無言になってしまった沙織を脇に抱え直すと、早瀬は驚異的早さで並木の間を走り抜
て行った。
 敵の追って来る気配がはっきりと感じられたが、早瀬はそれには構わず沙織を保護出
来てしかも敵と戦える場所を探して走り続けた。
 そしてその時、敵味方の双方に援軍が現れた。
 早瀬の味方は、かつての部下達で顔にも覚えのある者達であったが、敵の正体は理解
出来ない存在であった。
 その姿さえはっきりとは見えない、特殊な体を持つ早瀬達に取ってさえもその存在を
確実に認識させ得ない存在に出会ったのは、早瀬に取り初めての経験であった。
 しかし、長年共に戦った部下達は信頼に値した、敵の援軍を引きつけると二名が結界
を築いてくれた、呪術等で言う結界とは違い戦闘者による安全ゾーンでしか無いのだが
その中に沙織を預ける事で早瀬は戦闘可能状態になるのだった。
 結界の中に沙織を入れた早瀬は振り返ると最初の敵に向かった、戦闘は激しさを増し
てかつての部下が繰り広げる戦闘に草」は懐かしささえ感じていた。
 常人であれば目にする事も叶わぬ早さで双方が動き跳びそして走る、人間がその肉体
から発する事が叶わぬはずの力が双方の肉体から飛び交った。
 早瀬の発したエネルギーが敵の一人を捉えた時、その敵の動きだけが一瞬止まったが
やはりその姿は認識出来かねる存在であった。
 光に包まれ消えて行く敵の姿を見ながら早瀬は、もしかして肉体をエネルギー化した
存在なのかと言う疑問を打ち消した、そんな事に構っている場合では無い。
 早瀬は自らのエネルギーを細く絞り剣状にすると、最初に出て来た敵「蜥蜴女」にと
向かって行った。
 明らかに蜥蜴の力は早瀬と互角のクラスであったが、戦闘を知ると言う事に関しては
早瀬に一日の長があった様で、他の敵に邪魔をされながらも蜥蜴を追いつめていった。
 勿論、そこには邪魔に入る敵を牽制してくれる味方があったからこそではあったが、
そちらも戦闘経験と言う名の有利さを持っていた様であった。
 (こいつら力はあるが訓練程度が我々程では無いのか?)
 早瀬の認識は正しい様であったが、それでも手を焼く事に変わりは無く、敵の力は容
赦無く早瀬と仲間に降り注いだ。
 早瀬の一瞬の油断を突いた様に、蜥蜴が早瀬の懐に飛び込んで来たが、それは早瀬が
仕掛けた高等な誘いであった。
 早瀬はエネルギームを限界の細さに迄絞ると、蜥蜴の胸元へ突き込んだのだが、早
の予想以上に敵の認識力は高かった。
 どんな敵でさえかわした事の無い早瀬のフォーメーションを蜥蜴はかわして見せたの
だが流石に無事と言う訳には行かなかった。
 これまでの敵であれば、それで死に至ったであろう一撃は、敵の左足の膝から下を切
り落としたに過ぎなかったが、敵はそれで退却に入った。
 深追いを避けた早瀬達は、そこでようやく会話を交わす機会に恵b黷スのだった。

 「今の奴らって何なの?」

 最初に言葉を発したのは、また意外にも沙織であった。

 「それが解ればやられる前に叩くさ」

 苦笑いしながら答える早瀬の周りに、仲間達が集まって来た。




    QUB38517  【神奈川】   グレイ





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