#2345/3137 空中分解2
★タイトル (TEM ) 92/11/ 7 23:25 ( 58)
女心と狐と鈴木クン うちだ
★内容
鈴木クン、いつだってどこでだって私はあなたの味方でいるわ。
本当のところ、「いつだってどこでだって私はあなたの味方でいるわ」なんて
ちっともすっとも思っちゃいないけど、まぁつまりそういうこっぱずかしい事
も言ってみたいお年頃って事さ。あ、こんなこと言う女って可愛くないね、は
はは。私はそんな普通の人さ。いつだってどこだってなんて絶対無理って知っ
ていながら、言っちゃうトコロが大人って訳よ。わっかるかな、わかんねぇだ
ろうなぁ。(←って大昔流行った歌のレコードがうちにあるわ)
まあともかくな。私は鈴木くんの味方だ。とりあえずそれはホント。
そして鈴木クンはそういうことを言われると、うれしいらしい。
私は鈴木クンを好きだから、彼が喜ぶのはうれしい。
それで世の中事もなし。うまくできてるよね。
例えばねぇ、結婚てゲームがババ抜きみたいなルールで進むと思って頂戴。私
の手元には男の人が一般的に欲しがる無難なカードが揃っちゃってるわけ。自
慢してるわけじゃないよ。料理上手、容姿まぁまぁ、次女、しっかりもの、人
当たりがいい、明るい・・・どのカードを開いてもオッケーってな具合。でも
本当はそういうのじゃなくて最悪のカードが揃っていてもなお、好きだといわ
れてこその女冥利だと私は思うのだけどな。
「よっちゃんはいいお嫁さんになれるよね」
ははは、そうですか?そりゃ結構なことですなあ、誰にとって?
結婚ってゲームに強くったって、そんなにうれしかない。どのみち最終的に私
はこのゲームでは勝てない。まぁ別に私自身の問題ではないんだけど。つまり
このゲームにおいては本人をとりまくカードってのもあるでしょ。放蕩兄貴が
いるとか、宗教関連とか、親が借金してるとかさ。例えるなら、ジョーカーを
持っているって話になるのかな。
鈴木クン、私と付き合いたいの?・・・・ふぅん・・・結婚前提に?
ふふん。伏せてるカードは見えないんだよね。でも血縁者に精神異常者が出た
ときたら、これはもー決定的にジョーカーでしょ?
うちの廊下を通りかかると、真っ黒な髪のおかっぱ頭の童女が立ち塞がって
「キェーッ」と甲高く鳴くわけ。それが姉。私は丁寧な45度の礼をして通り
抜ける。
本当のところはちょっと精神異常とは違うんだけどさ。姉は生まれつきこんな
風ではなかったらしいから。何でも姉が小学1年のある日の放課後、学校で流
行っていた「こっくりさん」をやっていたら狐が帰らなくなったんだって。そ
の日までは普通の人らしかったけど、私が物心ついたときにはもう姉は狐憑き
だったからなあ。つまり、フツーの姉なんて私知らない。
あ、うれしそうなの分かる?
ほんと言うとねえ、姉にありがとうって言いたいくらい。
お姉ちゃん、ありがとう。
お陰様で私はだまして男の人のこころを試したりしないで済んでるの。
幸せものかなあ、私って
なわけないだろ、バカヤロー!!