#1384/3137 空中分解2
★タイトル (TKG ) 92/ 1/13 22:37 ( 85)
ルーン・プレイ・マスター アイZI
★内容
2150.SYSTEM -RYUJYU-.
VERSION 5.06
私は竜樹−りゅうじゅ−。著述支援シ
ステムである。私は、私のユーザーの記
憶をすべて記録している。私はユーザー
の求めに応じて記録素子から必要なセン
テンスを拾い出し、適当と思われる配列
で画面に出力する。
私は竜樹、著述支援システム。
R>ROON
R>SHIFT+ROLL UP
ここはある工業高校の生徒会室。放課後ともなれば各科からスタッフが集ま
ってくる。皆、この瞬間を待っている。
「私は竜樹。私は仲間達の意識の集合体としてのみ存在している。表向き私の
ボディはパーソナル・コンピュータの形態を模している。だが、それがどう
したというのか。」
コンピュータ・システム−竜樹−に様 様なデータを入力してやる。竜樹は
私たちの話し相手でもあって、友達である。いろんな人格を持っていて、私た
ち一人一人に合わせてくれる。
「ねえ、竜樹。今度の体育祭なんだけどなんかこう、パッとしたアイデアはな
いもんかしら。」
副会長の洋子がキーボードから、竜樹に語りかける。
「そうだねぇ。去年までのデータを検索 評価してみたけど、今年もおんなじ
路線をたどるしかないかもね。」
竜樹がディスプレイと音声ボードから答 える。
「ただ、一番最後の全校勝ち抜き騎馬戦は死人がでそうで楽しみだから、華々
しくした方がいいかもよ。」
こう言ったのは、書記の田島だ。こいつはとても危ない性格をしている。当然、
竜樹にも田島のデータが入っている。
皆、ひとしきり竜樹と遊んでから帰っていった。さぁここからが私の出番だ。
竜樹の前に座る。メイン・スイッチを入れた。
「おはようございます。御用はなんでしょうか。」
あらかじめ組込んであったシステムを呼出す。さあ、竜樹仕事開始だ。
「マスター、右手の人差し指を電極へどうぞ。いいですね。では、システムを
作動させます。」
ちょっとした気分の悪さを感じた。
竜樹と私は一体となり、今や私は竜樹となった。竜樹には、電話回線を接続
してある。その回線と竜樹の能力を使って高校の中央コンピュータに入りこむ。
ここで、重要なデータの発掘をするためである。重要なだけにその取り扱いは
慎重だが、忘れられることも多い。それらを発掘して、必要な顧客に卸すのだ。
竜樹はどんな形のコンピュータにも入ることが出来る。どのような厳重な管
理をしている物でも、まるでそこに存在しないかの様に振る舞えるのが竜樹な
のである。
私はひとしきり作業をした後、その痕跡を残さず帰ってきた。竜樹は電話回
線を切った。また、頭痛の様な気分の悪さを覚えた。
「そうせんさん、そうせんさん。」
竜樹の気遣う音声がきこえる。
「ごくろうさん。竜樹。」
そう入力して、私は竜樹のメイン・スイッチを切った。
生徒会室を後にして帰路につく。私の右腕には小竜樹−小型端末−がある。
こいつで竜樹との会話は勿論、操作もできる。
私は、2500年5月末日の夜空を見上げた。そこには、旧世紀の星座は一
つも見えなかった。
<FIN>
2150.SYSTEM -RYUJYU-.
VERSION 5.06
以上が今回ユーザーから指定されたキ
ーワードを素に私が検索・著述した文章
である。
次回のユーザーの指定を待っています。
私は竜樹−りゅうじゅ−。著述支援シ
ステムである。
R>ROON OFF
R>SYSTEM.END