#1119/3137 空中分解2
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派遣前の出来事( 8) ハロルド
★内容
○ 繁華街(夜)
春美、寂しげに通りを歩いている。周りはキャバレー
や酒場のネオンで囲まれている。呼び込みのおじさん
や酔っぱらい、アベックも多い。春美、その喧噪とし
た様子に不安な表情。通りの向こう側からお土産を抱
えた小さな女の子を連れた親子連れが歩いてくる。春
美、歩調を弱め、その親子連れが自分の横を通り過ぎ
て行くのを眺める。春美、立ち止まって、まだその親
子連れが去って行くのを悲哀と羨望が混ざった表情で
眺めているが、ため息をついて再び歩きだそうとする。
そこへ派手な服に派手なアクセサリーをした四、五人
の不良学生風の男達が春美を取り囲む。
男 A「よう、彼女。マブイじゃん」
男 B「俺達とどっか行かない?」
男 C「いいディスコ知ってんだけどさあ、そこで思い切り踊りに
行こうよ。気分がスカッとするからさあ」
春美、相手にせず、逃げようとする。
男 A「何だよ。つれなくするなよ」
男 D「女一人で歩いてるよりみんなで騒いだ方が楽しいって絶対」
男 E「俺達がいいとこ連れてってやるからよう」
男A、春美の手を掴む。
春 美「いや! 離して」
男 A「(険悪な声で)お高くとまってんじゃねえよ」
男A、春美の肩に手を回し、顔を近づけて息を吐きか
けてくる。
男 A「楽しくやろうって。なあ?」
春 美「離して下さい。止めて!」
突然、男A、胸元を掴まれ、春美から引き離される。
北 室「嫌がってるじゃないか。やめろよ」
北室、男Aの胸ぐらを掴んで、男達の群れの中へ押し
倒す。
男 A「なんだ、てめえ」
北 室「女を相手にするんだったら自分と相応なのを選ぶんだな」
男 A「偉そうな口叩いてんじゃねえ!」
男A、殴りかかる。北室、男Aのパンチを平手で止め、
そのまま掴む。男Aは北室の手から自分の手を離す事
が出来ない。
北室、急に離すと男A、勢い余って後ろにひっくり返
ってしまう。
男 C「野郎!」
男C、蹴りをいれようとして北室に足で止められる。
そして反対に蹴りをいれられ、うずくまってしまう。
男Bも殴りかかるが簡単に避けられ、足をつまづかさ
れてしまう。
男 A「野郎! ふざけやがって!」
男達全員、北室の前に立ちはだかる。しかし北室、一
向に怖じ気づく気配なく男達を見据えている。男達、
お互いに顔を見合わせ、周りの事も気にしだし、戦闘
の構え、解く。男A、ジャンバーのポケットに手を突
っ込みながら北室に顔を近づける。
男 A「ちょっとからかってやろうと思っただけじゃねえか、馬鹿
野郎!(春美の方を向き)こんな小便臭そうなガキ、本気
で相手に出来っかよ」
男達、去っていく。去っていく時に北室に罵声を飛ば
したりしている。
北 室「(春美に)大丈夫か?」
春 美「(おどおどと)はい、どうもすみませんでした」
北 室「お前さん、やっぱりそうだ」
春美、キョトンとする。
北 室「お前さん、駅のホームで飛び込み自殺しようとした、あの
時の……」
春美、ハッとする。
北 室「偶然だな。女の子がこんな夜遅く何してる?」
春美、身を堅くしている。
北 室「お前さん、ひょっとして阿倍野か阿倍野の付き合ってる女
の人と知り合いの者じゃないのか?」
春美、ハッとなる。
北 室「そうなんだな。一体お前さん何者なんだい?」
春美、逃げ出す。
北 室「おい!」
春 美「(去り際に)どうもすみませんでした」
春美、駆け抜けて去っていく。それを見送る北室。