#1479/1850 CFM「空中分解」
★タイトル (DGJ ) 89/ 3/11 8:20 (100)
『闇の迷宮』 −04− Fon.
★内容
by 尉崎 翻
「まぁ、隠されていた扉を見つけ出したわけだから良しとしなくちゃね」
「されてたま、うぐぐ....ぐわっ☆...」
いまにも飛びかかっていきそうなティスタの口をリクトが手で塞ぐ。
「まぁ、押さえろティスタ。議論してると話が進まん」
「うぐわっ...すすまなくて...ぐっ...」
おたがいにまだ目がチカチカしてまともではなかったが、どうにか視野内の物
体輪郭はハッキリとしてきている。
ティスタはバタバタバタと手足を動かして必死に逃れようとするが、そこは決
定的な身長差ゆえに無駄な抵抗というものである。なんせティスタの眼の高さは
リクトの胸にあたりにくるのだから。
レナはティスタの行動を無視して現われた扉に近付き調査していた。
さっきの光によって『魔』は完全に取り払われているはずだ。と、なると問題
は...
「トラップね」
扉や宝箱に多くしかけられる者。通常の手段でそれらを開けようとすればそれ
は即座に発動するのだ、トラップには物理的な物が殆どではあるが中には魔法を
使用したものもあるのだ。物理的なものは、毒矢、爆発、岩石落下。魔法を使用
したものには、石化、マヒ、テレポートetc...
「どちらにせよ、トラップを外すとなると。わたしの手にはおえないわ」
レナが残念そうに振りかえる。
「じゃぁ...こいつを起こさなきゃならないの?」
ティスタがようやく通常に近付いた目を地面に落とす。そこには自ら岩でぶっ
とばし、気絶させたダグが白目でのびていた。試しに爪先でツンツンとつつくが
ピクリとも反応しない。
「...死んでるんじゃない?」
「まさかぁ」
と、いいつつも確信はもてない。
(なんてったって岩でどっか〜んとぶん殴ったんだから)
「安心しろ。一発で起こす方法がある」
リクトがしゃがみ込みダグの耳に口を寄せ手をあてた。
「どうするつもり?」
「まぁ、見てろ」
と、一言リクトが返すと、ダグの耳元でこう叫んだ。
「あっ、素っ裸の女が空飛んでる!」
☆
「起こした途端に仕事させるんだもんなぁ...」
ブツブツと文句をたれながらダグが扉を調べはじめた。
「うるっさいわねぇ。あんたの唯一のとりえみたいなもんでしょ?さっさとやり
なさいよ!」
ピタッとダグの手がとまる。
「ティス!おまーな。唯一とはなんだ?この有能な誇り高きダグ様に向かって」
「そんな人間が、『えっ?どこどこ?』ってヨダレたらしながら起きるかぁ!」
「ふっふっふ。あれは人目を忍ぶ仮の姿。して、その実態は...いてっ!」
飛んで来た石がコーンとダグの頭に当たった。投げたのはレナである。
「レナ!つっかかってきたのはティスの方だぞっ!」
と、レナの目がギロッと、擬音が出るくらいにダグをにらみつけた。
「文句お有り?」
「い、いえ別に...」
迫力に押されてダグがスゴスゴと引き下がる。
ティスタもダグから離れて後ろへ下がった。
一寸時間が経過した後にダグが立ち上がった。
「たいしたトラップじゃない、せいぜい毒針程度だな。これから解除する。そう、
ティスもうちょっと前に来てくれ」
「え?」
突然、名前を呼ばれて不思議がりながらもダグの真面目な声に反応して言われ
るままに前に出た。
「じゃぁ解除する」
ダグが再び座り込み、扉に触った。
真剣な眼差しで扉をにらみ作業する。
と、
ガチャッという音が立ち扉が動く。
同時だった。
バタンという音とともにティスタの足下の床が崩れ落ちた。
「へっ!?」
一瞬だけティスタの身体は宙に浮いたがその後は急激に万有引力の法則にした
がっていった。
「ダグのあほ〜〜〜〜〜っっ.....!!」
ティスタの叫び声が徐々に小さくなりながら、出現した穴の奥から聞こえ壁に
当たりこだました。
「・・・ダグ」
扉をかすかに開けた姿勢のまま動かないダグにリクトが小声で話しかける。
「わざとだろ?」
スクッとダグが立ち上がる。
「...やっぱ、ばれた?」
☆
ここで冒頭部分に戻ったわけであった。
☆
ティスタが落ちた穴は垂直ではなく傾斜していたゴロゴロと下に転がり落ちた
のである。落ちたところも通路のようになっており立ち上がったティスタの廻り
にはカナブンにもにた昆虫型生物のモンスターがすでに取り囲んでいたというわ
けであったのだ。
「ダグっ!あんたねェ、あたし殺す気!?」
「おまえがカナブン相手に死ぬわけないだろ」
ダグが軽く切り替えす。
「そーゆー意味じゃない! もしあの落とし穴の下に槍でもあったらどうするつ
もりだったのよ!!」
ティスタがそう怒り迫ると、ダグの顔が急にキョトンと拍子の抜けた顔となり、
しばし考え込んだ後、パチンと指を鳴らした。
「なるほど。そーゆー展開は考えてなかった」
「なぁ...なっ、なっっ、なっっっ、!!」
ティスタの声が大きく活用されていく。
「なっっっ、なっっ...うぐっ!」
「まぁ、とりあえず上に戻ろう。この通路はどこにも通じてないらしい」
リクトがティスタの口を塞いで抱え上げた。
ティスタが落ちた(落とされた?)通路は、リクトが調べたところ何処にも通
じておらずダミーらしい。
それよりも先程の扉を再度調べた方がより良いという判断より、暴れるティス
タを押さえて一行は元の扉の前に戻った。
(RNS.#1)<つづく>