AWC 人が、そして己が為に   KAZ(2/2)


        
#1017/3137 空中分解2
★タイトル (XPG     )  91/ 7/11  16: 4  ( 50)
人が、そして己が為に   KAZ(2/2)
★内容

 道着の男は湧き上がる人々が言う「精神の力」と共に立ち上がった。がしかし、ベ
ガは既に次の攻撃の用意をしていた。全身の「気」が更に大きくなってゆく。特に右
手(獣の爪のような形にさせている)の「気」は異常な迄に増大していた。噂に聞く
サイコクラッシャーアタックの前ぶれか?っそう思うや否や、「気」は肉眼で見える
までになり、すさまじい勢いで突っ込んできた。
 (「わしの頭突きを盗みおって!」)
 E.本田。同じ日本人だが相撲を突き詰めたような格闘技を使う格闘家だった。特
に毎日の修練から生み出された百烈張り手はそれを避け切れる程の跳躍力がない道着
の男には驚異だった。確か自分の技を盗まれ、この戦いの場へと身を投じたと言って
いた。
 こいつが盗んだのか。しかし道着の男はその事を思い出しつつ、もう1つ違う事を
考えていた。
 「本田のと同じ技なら弱点も同じのはずだ!行くぞ!波動拳!」
 ベガと同じ「気」を強固化させ、それを発す技だ。これはものの見事にカウンター
で入った、本田の頭突きを破った時の様に。ベガは吹っ飛び地面に伏したが、道着の
男は一気に間合いを詰めた。
 「春麗、行くぞ!竜巻旋風脚!」
 (「スピニングバードキック!」)
 己を回転させ、連続で旋風脚を入れる技。今度もまたカウンター気味に起き上がっ
てきた所に入った。しかも連続して3度程である。さしものベガもフラフラになって
いた。
 「タイガーアッパーだ!」
 サガット?前回の転戦の時にもすさまじいライバルであった。前回はタイ式波動拳
とも言うべきタイガーショット、そして今回は四天王のNo.2となり恐るべき必殺
技を引き下げて来た。道着の男はチラっと横を見てみた。するとそこには思った通り、
サガットがいた。いや、それだけではない。他にも戦ってきた奴全員が勢揃いしてい
た。
 「みんな...」
 だがその間に思わぬスキができてしまった。
 「前を見ろ!」
 ガイルが叫ぶ。しかし遅かった。ベガの飛び蹴りが奇麗に顔面に入ってしまった。
そして余裕を与えず、ベガはフライングヒールキックを入れてきた。これもかわせず、
今度は道着の男がフラフラにされてしまった。
 「バカめ!よそ見なぞするとは格闘家とは言えんの!とどめだ!」
 開始直後に仕掛けてきたあの攻撃だった。判ってはいる。が、体が動かなかった。
やられる...そんな考えがよぎった。まず乗っかりが来た。そしてそこからフライ
ングボディーアタックが来る。しかし乗っかりのおかげで意識は回復していた。
 「隆!俺達2人でやった修行を思い出せ!そのマネた技で固めたその男を倒せ!」
 拳?しかしそれを考えるより先に道着の男、隆の体は初めてその技を体得した時の
様に動いていた。永遠の友であり最高最強のライバルである拳と一緒に肉体に叩き込
んだ共通の必殺技。全身を絞り込みその力を全て右腕へと転化する。そして右の拳を
体もろとも突き上げる。
 「昇竜拳!」
 その拳は正確にベガのボディーを捕らえていた。隆はその拳を、再び握り締めた。
老いた獅子は去り、若き龍は天を握っていた。(終)

                       WAVE-NET:    WAV012
                       ORANGE-NET:  ORN02128
                       PC-VAN:   XPG27823 K




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