AWC CAMPUS> 怒涛の体育祭 (6)  ■ 榊 ■ (22/75)


        
#814/3137 空中分解2
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CAMPUS> 怒涛の体育祭    (6)    ■ 榊 ■  (22/75)
★内容



軽い、石から出たとは思えない音がした。
御影は片手で石を押すと、確かにその石はまっぷたつに割れていた。
まやかしではないはずなのだか、石はあっさり割れた。
御影はにっこり笑い、6人に向かって言った。
「さあ、やってごらん」
6人は皆、首を横に振り、声を合わせて言った。
「できん、できん」


番外編 −−−−

   無所属 炎城 綾

とまあ、こんな御影に対抗できる奴がいないクラブは、どうにかして御影の力をなく
すように頑張っていた。
お互いは気にしている様子もないが、巷ではこの炎城綾が御影のスケであると言われ
ていた。
髪の長い、喜怒哀楽のハッキリした(少し鈍い)美少女である。
その、綾の部屋では、各クラブの代表10人が地べたに顔をこすりつけんばかりにし
て、懇願していた。
「どうか、どうか、御影さんを励ますようなことだけは…………」
「はぁ?」
鈍い綾には、地分の立場が理解できていなかった。
転入生の綾はよく知らない。
彼が全力を出したときの力を…………

そして、この中から優勝者はうまれた。

さて、皆さん、誰が優勝するか予想をたててから本編をお読み下さい。



ACT 1  START

3月20日。
空には一つの雲もなく、明るい日差しが春の訪れを告げているようだった。
わずかだが、ひきりなしに吹く風が心地よい。
12時 −−−− 人の陰がほとんど延びず地面に張り付いていた。
千人はいる人は皆、心地よい天候に体をゆだねていた。
人々の声が風にのって運動場に流れる。
乾いた、硬そうなコンクリートの高い台の上に、マイクがひょろりと立っている。
台は校舎とみんなの間にあり、台の周りには生徒会の人達が並んで立っていた。
一際、背が高く、体格の良い青年が時計をちらりと見た。
生徒会長の榊健司 −−−−
生徒会長らしい、信頼の持てるしっかりした風格、少し笑いを浮かべた顔、見ただけ
で安心感を持てる男だった。
爽やかな白の衣服を上下にまとい、片手をポケットにいれていた。
榊は後ろの放送部に声を掛けると、一段一段、台の階段を登っていった。
そして、台の上に立ちマイクを掴む。
榊はマイクのスイッチを入れると、大きな声でかけ声を出した。

「整列!……。おいこら、ボリュームが大き過ぎるぞ!」

ここまで音量をマックスのままで叫ぶと、そこにいた半分が倒れた。
「おっ、小さくなったな。いや、すまんすまん。整列してくれ」
やっと、聞いていられるだけの音量になると、生徒は整列を始めた。
やがて、クラブの部長を先頭に、50近くの列を作った。
列が出来上がると、女の子の声の放送がかかった。
「それでは、体育祭の開会式を始めます。生徒会長、挨拶」
しばらくの間、静寂が続いた。
蛯ヘ咳を一つすると、マイクを持った。
マKO
u以下略!」

一同皆、こけた。
榊は一人、くっくっくっと笑うと言葉を続けた。
「いや、冗談じゃないんだ。みんな堅苦しいの嫌だろう? すぐ、体育祭の方行こう
ぜ…………ほらっ、くじけてないで、はよ立て」
どうにか、立ち上がる。
「いくぞー!」
榊特有の大声で叫ぶと、運動場に集まっていた生徒達は波のごとく後退し始めた。
F館校舎前の朝礼台の前。
広い運動場のまん中に位置するここで、体育祭が開始された。
晴天に恵まれ、夏になりかけの蒼い空がまぶしい。
遥か上空に吹く強い風が、白い雲を運んでいた。
午後1時。
3月の今、一番心地よい時間帯。
榊はいきよい良く振り被り、ボールを投げようとする。
榊の強肩を知っている生徒達は走るように後退し始める。
榊は振り被ったまま、生徒が運動場にくまなく散らばるのを見届けると、プロ顔負け
の大胆なフォームで、いきよいよく、投げた。
榊は前に倒れ込んだ姿勢をなおし、元通り立ち上がると、手をかざし、玉の行方を追
った。
みんなは、見えなかった玉の行方を榊のフォームと、今見ている視線から割り出し、
学園の端の塀の方へ、どとーの進撃を開始した。
生徒の走っていった後にもうもうと砂煙がたっていく。
「我、先に!」といわんばかりの競走集団からは、早くも脱落者の生徒が倒れ、道の
後に横たわっていた。
満足そうにその様子を眺めると、榊は台をとっとっと降りて行きながら、隣にいた美
里にぽっと何かを手渡した。
「はい」
「えっ?」
それは投げたはずのボールだった。
「え゛ぇぇーーーー!!」
美里の叫び声も高らかに、ボールの存在を知った生徒達が波のように押し寄せてきた。
榊は何事もなかったかのようにどこに消え、後に残ったのは、最初の犠牲者となった
美里だけであった。







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