AWC 家には四輪自動車が無いんだ。(1)   【惑星人奈宇】


        
#1951/3137 空中分解2
★タイトル (ZQG     )  92/ 7/17   4:17  (174)
家には四輪自動車が無いんだ。(1)   【惑星人奈宇】
★内容

 ***** 今時 自動車を所有していないなんて *****

 大分暑くなってきたなあ!まだ6月の始めなのに昼の気温は何だい!30度に近い
ではないか。どうしてこんなに地球が暖かくなってしまったのかなあ。冬は積雪量が
少なく成っていいけど、夏がいけないよ! とても住み難いほど暑くなるのだから。
 春男は少なからぬ不満を現在の自然現象に抱いているのである。新聞や雑誌も「気
候温暖化の原因は石油とか石炭などの化石燃料の使いすぎによって、木などの植物の
炭酸同化作用に必要な量以上に炭酸ガスが排出されるために、その余剰の炭酸ガスが
空気中の炭酸ガス濃度を高め、これによって温室のような効果を発揮するために地球
上の気温を少しづつ上昇させている。」と書いている。

 個人的に解決できないことを考えてみても仕方が無いけど、でも春男は気に成るこ
とだと思っている。
 それでさ 自家用車もどの家庭にも2台くらい所有されているでしょう ! そり
ゃ 当然だよ。 これだけ燃料を燃やし続ければ、そりゃあ当然空気も熱くなるだろ
うって あはははは! 笑い事では済まされ無いって ! そは言うものの春男には
今なお自家用車がなくて自転車で殆どの私用をこなして居るのである。
 この前なんか会社の明子主任に「春男ちゃんはまだ自動車乗らないの! 今時珍し
いよ! 最近皆自家用車乗っているでしょ !うちの会社の春男ちゃんだけ自動車を
持っていないんだものね 皆に言われない? 自動車まだ買わないんかって!」
 そりゃあ俺だって自動車ぐらい欲しいよ そりゃあ欲しいに決っているさ!
天気の良し悪しに関係無く何処にでも行かれるんだから そりゃあ 明子主任に言わ
れなくっても欲しいんだよ。

 欲しいはずの自動車! 春男はどうして買わないのでしょう?
そなこと春男の友達である安男にも解らない! きっと運転が下手なのでは無いか?
あいつ運動神経が昔から鈍かったからなあ それに自動車が恐ろしいんだよ、いつも
のように運転していてブレーキが突然利かなく成ったらどうしようとか、物陰から人
が飛び出してきたらどうしようとか、頭の中が心配で一杯なんだよ。

 でも春男にしたら「何だい あいつ等 俺の事だと思って好きなことをいって居る
!自動車が無くても死にはしないんだ。」と思っているに違い無い。でもう心の何処
かに「でもいいなあ ブルバド サニ カムリ コロナ シテエ ハミリア ・・・
などが有ったら便利だろうなあ」って考えることが有るかも知れない。

 いつも春男は自転車に乗って出勤している。会社までの距離がたったの500メー
トルしか無いから春男には自動車を買う必要性がないのである。会社でタイムカード
に記録させてロッカルームに向かった。 おはよう! おはよう おっす などと皆
元気がいい。 この中には未婚の女性である安子も含まれている。この時同僚の安男
が春男のところに来て「おっしゅ」と挨拶のつもりで言った。春男も「よおうう」と
答えた。 「大分暑くなってきたなあ 海に行こか!」と安男は機嫌がいい。春男は
「いいなあ  行ってもいいぜ。」と答えると「実はな! まだ自家用車を車検に出
してあるんだ!戻って来たら行こ! 」と言って先に行ってしまった。

 安子や他のおばさんらも同じ部屋で着替えをしていた。ちよっと安子の方を向くと
ブラジャ一枚になって会社の制服を着替えているところであったので、安子の着替え
終える頃を見計らって春男も着替えた。そして「安子ちゃん! 海に一緒に行かんけ
え!安男君も一緒だけど」と話しかけてみた。安子はおばちゃんと少し会話していた
が少し間をおいて「考えておくわ」と答えた。そしておばちゃんにとの会話に戻り「
おばちゃんにこの前貰った 鱒寿し!美味しかったわ」などと話しているのが春男に
良く聞こえた。
「何だ 鱒寿司か 食べたいなあ 今度 スーパーで売られているのを見たら買おう
」と心に仕舞い込むのであった。 鱒寿司だと言うと、何と言っても富山名物のあれ
だ! 葉の匂いが寿司に染み込んでいてとても美味しいのだ。鱒の寿司を買おうと考
えるだけで体に力が湧いてきて仕事にも自然に熱心に取り組んでいた。

 何だかんだと過ごしているうちに、平凡そのものな毎日なのだが、もう7月だ。あ
あ仕事を終えて家に帰ってみると、自分の体に疲れがたまっているのを感じる。7月
にも成れば暑いから疲れがたまり易いのだ。春男はシャワーを浴びて食事の準備に取
り掛かった。一人で生活していると食事の準備に大変なのだ。会社での仕事中にも今
日の献立を何にしようかなあとか久しぶりに大きなスーパーに買いに行こうかなあと
か考えることが有る。今日は暑かったから疲れた! やっぱビール飲もうかなあ!昨
日は飲まなかったからアルコール中毒には成り難いだろうし、ビールを毎日飲んで居
るのでは無いから許されるだろうと尤もなビールを飲むきっかけと言うか理由を考え
るのであった。

 ビールには刺身だ だがここには刺身がない。どうしよう! わざわざ買いに行く
気にも成れない。あっ! このような日のために鰯の煮干が有るのだ。これをこのま
ま食べるわけにも行かないので、沸騰する湯の中に入れ更にこれに醤油と七味唐辛子
を少し加えて一〜二分煮るのである。多分皆は知らないだろうなあ。こんなに美味し
いものが有るなんて! 出しじゃこがビールの肴に最適だなんて!  春男はにやに
や顔を綻ばせながら小さな鍋から小鰯を全部すくい上げ皿に盛った。春男は「ビール
は何処だ!ビールは何処だ!」と独り言を言いながら、当然冷蔵庫の中にある缶ビー
ルを取りだしビールの栓を開けた。

 この時玄関のチャイムが鳴った。
 チャンチャンチァアアン チャンチャンチャアン チャンチャャャャャン ・・・

 何だ 安男君に安子ちゃん!  二人お揃いで何でしょう ?
まああああ 上がれよ! 今丁度ビールを飲もうとしていたところだ。
ありがとうさまで! えへっ! 何だか御呼ばれに来たみたいでわるいな!
いいって 遠慮するなって ! 安子ちゃんは何? ビール ! ウイスキ?
私 ビールにするわ!。 俺はウイスキにするよと安男が言うと、ウイスキか! ウ
イスキならそこの戸棚だ。安男がキョロキョロしていると、「おおおう そこの所」
と言って春男は安子ちゃんにビールを注いだ。「肴はこの小鰯だけだ! 何にもねえ
けど我慢してくれや」と言って飲み始めた。「俺さ ここまで歩いて来たけど、ゆっ
くり歩いたつもりだけど汗が出たな。」「そりゃあもう夏だから仕方無いよ!」
「安男君の自動車は何時車検が終るの?」と安子が言うと、「もう終って居るんや!
取りに行かんとあかんのや。」と安男は答えた。
「安男は暢気だなあ!車検の話は大分前に聞いたような気もするしさ、あれは何時だ
ったのだ? 海に行こうなんて言われたのは?。」 「わかったよ! そろそろ自分
のと自動車を交換してくるよ。」

 春男が「夏はビールだ ビールは美味しい」と言いながら、安男にビールを勧める
と「そなら一杯だけ貰うよ」と安男はコップを差し出した。「春男ちゃんこの小鰯は
結構大きいなあ!物差で計ってみようか?」とビールを受けながら言うと「まあああ
大体さ 8センチ位でないか!俺さほんとは出しじゃこのつもりで買ったんだ。だけ
どどうしても魚くささが抜けないんだ。それで捨てようかと思ったのだが、捨てるつ
もりのこの魚を少し食べてみたんだ。そしたら美味しい! それでさ、これはビール
の摘みに最適だと確信して仕舞ったのさ。」と春男は説明した。更に「値段が割合安
くて長い間保存できるから便利だよ」と安子ちゃんに向かって言うと安子は「それな
ら私も買っておくよ!でも私はあんまりビール飲まないから」と言うと、安男と春男
は思わず口を揃えて「俺達が安子ちゃん家に御呼ばれに行くから」と合唱して仕舞っ
た。

 それはそうと「春男ちゃん 今度の日曜日 何処に行くんだ? ドライブに行かな
いかなあと思ってさ! それで来たんだ。」と安男が言った。「安男君の自動車運転
は危なっかしいからなあ」と笑いながら春男が言うと、「そなこと無いよ!うらはい
つも安全運転だ」と口を少し尖らして安男は答えた。安子が「でもドライブよりもハ
イキングって言うのも楽しいしなあ!あるいはサイクリングもいいざ!」と言ったの
で、春男は「自分はサイクリングしようかなあと考えていたんだ。例えば永平寺有料
道路を自転車で通過しようかと思案していたんだ。」と自分の気持ちを話した。

 「えっ 永平寺有料道路!あれは自動車専用道路ではないのか! あそこ自転車も
通れるのか? 俺全然知らなかった。」と安男が大きな声で言うと、春男が「実は俺
あそこ通ったことが有るんだ! それでトンネルの前後辺りが何だか気分良かったよ
うな気がして、それというのも道路の両側は杉林でさ!森林浴のような気分に成るん
だよ きっと!」と言った。「じゃあ サイクリングにしましょう 私も自転車で行
くから」と安子が春男に賛意を示して言うた。「えっ 安子が? まさか買い物用自
転車でサイクリング? それは大変だよ 重労働だよ。」とすかさず安男が冷やかし
た。「大丈夫だよ!安子ちゃん 自転車に乗るのが嫌になったら安男の自動車の屋根
に自転車を載せればいいから」と言って春男が安子を宥めた。

 「それにしても春男の家にはスケールも無いのか」と呆れたように言いながら捜し
始めた。 春男が「道具箱の中に有るはずだ。」と答えると、安男は早速スケールを
取ってきて、さっきの煮干の長さを計り始めた。安子が「日曜日晴れると好いねえ!
雨が降れば中止に成ってしまうから、天気予報は何でした?」と春男に向かって言う
と、「わからんよ 今は梅雨時だしな ひよっとしたら雨が降るかも知れないし、ほ
んとは曇が一番好いよ! 涼しくてさ!。」

 「それじゃあ 今度の日曜日はサイクリングをしましょう」と決った。
この時安男は「うおおおう  この煮干の長さ! 何と8センチメートル 8センチ
も有るよ。ひやああああ 凄い」と喜んでいる。「まあああ 出しじゃことしては大
きいよ! 店頭で見るまでは知らなかったから、それにしても次回迄に摘みに御菓子
とかスルメを用意して置くよ!何しろ突然だからなあ あはははは」と春男が言い訳
がましく言った。そして冷蔵庫の所へ行き冷蔵庫の中を見た。もう既にビールは無し
で有った。 ウイスキなら有るけどと春男が考えていると、「そろそろ帰りましょう
か」と安子が安男に向かって言った。安男は「うん 帰ろう」と答え、玄関に向かっ
て歩き出した。

 安男と安子は「また来るからねえ」と言って帰って行った。

  ***** 次の日 *****

 仕事を終えて帰宅後、春男が食事を済ませて新聞を読もうとしていた。この時玄関
のチャイムが鳴った。誰かと思い出てみると、昨日と同じく安男で有った。どうも車
検を終えたばかりの自家用車に乗って来たようである。
 安男は「やっと自家用車取ってきたよ! これで何時でもドライブ オケだよ」と
言いながら入ってきた。「お前さ!今度の日曜日はサイクリングだよ! ほんとは自
転車が必要なんだよ」と言うと、安男は「わかったよ わかっているよ でも俺はこ
の自動車に安子ちゃんを乗せて行くから安心しろよ!」と強気である。

 「安男君! お前自転車くらい買えよ! 一緒にサイクリング出来ないよ! 最近
はさ! マウンテン・バイクが流行しているんだ! 知ってるか?」と誘い口調で言
うと、「うん そのうちに買うよ! あれ結構値段が高いからなあ! 5万円もする
じゃないか! そいう春男こそ買わんのか? お前なら買いそうなのになあ!あはは
ははは!」と安男に逆襲されてしまった。 春男はツーリング用の自転車は通勤用に
使っているけど、マウンテン・バイクはまだ持って居ない。 それで専門店や大型店
に陳列されているのを見て思案に耽けることも有るのである。

 春男は話題が途切れてきたので新聞を拾って読み始めた。これを見て安男は暇なも
のだから覗き込んだ。「何だお前 テレビを見ずに新聞を読んでいるんか? 何か良
い記事でも出ているか?」と話しかけたが、答えがないので「それにしても経済新聞
を読んでいるのか? 勉強家だなあ! 。」と独り言のようにつぶやいた。

 暫くして、春男が「最近は失敗ばかりやあ! 冴えましぇん。」と新聞を見ながら
言った。春男が株式に興味を持っていたのを知っていたので、安男は「一体 幾ら損
しているんや ! 休むのも大事なことだよ! 休むのは重要な株取り引きの要素
だよ。」とたしなめた。 春男は「ううん わかっている!」と答え、更に「でも!
うわわわわあ バレてしまって居たか!最近はあきましぇん。」と付け加えた。

 これといって用事のない安男は「そなら もう 帰るわ。」と言って帰った。





前のメッセージ 次のメッセージ 
「空中分解2」一覧 惑星人奈宇の作品
修正・削除する         


オプション検索 利用者登録 アドレス・ハンドル変更
TOP PAGE