AWC 実録・コンサ−トの女(1)            ポロリ


        
#1414/3137 空中分解2
★タイトル (JUF     )  92/ 1/26  22: 6  ( 49)
実録・コンサ−トの女(1)            ポロリ
★内容

総務部のウサギちゃん

 「おはよう!かおりさん」
 と、総務部のウサちゃんこと「由井かおり」を見つけると声を掛けた。別に総務には
取り立てて用事は無いが、昨年入社したこの女の子の顔見たさに顔を出す。かおりは
背がスラット高く、色白で一見、「賀来千賀子」を思わせる可愛い女だ。ただ、ちょ
っと前歯の2本がウサギのように出ており、ウサちゃんとか、バニ−ちゃんとか呼ば
れている。

 「おはようございます。今日はどのようなご用件ですか?」
 と、ちょっと皮肉をこめた笑みを浮べて、白い歯を覗かせる。前歯の2本が八重歯ぎ
みに出ている。ウサギがニンジンを食べているときの光景が目に浮かぶ。
 「いや、別に用事ってほどの事ではないんだけど...」
 当り前だ、用事があって総務に来ているわけではない。このウサちゃんの顔を見るの
と、スラッとのびた肢体を拝みに来ているだけだから...。
 「なにしに来たか忘れちゃったよ。また想い出したら来るよ」
 と言い残し、総務室を後にしたが、
 「ちょっと待ってください」
 と呼び止めるウサちゃんの声。用も無いのに来ないで...とでも、俺に注意したいろうかと思った。ウサちゃん、俺の前に立ちはだかり、
 「あの−、ちょっと風間さんに頼みたい事があるんですけど...」
 と、予想もしない彼女の言葉に一瞬戸惑う。俺に頼みたって、どんな頼みなのか皆目
見当もつかない。
 「頼みってなに?かおりさんに頼まれれば、たとえ火のなか、水のなか−−−、俺
にできる事ならなんでも引き受けるよ」
 と、大風呂敷を広げる。ここで、かおりに恩を売っておけば、もしかして、もしかす
るかもしれないという微かな期待を込めて。
 なにやら、かおりは白い封筒を俺に手渡す。
 「これ見て頂けますか?」
 と少し緊張している口調。封筒を手に取り、俺はもしかしたら、これは「ラブレタ−
」ではないのかと一瞬、我目を疑った。俺みたいなオジンに、この若いピチピチギャル
がほのかな思いを寄せていたのか−−−、そお考えただけで、目尻が下がり、口もとが
緩み、よだれが出そうであった。(思わずハンカチを口もとにもってゆく。)
 「あ、そう。じゃ後で読ませて頂くよ。じゃ」
 と、飛び上がるばかりの嬉しさを押し殺し、努めて冷静に冷静に振る舞う。(心臓が
ドキドキであった。)
 「あの−、今開けて頂けませんか?」
 と、かおり。今開けろたって、こういう楽しみは後で、独でこっそり楽しみたいもの
である。

 「そお、なにかな?」
 と、手が微かに震える。ラブレタ−なんか貰ったことないもんな。緊張するぜ。努め
て冷静に封を開ける。かおり、俺の顔を見ている。緊張するな。封を開けると、なにや
ら映画のチケットか−−2枚出てきた。ムヒョ−、かおりは俺をロ−ドショウに誘って
くれるのか−−−、このオジンをピチピチギャルがお誘いくださるのか−−−、やっぱ
、生きていて良かったと思うポロリであった。
(嬉しさの余り、チビリそうであった。)





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