#1435/1850 CFM「空中分解」
★タイトル (DRH ) 89/ 2/17 22:33 ( 90)
連載小説>魔法のネットワーカーアクセス那奈 [6]
★内容
あたしと千恵美ちゃんは、中等部の校舎の智広のクラスへと向かった。
智広のクラスに行くと、運が良いことにちょうど<ホームルームが終わって、掃除
を始めたとこみたいだ。
あたしは教室のドアのところから頭だけだして中をのぞいたが、どうも智広はいな
いみたいである。
「あれ‥‥?、智広君いないわね」
千恵美ちゃんが横から顔をのぞかして、言った。
「う〜ん、あの馬鹿どこいったんだ?」
あたしは腕組みをして、うーんとうなった。
もう一度探してみたんだけど、やっぱりいない‥‥。
そんなことをしていると、突然後ろから声がかかった。
「あれ?、由美ちゃんじゃないかい、どうしたんだい?」
あたしと千恵美ちゃんが振り返るとそこには智広の友達の中西武夫君がいた。
武夫君は、どちらかというと、ちょっと太めで、いつもにこにこしている面白い人
である。
あたしは武夫君に智広のことを聞いてみることにした。
「ねー、武夫君、智広みなかった?」
「智広君?、そういえばさっき何か那奈ちゃんの撮影を見に行くんだって言って、は
りきって教室を出ていったなー」
那奈ちゃんの撮影‥‥?
いっけない!、今日那奈のお仕事あったんだ!
えっと‥‥5時から第3スタジオで写真集の撮影だっけかな?
だったら打ち合わせとかいれても4時半にはつかなきゃ‥‥。
げげ、遅刻しちゃう!
えーと、えーと、えーと、今何時だっけ!?
あたしは、教室の中にかかっている時計に目をやった。
3時50分‥‥、いそがなくっちゃ、遅れちゃう!
「千恵美ちゃん、ごめん、ちょっと用事思い出したんだ、先に帰るわね!」
「そう、じゃあまた、あしたね、バイバイ」
「バイバイ、武夫くんもどうもありがとう!」
すると、武夫は下を向いて、「いや、そんな‥‥」と、呟いた。
あたしはとにかくそんな千恵美ちゃん達を後に、森木林総合学園から駆け足で、第
3スタジオへと向かった。
★
あたしは地下鉄と私鉄を経由して、何とか4時25分くらいに第3スタジオに着い
た。
「ふぅ、危機一発ってとこかな?」
あたしはスタジオの前で、肩で息をしながらのびをした。
『まったくドジなんだから』
上の方から突然声が聞こえてきた。
「あー、プチにポポじゃない!、どうしてここに?」
『だってさー、家にいても暇なんだぜ、だから遊びにきたんだよ』
「でも、よくあたしがいる場所が、わかったわね」
『まあ、いってみればその腕のリングで、由美の場所がわかるんだな』
「へーそーなんだー‥‥、あっ、いけない、もう時間なんだ!」
あたしはそのままスタジオに入ろうとしたのだが、ガードマンの男の人に止められ
てしまう。
「ここは関係者以外立ち入り禁止だよ」
ガードマンのおじさんは怖い顔であたしをにらみながらそう言った。
「ケチ!」
あたしはそういうと、とりあえずその場を離れた。
そして、どこか適当に変身できるような所を探した。
うーん、どっかいいとこないかなー?
『おーい、由美、こっちだこっち』
プチがスタジオの後ろの方から呼んでいる。
あたしはプチが呼んでいる方向に歩いて行った。
「ん?、何?」
プチとポポは何か大きな箱「「、そう、手品とかでよく使うような大きな木ででき
た箱の上に止まっていた。
『ここで変身できるぞ』
『多分大道具かなにかで使った箱よ、結構丈夫そうだし大丈夫とおもうわよ」
なるほど、この箱の中で変身すれば、誰にも見られることは、無いわね。
「よし!」
あたしは箱の扉をあけると、中に入った。
中は思ったより広く、ちょっとの動作ならできる、うん、大丈夫だ。
あたしは変身の呪文をとなえる。
「ルチノウ!」
あたしの腕にあるアクセス・リングが一瞬七色の光を放ち、目の前にドリィミー・
バトンが現われた。
あたしは、そのバトンを手にとると、小さく変身の呪文を唱えた。
「マジック・パラレル・ドリーム・アクセス!」
あたしが、バトンを小さく振ると、バトンから光の洪水と言っても過言でないくら
いの、明るい、それでもってきれいな七色の光を放った。
そしてあたしの体をつつんだかと思うと、すぐに消えてしまった。
「ふぅ‥‥」
あたしは箱のドアをあけ、外にでた。
しっかし、この箱ってば、由美の時に見たら結構広いような気がしたんだけど、那
奈に変身してみると、何か小さいわね。
「じゃっ、行こ!」
あたしは勇み足で、スタジオの入口へと向かった。
「おはよーございますっ!」
あたしは入口のガードマンにつんけんした態度で挨拶をし、中へと入っていった。
ガードマンは不思議そうな顔を一瞬見せたが、気にする風もなかった。
なによ、最低なガードマンっ!
あたしは、心の中でぶつくさと言いながら、撮影のある、スタジオへと向かった。
(つづく)