AWC トゥウィンズ・2 三章 ( 3/ 6) (20/43)  あるてみす


        
#1233/1850 CFM「空中分解」
★タイトル (VLE     )  88/11/ 6  11:42  (100)
トゥウィンズ・2 三章 ( 3/ 6) (20/43)  あるてみす
★内容
「いえ、本当に結構なんです。そのために、わたくしが来てるんですから。」
「でも、何から何まで全部吉野さん一人にやってもらうのって、なんか悪く
て。」
「そうですか。それじゃ、テーブルの上の片付けだけお願いしますね。あと
は、わたくしがやりますから。」
「はーい。」
 早速、四人で手分けしてテーブルの上を片付け、洗い物は流しに運んで吉
野さんに任せ、捨てるものはゴミバケツ行き。そしてテーブルの上を拭いて、
一丁上がり。
 そして夜が更けて、いい加減に疲れて眠くなるまで、吉野さんも加えて皆
でトランプ。
 全部で十人でやるトランプなんて、それこそ修学旅行くらいしか機会がな
いから、本当に久しぶりに楽しめた。

 次の日の朝、早速テニスウェアに着替えて目の前のコートに立ち、二面と
もネットを張って用意をした。今日もいい天気で、日差しが強い。
 そして二面のうちの一方で、健司とミコちゃんのペアと、真琴と由香ちゃ
んのペアとがダブルスで打ち合いを始めた。
 健司とミコちゃんのペアっていうのは、もちろん、由香ちゃんと僕の手回
しの結果なんだけど、真琴と由香ちゃんのペアは、そのあとの必然的な結果
なんだ。
 だって、一美も僕もテニスなんてしたことないし、康司は一美にテニス教
えるって言うし、茂は僕にテニスを教えるって言ってきかないし、麻里ちゃ
んも一美や僕と同様、テニスなんかしたことがないそうだから、テニスがで
きるペアとして残ったのは、この二人しかいなかったんだ。
 で、問題の麻里ちゃんと一美と僕の三人なんだけど、まずボールを打つの
に慣れることから始めなくちゃならなくて、結局、康司と茂の二人で僕達三
人の面倒をみてもらうことになって、残った方のコートで練習した。
 そうそう、一美も僕もテニスウェアとかテニスシューズなんて持ってない
から、もちろん借り物だよ。ミコちゃんがいくつか持ってたから、一組づつ
借りたんだ。もっともプロポーションが違うから、全体的に少し大きめだし、
胸のあたりは完全にダブダブ。このプロポーションの違いには僕も参ってし
まう。
 一美も僕も、ここ半年ばかり身長が伸びてきたし、それにスタイルも多少
良くなってきてるとは思うんだけど、でも、まだまだミコちゃんのプロポー
ションの良さには全くかなわない。
 おっと、閑話休題。
 で、三人で必死になってラケットを振り回し、どうにかこうにかふらふら
のボールを返すことができるようになったあたりで、三人共、腕や肩が疲れ
てきたし、康司と茂も少し退屈そうだったので、一旦休憩して、康司と茂に
シングルスの試合を見せてもらった。
 二人とも、あまりうまい方じゃないって言ってたけど、僕達から見ればす
ごくうまく見える。
 だって、ちゃんとしたボールが飛んで、相手コートに落ちるんだもんね。
ふらふらのボールが飛ぶとか、打ったボールがあさっての方に飛ぶなんてこ
とは決してない。
 もちろん、すごく速いボールが飛び交うってわけじゃないけど、一応、そ
れなりのボールは飛んでるんだ。
 こっちは、コート脇のベンチに腰掛けて、汗を拭きながら、それを見てて、
「やっぱ、すごいねー。」
 なんて話してた。
 健司・ミコちゃんペアと真琴・由香ちゃんペアの方は、さすがに女の子が
混じってるせいか、ボールの動きは康司や茂のものと比べてゆっくりしてる。
でも、玉筋はしっかりしてて、ちゃんとそれなりのボールが飛び交っている。
 思わず三人でため息をつく。
 しばらく見てたら、両方とも一区切りついたらしい。ベンチの所に集まっ
てきた。その様子を見ていた吉野さんが、早速お茶の用意をしてくれる。
 皆、かなり汗だくになっていて、タオルがあっという間にびしょびしょに
なった。ミコちゃんなんか、かなり苦しそうに呼吸をしてる。
「なんか、すごいね。テニスって、そんなに疲れるもんなの?」
 なんて、つい聞いてしまう。
「マジにやれば疲れるだろうな。だけど俺達は遊びでやってるから、そんな
に疲れるような打ち合いはしてないぜ。」
「だけど、ミコちゃんなんか、すごく息が荒いよ。」
「あれ? ほんとだ。お嬢さん、大丈夫か?」
 健司が心配そうな顔で聞く。
「ええ、大丈夫。でも、なんか最近、疲れやすくて……。」
「そういや、この前の海でも、二日目は休んでたっけな。」
「ええ。もうトシだから疲れやすいのかも。」
 ミコちゃんは、そう言ってペロッと舌を出す。
「何がトシだよ。だけど冗談抜きで変だぜ。本当に大丈夫なのか?」
「大丈夫。ここんとこ、あまり運動してなかったから疲れやすいだけよ、き
っと。」
「なら、いいけどな。」
 そう言いながら食堂に戻ると、吉野さんが紅茶を入れてくれた。それにケ
ーキも。
 ケーキ食べて、お茶を飲んで、ゆっくり休んだあと、またコートに出て交
代でテニスをした。
 今度は、麻里ちゃんも一美も僕も、下手は下手なりに、一応ボールを返す
ことができるようになっていたから、ミコちゃんや由香ちゃんとも打ち合い
をした。当然、一試合毎に交代しながら。
 お昼になって、お腹も空いてきたので、軽い食事をしながら、また一休み。
 食事しながら、テニスのことで話に花が咲く。
 テニスって結構面白いな、ということから始まって、真面目にやったら、
これも結構疲れることとか、用具やウェアをまともに揃えるには、やっぱり
ちょっとお金がかかることとか。
 だけど遊びとしてのテニスは結構面白いし、それに、ここの居心地もかな
りいいし、とっても気に入ってしまったので、そのことをミコちゃんに言っ
たら、そのうちまた、ここに招待してくれるって約束してくれた。(でも、
悲しいことに、この約束は実現不可能になってしまったけど。)
 お昼を終わってひと休みしたあと、午後、やはり交代でボールを打ち合っ
た。
 相変わらず、ミコちゃんが疲れたとか言って、ちょくちょく休憩するのが
気になってはいたけど、それでもすぐに元気になるので、心配するほどのこ
とではないらしい。
 結局、その日は丸一日テニスをした。この前、海に行って焼けた上に、強
い日差しの中でテニスしたおかげで、なお一層焼けてしまい、完全に真っ黒
になった。

−−− まだあるよ −−−




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