#1232/3137 空中分解2
★タイトル (MEH ) 91/10/15 6:39 ( 90)
おもちゃ クリスチーネ郷田
★内容
卒論その他で忙しい日々を送っているため,最近はパソコンから遠ざかっていま
す。困ったものだ。しかも徹夜明けで眠い。この作品も「パラレル」用に書き直そ
うかなあ。
おもちゃ
それはクリスマスイブの事だった。S氏は、5歳になる彼の息子と2歳になる娘に
プレゼントを買ってやろうとデパートに立ち寄った。
S氏はおもちゃ売り場に行き、売り場内の空気を深呼吸してからグルリと周囲を見
回した。その瞬間、ニヤついた顔の店員と目があったので、S氏もまたニヤリと微
笑んだ。
すると、店員は驚くべき早さでS氏の目の前に飛んできた。
(むっ、こやつ出来る)
S氏は思った。きっと、小さい頃サイボーグ009になりたくって、なりたいあま
り加速出来るようになったのだろう。
この話は今回の話とはまったく関係ないので省略するが、S氏はともかくそう言う
考えを持った。だが、これだけは言っておきたい。サイボーグ009とは関係ない
のだ、と。もちろん私はサイボーグ009が好きだが、その事に固執すると物語が
進まないのだ。勘弁してくれ。
「何をお求めでしょうか」
店員はニコヤカに聞いた。そのにこやかさの影にはどっぷりと暗い暗黒世界が見え
るようだった。そう、S氏は何度こうした笑顔にだまされたことか。
「うん、息子と娘にクリスマスプレゼントを、ね」S氏は答える。
「一体、どんなのが喜ぶのかねえ?」
店員は待ってましたとばかりにニヤついて喋りだした。
「よくぞ聞いてくれました!あなただけに教えましょう。まずはこれです」
店員はガサガサと棚を探り、大きな箱を取りだした。
「これがいま男の子に大人気、見て下さい」
「ううむ、なになに。なんだこりゃ。南極超人1号?ロボットかね」
「そうです、ロボットです。いまテレビでやってるんですよ。今や子供達のアイドル、スターです。トリプル合体!南極超人1号!ってやつです。見たことありませんか?そうですか。これが凄いんですよ、放送コードギリギリですからもう大人気!質感がまた、本物に迫る勢いなんですねえ、これ。一度使ったらもう手放せません!もう止められない。ホラホラ、これが凄い!この電気で動く口が!ホラ、この動き見て下さい。リアルなものでしょう!ああ見ているだけで夢心地、うーん気絶しそう」
「…うーん、どうも気に食わない」
「そうですか…。じゃ、これなんかどうでしょう。女の子の間でブームの魔女っこステッキです!」
「ほほお、そんな棒っきれが喜ぶのかな」
「この魔女っこステッキもテレビで宣伝してるんですがね、女の子なら持ってなくちゃ遅れてるといわれてます。見て下さい!これも電池で動きます。ホラ、すごい動きだ!強烈ですねえ、こんな太いのが!ああなんと恐ろしい!まだ2歳といいましたね、これはまだ早いんじゃないかなあー。でも、危険はありませんから大丈夫です。ちょっと血が出るだけの話です。それにしても、こんなのでやられた日にゃあもう大変、昇天してしまうのも無理は無いですね。罪な製品だ。あっそうそう、このイボイボが実用新案出願中なんです。イボの回転率や動きが研究されつくしていましてね、開発に十年かかったなんて話も聞きました。さすが日本のテクノロジー。やるねえ!拍手喝采だ。」
「…うーん、なんでそんなもんばかりなんだい?」
「こういう商品が子供に人気なの!知らないんですか、あんた!今や、性教育だってちゃんと体育教師が実演で教えている時代ですよ。子供が早熟になってるわけです」
「でも、ちょっと過激すぎるぜ、この商品は」
「ハッハッハ、これだから古い人ってのは。頭の切り替えが出来ないんですな、ハッハッハ」
S氏はちょっぴり自尊心を傷つけられた。
「わ、私だって教師に手取り足取り教育指導を受けた男だ!」
「だったら気にすることないでしょう!さあ、子供にも禁断の果実を食わせるのです!そう、あなたが!あなた自身の息子でやるってのはどうでしょうか。考えてみたらそれが一番のクリスマスプレゼントかもしれない」
「…私に近親相姦しろというのか?」
「ニューヨークじゃ当り前ですよ。遅れてるなあ」
「いいかげんにしなさい!」
(ここでドリフターズのずっこける時の音楽を頭に思い浮かべてもらうと有難い。それにしても、相変わらず下品なネタだなあ。自重しよう)
END