#1796/3137 空中分解2
★タイトル (AFD ) 92/ 6/13 22:34 ( 73)
リレーQ>ブッシュ大統領殺人事件(13) ふみ
★内容
辛くも警察の襲撃を逃れたジョドーと海野と砂堂の3人は海野のマンションに落ち着
いた。このマンションはオートロックなのでそう易々と侵入はできない。海野は部屋
のカーテンを全部閉めた。インテリアの燭台に火を灯すと、闇の中にテーブルを囲ん
だ3人の顔が浮かび上がった。
「ジョドーさんはもう暗殺計画を考えているって聞いていたんだけど、それを聞かせ
てくれませんか」
砂堂は頬ヅエをついてジョドーに言った。彼女は香港のアクション映画に主演しても
おかしくない程の美人だ。2人の男はジョドーの両脇に座り、左右から彼女の顔を見
つめた。
「ええ計画は考えたわ。だけど私は日本の事情に詳しくないから、もし何か意見があ
っら言ってね」 そして彼女はブッシュ大統領暗殺計画を語りだした。
「ブッシュは1週間前にお忍びで日本に来たの。私たちの組織はそれを嗅ぎ付けて、
あなたたちとは別のコネクションを使ってヘリを爆破したんだけど、それが失敗した
のはご御存じでしょ。今はブッシュはアメリカに戻っていて、11月の大統領選挙に
向けて全国を遊説中よ」
「なぜ来日したことを隠したんだろう・・」 海野はつぶやいた。
「ブッシュは外交にばかり力を入れて国内問題を疎かにしているって批判が出ていた
の。それをかわすためよ。どうしても日本に来てカネマルとかいう人に会う必要があ
ったらしいわ・・」
「金丸ね。あのじいさんはすっげぇ影響力のある人なんだな。だけどアメリカに戻っ
たブッシュを殺すのに、何でまた日本の俺達を使うんだ?」
「聞いて。ブッシュは来月カリフォルニアで日本の外交使節団と会う予定があるの。
その外交団の随員に外務省の高級官僚が行くんだけど、そのメンバーのリストを手に
入れたの。これよ」
ジョドーはハンドバッグからノートを取り出し、挟んであった紙片を抜き取ってテー
ブルに広げた。そこには十数人の名前と簡単なプロフィールが並んでいた。
「私『ひらがな』は分からないけど、漢字は読めるから・・」 ジョドーは微笑むと
リストの中の1人の男の名を指さした。
「外務省欧米局次長『神林平介』53歳。この人は先月まで胃潰瘍で虎ノ門病院に入
院してたの。まだ通院しているんだけど」
「何だか全然わからないな」 海野はニヤニヤして言った。
「この人は週に1回検査を受けていていて、その時麻酔をかけられてストレッチャー
に寝かされる。あなたたちは病院に侵入してこの男をこっそり手術室に運ぶの」
「俺たちが?」
「そう、それで腹を切開して高性能の超小型プラスチック爆弾を埋めこむの」
「俺たちが? そんなの無理だぜ。医者じゃないんだから」
「大丈夫よ。マニュアルを用意してある。その通りにやればうまくいくわ。プラスチ
ック爆弾は遠隔操作で爆発するようになっているの」
「ああそうか」 砂堂はニヤリとして言った。「それでこの神林というオッサンがア
メリカでブッシュに会って、近づいた時を見計らって・・」
「ズドーンだな」 海野はおおげさに両手を広げた。「うまく考えたもんだ」
「それでね・・病院に侵入する方法なんだけど・・」
そのころ、喫茶店「アジト」の廃墟の周囲には警察や消防の車がひしめき、夜にも関
らず、辺りはサーチライトで昼間のように明るくなっていた。クーパーは道路に腹這
いになって虫眼鏡で何かを一生懸命に見ていた。そして例のカセットレコーダーを取
り出して言った。
「タイアン。今6月13日午後10時。爆破した喫茶店の前にいる。道に何か落ちて
いる。よく見たら人間の目玉のようだ。何でこんな所に目玉が落ちているのか意味は
不明。タイアンこれは重要な手掛りだ。証拠資料ナンバー1214としてビニール袋
に入れてそちらへ送る。よく調べてくれ」 (続く)