AWC 森からやってきた少年(4) 樹精


        
#1922/3137 空中分解2
★タイトル (NRB     )  92/ 7/ 2  19:30  ( 19)
森からやってきた少年(4)                 樹精
★内容
遠い景色を眺めていたマリオはふと次郎の方を振り返った。
「僕、9月から転校することになったんだ。」
息をのんだのはマリだった。
「お父さんが地方へ転勤になることが決まったんだ。」
「なにか、そんなことになるのじゃないかと思ってた。」
次郎はマリオの顔を見つめた。
 マリはそれを聞いたとき(マリオは本当はわたしが思っていたよりずっと遠く
にいたんだ。そしてさらに遠くに行ってしまおうとしている)と感じた。

                 五

 新学期は何事もなかったように始まった。
 ただ、マリの表情にいくらかさびしさがあるように次郎は感じた。何より、
マリはそれまであった、ちょっと気位の高いところがなくなって、本当に妖精
になったのではなかろうかと感じたクラスメートが何人もいた。

 公園にはイチョウの木が6本、ケヤキが2本残された。  マリオがいなくなって
からも次郎は公園に来るのをやめなかった。でもマリは公園にこなくてもマリ
オから次郎に負けないくらい、大切なことを教わったようだった。




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