#1768/3137 空中分解2
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マレーシアは暑かった。(2) 【惑星人奈宇】
★内容
−−−−− 観光一日目 −−−−−
朝食はバイキング料理だった。各自皿に好きなものを好きなだけ載せて自分の席に
持ち帰り食べるのである。 新鮮な果物と美味しいジュース、それにハムや肉類など
が沢山多種類特定の場所に置いてある。最初は慣れないからまごまごして皿に盛った。
宇見は食べたことの無い珍しい果物料理を大皿一杯食べても飽きたらずまた味付け
加工された果物を皿に盛り戻ってきた。社長は宇見君 良く食べるなあ 。
「えっ! あっははは! 平生こんなに美味しいものを食べられないものですから」
と照れながら答えた。 「違うんですよ 宇見君は野菜食べないと便秘に成ってしまう
からやあ」って多荷が言うと、隣に座っていた好美が「ひやっははは でも美味しい」
と連発した。
熱帯地方の果物だから名前はあんまり解らない! 何だか解らないけど、もくもくと
皆食べている。好美が隣の多荷に「これ何ていう果物やっ 」って聞いている。
多荷は「ううん 何やろなあ 知らん ははは」と冷たい返事 ! 宇見はこの果物を
見て、日本のと同じ物と言えば「バナナ リンゴ 西瓜」ぐらいでしょうかと言った。
この果物の名前は何や?と好美が言っても誰も知らない。 まああ無理無いことだ。
「これは瓜やこれは西瓜や これは林檎 バナナ それにマンゴー」と社長が言うと、
「おっそれがマンゴー そするとこれはマンゴーかあ」と好美が合鎚を打っている。
好美が思い出したように「ご飯がないざ」と言うと多荷が「有るよ あそこに有るよ。
」と言って向こうを指さした。好美は早速ご飯を求めに席を立った。一流ホテルでの
食事は皆上機嫌で幸せ一杯であった。
でも何と言っても言葉の問題が有ってね やはり日本で生活してるようには事が運ば
ない。多荷は「日本語が通じないからさあ、何か頼もうとしてもどう喋っていいか解ら
ないしさ それでさ、もぐもぐと口を動かすだけしか脳が無いみたいで。」とぶつぶつ
言っている。一方宇見は少し言葉の勉強をしているので 「こちらではコーヒーのこと
をコピーと言うそうですよ 」とにこにこ笑いながら話している。
そして宇見はウェイターにもう一杯コピーを頼んだ。
さあっ 行きましょう 正面玄関前に! 皆寝坊したからもう既に10時である。
皆それぞれがばらばらにフロントに向かった。 ホテル内は冷房が利いているので涼い!とてもここが熱帯地方であるマレーシアには思えない。しかし一旦外に出たら凄
い暑さだ。バスに乗ろうとして外に出ると、ひゃっはあ ひやっはぴー 暑い!と歓
声をあげる人も居る。 全く暑いのである。皆 足早にマイクロバスに乗り込んだバス内は冷房が利いていて涼しく、でも乗客はたったの10人! 一人が3人分の座
席を使用して座った。
国家記念碑とか回教寺院 何処に行っても花が咲いていて奇麗でした。管理が行き 届いているので、何処も奇麗に整理されていて雑草などはあまり見かけませんでした 。 それにしても暑いですね!全く暑い。社長も自然に段々とのろのろ歩行だ。
多荷が「ここらで写真を撮ろうか」と言うと宇見が「うん そしよう」と言ったが、
回りを見ると誰も居ない。あれっ 好美達はあそこにあそこの店で何やら 何やら
ジュースでも飲んで居るなあ。 ほんとだ ほんとだね 俺達もあそこに行って飲もと多荷は宇見に言って店の方に歩き始めた。とにかく暑いのだ! 汗をじわじわと出
てきた。
少し歩くと汗が一杯出てきて、だらりだらりの歩調に成ります。 そして 観光なんてしなくていい 早く帰ってあるいはレストランに入ってビールを飲んで居た方が
いいと考え始めます。
マレーシアで昼間に歩くなんてとても無理なことです。
何処でも上の空で観光して売店などを見つたりすると、もう歩け無くなります。
そして誰かが「ここで休みましょう」と言うと 「そしましよう そしましょう」と
言う返事が返ってきます。お子様達は大喜び 皆 歓声をあげて喜びます。豆とか
ジュースは安いですからねえ。ここならば少し銭が有れば気楽に生活できるだろう
何て考えて皆にこにこして悦に入って欠伸しながら散発的に話して居た。
ここ動物園にはマレーシア人の子供達も親に連れられて遊びに来ていて、大きな象
を見て ブサル ブサル ! 大きなキリンを見て ブサル ブサル! と歓声をあ
げていました。
マレーシアは暑すぎる 全く暑すぎる !
レストランでは珍しいものを沢山食べて、後はバスに乗り込んで居れば観光地に連れ
てってくれます。宇見は次に何処に行くのかなあと考えていて、「次は何処やあ!」
と小声で言うと、「宇見君 次は弟の家だよ 弟に家に行くんだよ」と社長が言った。
えっ そですか ! それはいいですね! 高層マンションらしいですね 。
こちらのマンションも日本のと変わらないとは思うけど、宇見は少し興味を感じた。
バスは高速道路を通り郊外の静かな集合住宅地に到着し、皆感心したような顔をして
バスから降りた。ここはとても静かだ。プールなどで遊んでいる子供達の声がよく聞
こえた。マンションの入口のところで、女性達は近くのスーパーに買い物に、男性達
は25階にある弟さんの住居に上がり込んだ。ゆったりしたマンション設計に成って
いて、広々としていた。
社長の弟は暑いからビールでも飲もうと言い出したが、私達は「いいよ いいよ」
と言いながらもコップに一杯ぐらいずつ飲んだ。
冷えているビールは美味しい ! 窓から入ってくる風は暖かく、やっぱ暑いなあ!
でも静かでいい所やあ 。
「多荷君も一度マレーシアに住んでみたら」と宇見が言うと「仕事をあんまりせんと
、ぼけっとしててもいいんならなあ それでもいいんなら住んでもいいざ!んでも
マレー語を喋れんからなあ やっぱ駄目や。」と多荷は上機嫌だ。
窓から外を見ると見渡す限りの平原で、熱帯地方らしく椰子の木のようなのが繁っ
ていた。そして所々に大邸宅が有るようだった。宇見は広々としたこのような所で
暫く住んでみたいと考えるのであった。
そしてこの建物の横にあるプールではお子様達がキヤアキャアと歓声をあげながら
騒いでいた。日本ではまだ幾分寒いのにこちらではプールで泳いで居るんですもの!
ビールの影響もあって頭がぼおおうっとして来て夢見心地です 。
ぞろぞろと女性達が沢山の荷物を持って帰ってきた。この後チャイナタウンで沢山
食べてホテルに戻った。
−−−−− マラッカへ −−−−−
次の日 耶麻有限会社の人達は飛行場に向かい帰って行った。
残された宇見はちょっぴり淋しく感じたが、とりあえずタクシーに乗りプドラヤ・
バスターミナルに向かった。マレーシアでは明日の夜から「ハリ・ラヤ・プアサ」
要するに断食明けなのだ。日本で言う所の正月みたいなものだから、観光地は何処も
満員で商店は休みだと言うのである。ホテルの従業員やタクシの運転手からも「ハリ
・ラヤ・プアサ ホテル バス 汽車 オールオキュパイド 」って言われた。
多少心配ではあったが多分大丈夫だろうと心の片隅で考えながらバスの切符売場に向
かった。 凄い長い列 ! 皆大きな荷物を持って列んでいた。
まだ朝6半時頃だと言うのにバスターミナルは人々で混雑していた。
マラッカに行くバスの切符を買おうと思い長い列の後ろに列んだ。窓口の係官からは
「7時発は売り切れ 10時発なら有ります。」と言われ宇見はびっくり仰天した。
でも10時発の切符を買うことにした。
何しろ クアラルンプールに働きに来ている人達は皆実家に帰るんだろうからなあ。
ほんとは喜びに満ち溢れている日なのだ 。
スラマ スラマ スラマ ハリラヤプアサ 。
アッサラーム・アライクム !
ム・アライクム・サラーム !
自分はムスリムでは有りませんが、挨拶用語らしいです。
マラッカでバスを降り地図を見ていると、「お客さん お客さん」と呼ばれるでは
有りませんか ! 宇見はびっくりして顔をあげると、三輪自転車にお客を乗せて観
光案内するトライショーのおじさんだった。
トライショーに乗ってくれって! あのさ 俺っ セント・ポールまでは近いから
ぶらりぶらりと歩きながら行きますからあ。するとトライショーのおじさんは専用の
地図を取り出して「ここと ここそれに ここと ここ これ全部回って20ドル」
です 。 いやああああ 俺さ 歩いて回るって 近いから。 あのさ私 日本に
行ったことが有る ! えっ 何処に 。 名古屋 名古屋に私の友人が居て招待
されたことが有るよ。 ほんとですか これは凄いですね。 私 実はね日本軍に居
たことが有るの! ええっ ほんとですか それは大変だったでしょう (ひょっと
したらこき使われて、危ない目に遭わされたことがある??? ) 。
私 日本の軍歌も知ってるよ !
えっ まさか ! あのさ 俺さ軍歌嫌いなの! そなら福井を知っているか?
私の友達 名古屋と栃木に居ます 手紙を書いたこと! 貰ったこと有ります。
そですか 凄いですね。この時既に宇見は感服してしまっていた。
そして、おじさんは軍歌を歌い始めようとした。宇見は軍歌が嫌いだから「いいよ
いいよ もういいよ 」と言いながら、トライショーに乗ることにした。
立っているだけで汗が出てくるマラッカでトライショーに乗ってゆっくりと市内を観
光するのには最適の方法であった。 らくちんらくちん 狭い道路もスイスーイ
セント・ポール教会に近付くにつれて異国情緒たっぷりの建物が道路の両側に並んで
いた。
トライショーに乗っている間は涼しいかった! 降りた途端に地獄のような暑さに
成り、セント・ポール教会への坂道登りは容易ならざる重労働であった。
丘の上には爽やかな風と素晴らしい景色が待っていた。 「こんにちわ こんにちわ
どですか? この絵 安いですよ 」と絵画や工芸品売りのお兄さんが客に勧誘して
いる。そよ風が吹いていても全く暑い!汗を拭きながら工芸品などを覗いたりした。
宇見は「おおおう 素ん晴らしい すんばらしい」と日本語を発しながら壊れかけ
た教会の中に入った。中も暑かった。汗が引くのを待つためにぼけっとしていると、
また「お客さん お客さん」と声をかけられた。 空中遊泳はどうですか ?
安くしますから。えっ!でも 私何を隠しましょう高所恐怖症だからそれは無理だ。
大丈夫 大丈夫 安くしますよ 10分飛んで50ドル 。 おほっ ぶるぶる
ぶるぶるぶる 50ドルは高すぎないか !
これは全自動だから最初に好きなコースのボタンを押すだけで、後は乗って居るだ
けで空からのマラッカ遊覧できます! 今日は特別に30ドルにしますよ。
30ドル ! 20ドルに負けてくれたら乗るよ。
そりゃあ 無理ですよ 30ドルです。 「俺は死にたくないからなあ」とぷつぷつ
言っていた。すると別のお客さんが来て「私 乗ります。」と言ってすぐに乗って
いって仕舞った。一人乗りのヘリコプター! 上手に舞い上がるではありませんか。
おおおう ワンダフル ! あっははは でも大丈夫かな !
まだ4時半 バスの発車時刻にはまだ大分時間が有る! ビールの置いてある食堂
に入った。 客は少なかった。 ほんとに外は暑いからなあ、喉がからからだ。
おじさん ビールとあれ下さい! それにあの肉と野菜のいためもの! 喉が渇いて
いるからすぐに空に成ってしまった。おじさん もう一本ビール !やっぱりビール
は美味しい。 この様子を斜め前の席で見ている女性が居た。幾分色黒でセクシーな
ヒップと柔和な顔つき、時々微笑みながらこちらを見ている。年の頃 22、23歳
くらいでしょうか !宇見は気分がよくなり、「やあ こんにちわ」と挨拶をした。
女性はこちらにやってきて、「アユ チャイニーズ ?」と口を開いた。
「アイム フロムジャパン ! アイム ツリスト 」と言うと、女性は「何処に
泊まりますの? 」と言った。
「今日はバスで帰ります! 一度はマラッカの一般家庭に泊まって見たいなあ。」っ
て言うと、女性は「じゃあ うちに来なさいよ 沢山御馳走するから。」と言った。
宇見は女性の言葉に目を丸くしてびっくりして、「好運が私の所に・・・」何て思い、
思わず ペナンへ行くのを中止しようかとさえ思った。
おおおう 有難う! ビール飲まないの? 美味しいよ。
ありがと うううん 少しだけ! 平生は飲まないのよ。 遠慮しなくていいよ!
何て言うべきかなあ 昼は暑いでしよう 女性は昼何しているの? 寝ているの ?
寝て居ないよ まさか あっははは 仕事もしていないけどお! それにぃ家にある
カセット・ラジオ 日本製だよ それにカメラも。
宇見は店のおじさんにビールをまた注文した。飲んで食べているうちに酔ってきた。
「おねえちゃん 名前何て言うの? それに奇麗な手! あなたの手見せて!
いい手しているねえ! この線が延びているから長生きするよ 。」
女性は「ほんと? 今日帰るの?」と笑いながら応じている。
でもここで線が切れている?これは何だろう。女性は宇見のたわいない話ににやにや
笑っている。 そして宇見は女性に小さな声で「あなたのヒップが素敵 !」と
言うと女性は完全に酔っぱらっている宇見を見て「もう出ましょうか 」と言って
立ち上がった。
宇見は勘定を支払い、待っている女性の所に少しよろよろしながら歩いた。
そして女性に寄り添い、時々ヒップなどに触れたりしながら、まだ明るい街中を
歩き始めた。