#482/3137 空中分解2
★タイトル (DRH ) 90/ 6/19 1:58 ( 31)
「卒業写真」/Tink
★内容
卒業アルバムのページをゆっくりとめくる。
きみはいつもそこで微笑んでいる。
僕にはその笑顔が天使の微笑みようにさえ見える。
きみはいつもここにいるもんね。
いつまでも変わらない美しさのままで「「。
☆
突然の別れだった。
卒業式の帰りにきみは僕の目の前で、死んだ。
どうすることもできなかった。
僕に、少しの勇気でもあれば、突進してくる車に立ち向かえたかもしれない。
だけど、僕はきみがはねられるのを、ただ、なにもできずに見ているだけだった。
ぼう然と立ちすくみ、ただ、どうすることも無く、血だらけのきみを見つめていた。
綺麗だったよ「「。
不思議にそう思った。
血が真っ赤なルージュのように、きみの唇を赤に染めている。
きみは僕に何かを言おうとしたの?
僕の方を見つめ、軽く唇をひらき、そして血を吐いて動かなくなった。
僕はきみが好きだったんだよ。
言えなかったけど。
きみは僕のことをどう思っていたの?
聞けなかったけど。
ただ、最後に僕の方を見て息を引き取った時、軽く瞳で微笑んだような気がした。
それだけがただ嬉しくて。
突然の別れと、突然の喜びが、僕の頬を濡らして行く。
きみの美しさを、いつまでも瞳に焼き付けていたいと僕は思った「「。
END.