AWC 『闇の迷宮』 −03−           Fon.


        
#1458/1850 CFM「空中分解」
★タイトル (DGJ     )  89/ 3/ 5   8:49  ( 99)
『闇の迷宮』 −03−           Fon.
★内容
                              by 尉崎 翻
 ビカッ!

 瞬発音とともにティスタ、ダグの間に弾ける光源が出現しバチバチと火花を散
らす。
「いーかげんにしなさい」
 レナの掌の上でフワフワと弾けた光源と同じものがゆれていた。本来は知能の
低いモンスターに対して使用する魔法の一つである。
「ティスタさんに、ダグさん。わたしはねぇ、こんなジメジメした迷宮からさっ
さとおさらばしてお風呂にでも 入りたいのよ。お判り?」
 「「「やべぇ、本気で怒ってらぁ
 レナが『さん』付けで人を呼ぶ時はプッツンの数歩手前の兆候である。
「し、しかしなぁ。別に道に迷ったのは俺の責任だけじゃないぞ」
「じゃぁどなたの責任だっていいなさるわけ?」
 レナの口調が必要以上に丁寧になってる。むしろそれが人を馬鹿にしてるよう
に感じとれる。
「いいか、道に迷う原因ってもんはな。まず、移動の際に現在位置をマップメー
 カーが見誤ったり、テレポーターにひっかかった事に気づかなかったり。さら
 には、一方方向のドアを知らずに通りぬけたり、行く道の方向指示を間違えた
り...」
「それって全部あなたのお仕事じゃなくて、ダグ?」
 レナの凍結するような視線がダグに向けられた。
「・・・あはははは」
 ダグが左手を後頭部にあてて、斜め上を向いて高笑いをした。『あはは、こりゃ
こまったもんだねー』と、いうポーズである。
「なにが『あはは』よっ!どーするつもりぃ!?」
 ティスタが馬鹿笑いしているダグの首根っこをひっ掴み、グッと自分の方に引
き寄せた。
「まぁ、ティス。まてよ、あわてるな」
「これが、あわてられない状況なわけっ!!」
「あわてた所で状況は変わるまいティスタ」
 リクトが横からティスタの手首を押さえた。ティスタは仕方なくダグの襟元か
ら手を放す。
「問題は今までや現在の状況をグダグダ争うより、これからの状況を議論した方
 が、得策と思えるが」
「そ、そーそー。 いやーリクト、いーこと言うねぇ」
 くずれた襟を手で正しながらダグが続ける。
「過去のことにいちいちこだわっても仕方ないんだ。問題は栄光ある未来に向か
 ってどう生き抜くかなんだっ!」
 海岸で夕陽に向かって走るのに一番似合うセリフをダグが並びたてる。
 なんでこんなのとチームを組んでるのかと首をかしげるレナであった。
 やっぱりチームに入ったのは間違いだったと後悔するティスタであった。
 こいつはいつか絶対に殺してやろうと心に誓うリクトであった。
「まぁ、とりあえずこの道を進むのがいいのさ。おそらくこっちが出口に近いだ
 ろう俺のカンは良くあたるからな」
 三人三色の心も知らずにキッパリと言いきりダグは一人スタスタと歩き出す。
 ティスタら三人はお互いの顔を一瞬だけ見合わせ、申し合わせたようにため息
をはいて、ダグの後に続いた。
 1分と経過せずに行き止まりになった。
     ☆
   (^〜^;)
     ☆
「だれのカンが良くあたるって?」
 袋小路を確認してから凍結したダグの肩をリクトがポンッと叩く。
「そうよ。『だれ』なわけ?」
 レナが指でダグのこめかみをピンッとはじく。
「なーにーが、俺のカンがよっ!」
 ティスタがラリアートをくらわせ倒した。
「だいたいねぇ、あんたここが今、何階か判っているわけ。そんなことも判らず
 にうろちょろ歩き廻っても余計迷うに決まってるじゃないの!だからあたしは
 あんなにマップメーカーやらせてるのは反対だったのよ。いーぃ、これ以上状
 況悪くしたらしょうちしないからね。もし一生こっから出られないなんて事態
 に陥ったら、ダグ、あんたの全責任だからねぇ! わかってるの!」
「安心しろ」
 ティスタの機関銃ごとくのグチの嵐に、ダグが首をさすりながらむっくりと起
きあがる。
「この迷宮でずーっと出られずに嫁けず後家になったら俺が貰ってやる」
     ☆
「やっぱりただの行き止まりじゃなさそうね」
 ティスタのとどめの一撃でダグが気絶している間にレナがまわりを調べていた。
 凡人がみただけではなんの変哲もない袋小路のようだが...
「このエリアだけ魔の力が僅かだけど強く感じられるわ」
「そんなもんかね」
 邪気などの強い気配や戦闘の際の殺気ならともかく、魔法が使えないリクトと
ティスタには場所による魔の強弱はサッパリ判らない。
「で、いったいここには何があるっていうわけ?」
 不満そうにティスタが口をとがらす。
「待って、今から調べるから」
 レナが3mばかし離れたとこから行き止まりの壁の方に向く。ティスタとリク
トはレナの後方に下がった、リクトはダグを引きずって。
 レナが眼をつぶり両手で印を結びながら小声でブツブツと呪問らしき言葉を唱
えはじめる。
 やがて両手をギュッと、そう、まるでボールでも握っているかのように合わせ
た。それから両手の力を緩めると指と指の隙間から光の線が溢れ出し、それは段
々とひろがり帯となる。両手が完全に開かれるとそこには光球が出現していた。
光は始め青く徐々に白くなり眼が開けられなくなるほど、まぶしくなった後に唐
突に消えた。
 レナがゆっくりと眼をあけた
 すると今迄ただの行き止まりだった壁に扉らしき物が出現していた。封印され
ていた扉の魔をレナが取り払ったのだ。
「やっぱりね。魔によって隠されていたって事はただの扉じゃないわよ」
 レナが後方に振り帰る。
「 あ゛」
 片手を口もとに持っていってペロッと舌をだす。
「目を閉じてなさいって、注意するの忘れてた」
 レナの後方ではティスタとリクトが二人とも自分の目をおさえてウーンウーン
とのたうちまわってた。

                       (RNS.#1)<つづく>




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