#1767/3137 空中分解2
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マレーシアは暑かった。(1) 【惑星人奈宇】
★内容
単調な毎日 何処か外国にでも旅行をしたい!
でも簡単には連続の休暇を取れない。
宇見が勤務している耶麻有限会社は社長を含めても5人しか居ない小さな
会社だった。だから宇見一人が仕事を休んで海外旅行する何て、会社に与える
影響が大きすぎてとても出来る状態ではなかった。
多荷君 今年は何処に成るのだろう 会社の旅行のことだけど。
あっ 旅行か ! どうせ旅館で酒ビールをたっぷり飲んでそれで終さ。
でも何て言うか最近は円が強くなったから海外旅行もブームだね。
なあんだ 要するに宇見君は海外旅行に行きたいんか !
そだ 10日位休暇を取ってさ それで特定の国に滞在するのさ 。
えっ 10日間 それは長すぎるよ! せいぜい一週間 一週間だよ。
宇見は何とか海外旅行をしたいと時々考えていたが、現実を考えるととても実現
しそうに無かった。
ところが耶麻社長には弟が存在して、その弟が外国でつまりマレーシアで勤務
している状態にあった。
宇見と多荷は食事の後「今年は桜見物はするのかな!」 何て話していたら
社長が来て「君達 会社の親睦旅行はマレーシアにしよう マレーシアには俺の弟が
居て大会社に勤務しているから、彼の世話になろう。」と話しかけてきた。
多荷はすかさず「それは凄い きっと皆喜びますよ 。」と感嘆の声をあげた。
宇見は「社長 旅行日数は何日なんでしょう まあああ 一週間くらいは必要だ
と思うけど。」と言うと社長は「何言ってるのか 宇見君 一週間は長すぎる
3日間だ せいぜい長くなっても4日間だ。 多荷君 社員の皆さんにもこの話を
して相談してみてくれ!」と言って向こうへ行ってしまった。
よう聞いたか宇見君 いやああああ凄いな とうとう海外旅行だよ。
でもなあ たったの3日間では短過ぎるよ マレーシアに3日間では短すぎるざ!
最低一週間滞在しないと意味無いよ。
宇見君 気持ちは解る !でさっ宇見君 マレーシアに行くの? 行かないの?
多荷君 社長に宇見だけは一週間旅行になるように頼んでみてくれないか。
わかったよ 折角の旅行だからなっ 社長に頼んでみてやるよ。
多荷は仕事の合間を利用して社員に旅行についての要望などを聞いて回った。
大体まとめて見ると「会社の旅行費用への援助が半額以上欲しい」ということで
あった。それに旅券を作るためには写真とか戸籍抄本とかが必要になるしなあ!
更に旅行会社との折衝もあるし、少し忙しく成るのであった。
宇見はマレーシアについて自宅にある本で見ることにした。
赤道の近くで、宗教はイスラム教 言葉はマレー語 。
俺 一周間の旅行に成るかなあ! ちょっと無理かなあ? 。
多少気にしながら宇見は毎日の仕事に励んでいた。
そして旅行の出発の2週間ほど前になって
社長は「今は仕事が忙しいからとても宇見君にだけ特別に一週間旅行を認めたく
無いのだが、宇見君の楽しみが海外旅行だと言うことで、それに自分達が計画して
いる旅行は実質3日間! だから海外旅行としては確かに短い!
これでは海外旅行を楽しみにしている人には残酷だ。」
「多荷君! 宇見君にだけ旅行を一週間にして旅行会社に注文してくれ。」と
言って生産現場に出て行った。
宇見は喜んだ! マレーシア一週間旅行ならば多少余裕が有るからあちこち見て歩
ける。早速旅行参考書を買ってきてマレーシアの知識を頭の中に詰もうと決心するの
だった。
マレーシアは一年中真夏だから暑いだろうなあ 蚊などに足を刺されたらどう成る
のだろう! 変な病気にかかったらどうしよう! 言葉は大丈夫だろうか !
下手にしか話せない英語だけで大丈夫だろうか! どうにも心配で一杯だ。
−−−−− 空港へ −−−−−
とうとう出発の日がやってきた。社長の自家用車で名古屋空港まで行き、自家用車
を預け荷物をもって搭乗カウンターに向かった。
今日は4月一日 嘘のような馬鹿陽気! びっくりしたように桜が満開だ!
多荷は社長に「桜は満開でいい気分ですなあ! 今夜は一杯 桜の下でっちゅう
わけにも行かないけど! 飛行機の中でちびりちびりだね。 」
多荷君 君は飛行機には大丈夫かな 気分が悪くなったりしないか?
まああああ 宇見君よりは強いでしょう 特別に飛行機が揺れ無い限り大丈夫!
「多荷君はアルコールに強いからなあ 飛行機の中でワインでも飲みましょう」と
宇見は会話に入ってきた。
うらは「ワイン」より酒や! 酒が無かったらビールや まてよ 酒の摘みを
持ってくるのを忘れたな しまったな その辺に売ってないか !
「心配するなって! うらが持ってきた この鞄の中に有るから」と社長が
笑いながら応答した。
社員達の家族らを含めると10人の団体旅行。
世話係の多荷がカウンターに行き色々と手続きを済ませている。
「向こうでは暑いから上着を着て街をは歩けないだろうなあ !」と宇見は
ぶつぶつ喋っている。
空港内は暑いなあ いくら異常気候でも暑すぎる! 上着を着ていると汗が
出てきそうで! かといって夏用シャツだけでは寒すぎるだろうしなあ!
社長 マレーシア旅行は夏に行うのが一番だね。
宇見君暑いのかあ それではマレーシアでの事が思いやられるなあ あっはは。
この時多荷君の娘「芳子」が「おとうさん おしっこ 」と多荷のところに
来て、おとうさんの手を引っ張るような仕草をしながら言った。
芳子 お母さんと行って来なさい。
えっと トイレは何処かと言うと、ええええっと あっあそこだ !
あそこにトイレのマークが有るからあ 。
−−−−− クアラルンプル到着 −−−−−
クアラルンプールのスバン空港は暑い。 夜の11時半でも暑い。
出国手続きを済ませて荷物を受け取って空港の出口に・・・。
多荷君 好美さんはどうしたのだ ? 遅いなあ 荷物が出てこないんでは?
「ちょっと見てきます」と言って多荷は荷物を載せたままぐるぐる回っている
ベルトコンベアの所に出かけた。
好美さん 大丈夫!
あっ すみません やっと荷物が出てきました。
私達は海外旅行に慣れていないのも影響してもたもたしていた。そのうちに周囲には
旅行者は殆ど居無くなってしまった。両替しようと思い「えくすきゅずみ
ほえぁいずざ まにぃえくすちぇんじゃ?」と英語で尋ねてみた。あそこの所にありま
す。 どうもありがとう 。宇見はそちらの方角へ行ったが予想していたカウンターが
無い。するとさっきの人が来て「それは両替の機械ですよ」と教えてくれた。
何だかんだとバスの出発が遅れて仕舞いホテルに着いたのは夜中の一時位であった。
おおっ 眠い何て言う人は誰も居ない。皆少し興奮していてペチャクチャ喋っていた。
多荷は「部屋の割り振りとドアの鍵札、朝食券の分配をするから集まってえ」と言っ
て説明を始めた。深夜の一時半頃だからホテルのフロント広場には俺達10人しか居な
い! ひそひそと話ながら各自が泊まるべき部屋番号などを決めた。
宿泊部屋が決って大理石と民族的装飾を施された静かなホテル内を歩きエレベータに
乗った。
いらっしゃいませ 有り難うございましたなどの言葉は全部英語であった。ここは
完全に外国であることを知らされた。ホテルの回りには椰子の木が植えられていて異国
情緒たっぷりである。それにプールもあるし、部屋の窓からの眺めもよいようだ。
社長と多荷君は酒を飲み始めた。宇見は眠さに勝てずベッドの中に入り眠りこんで
しまった。
社長 明日は何処を観光でしたっけ? 確か回教寺院と国家記念碑 博物館だろう。
半日で観光が終ってしまうでしょう!だからその後は・・・。 あっははは 弟もあれ
これ計画している筈やからなあ! 明日バスの中で考えるか ? それより弟さんに任
せるのもいい方法かも知れませんね。 そだな 。
課題はあさって何処に行くかだね。 チャイナタウンで買い物 あるいはああ
屋台での食事ってえところかなあ 。
女性は買い物に行きたいだろうしな 我々男性は何処へ ??? !
社長 そろそろ 寝ましょうか !
* * * * * * * * * * * *
このホテルのプールは水泳用だが魚も泳がされている。
宇見はこれを見てびっくりしてしもうた。「いええい 魚と一緒に泳げるとは?
うへへへへ 入ろう 入りたいなあ。」と ぶつぶつ独り言 。 信じられないなあ
これは海の中と一緒や ! 中を覗いてみると、 おほっ いるいる 魚が泳いで
いる。 多分熱帯魚だろうと思うけど、奇麗な魚と何処にでも居るような一般的な魚、
それに鮫や海豚も泳いでいる。 ここで泳ぐと凄いだろうなあ。
プールの回りには所々に木が配置されていて、そして泳いだ後に休めるようにベンチも
置いてある。そよ風が吹いていて全くここはこの世の楽園だ。
推測すると、この水槽は直径 50メートル位で深さは7メートル位かなっ!
それに自然界の海底に模して作られてあるから興味津々である。おおう海草も繁って
いるざあ ! もう 言うこと無いざあ 。
プールの中には4〜5人が泳いでいた。 自分もと思い飛び込んだ。自分の近くを魚が
泳いでいる。 まるで龍宮城みたいだ。 この時であった。誰かがプールサイドで自を呼んでいるようである。顔をあげて、そちらを見るとプールの係官のような人が手招
いている。何か急用が有るらしいと思い、プールサイドの梯子から上がった。
お客さん ここは一応最低ヘルメットだけは装着して水槽内を御楽しみ頂いていま す ! ここにヘルメットが有りますからどうぞ御付けください。 なあんだ
そだったのか そ言えば水中の彼らはヘルメットをあるいはダイバー用具らしき物を 装着しているなあ。係官はこのヘルメットにはアンテナが付いていて監視員あるいは 魚と通信出来ますと説明した。
まさか魚と通信できるなんて思っても居ないけど、でもさ なんだかなあ!
胸がわくわくだ。 まさか魚に音波発振機が付けられていて、その音波を自分が
装着している受信機でキャッチするんでは ・・・?? とにかく入ってみよう。 この水中眼鏡からは水槽内が良く見える。 あれっ 向こうを泳いでいる人あれは
女性だ おほっ 女性3人に男性一人だ。水中は魚が大きく見えてこりゃあ凄い。
魚の集団がこちらに向かって泳いでくるでは有りませんか! 俺大丈夫かなあ 魚に
取り囲まれて仕舞ったらどうしよう ! 手で掴めそうな鰯の群のようだ! よしっ彼らに挨拶して見よう! でも どうすれば良いのか解らない 仕方がない 顔を水面
からあげて話しかけてみることにしよう。
やああああ こんにちは !
「ギガグ ケケケ ケムヤワ テトサ ・・・・」 これでは魚が何を言っている
のか全く解らない。 うへっ でっかい魚 ! でっ界のか来た! ども鮫らしい。
鮫がこちらに向かって来る ! 俺よりも大きいでは有りませんか! こわこわ !
ちらっとこちらを見て鮫は尾ヒレを返して向こうに行ってしまった。向こうの方には
女性が数人泳いでいるので、それらに向かって行くことにした。でっぱった胸とでっ
かいヒップ それにすらりしとた足!見とれていてはいけない! 呼吸が乱れて水を
飲んでしまったら大変だからである。彼女らは魚と戯れているようである。海豚や鮫
の身体に触って「キャツキャッカハハハハ」と戯れているのである。
海豚や鮫は水中で見ると、大きいし泳ぐスピードが速い。身体の大きさは宇見と同じ
くらいだから彼らに襲われたら大変だと思いながらも、時々自分のそばを通りすぎて
行く鮫などに手で触ったりしていた。 おおおおう 何とも力強い感触の鮫の身体。
宇見は鮫に頼もしさを感じてしまい、鮫の尻尾や背ヒレに触ったりしていた。
女性達はそろそろプールから上がるようである。でも宇見は飽きずに海豚や鮫と戯
れていた。段々横着になり鮫の背ヒレにくっついて居たらと言う考えに陥り、一度や
って見ようと考えた。
いやあああ 凄い 引きが凄い 断然凄い !
とても鮫にくっついて居られない! すぐに引き離されてしまった。何回が繰り返して
いたが、なかなか上手には掴まれなかった。この時である! にわかに怒り出した鮫!
突然宇見に向かった襲いかかって来た。 バリバリ バババババリリリリ 身体
に激痛が・・・激痛が・・・うわああああ ああああああああ 。
宇見君 朝だよ 何をうなっているんやあ !
もう朝やあ もう起きてくれよう 。