AWC トゥウィンズ・2 二章 ( 9/11) (15/43)  あるてみす


        
#1227/1850 CFM「空中分解」
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トゥウィンズ・2 二章 ( 9/11) (15/43)  あるてみす
★内容
 で、コトが警察沙汰になった以上、当然、当事者である由香ちゃんと僕、
それに健司、康司、真琴の五人は警察に行かないわけにはいかない。なにし
ろ、一応は傷害事件だからね。
 ただ、僕が怪我しているから、まずは手当が必要だってんで、パトカーで
まっすぐ病院に運ばれて、すぐに治療。
 あと、健司も一緒に行って、その怪我の治療を受けた。
 もっとも、同じナイフによる切り傷でも、健司の方はうまく避けてたらし
く、小さな傷が数カ所あっただけなので、応急処置で済んでしまった。
 僕の足の方は、病院で診てもらった結果、傷口は大きいけど深い傷ではな
いので二週間もあれば直るだろうということだったんだけど、さすがに応急
処置では済まされず、きっちり包帯を巻かれてしまった。
 それと同時に唇の傷も消毒してもらえたお陰で、帰る頃にはなんとか目立
たない程度になっていた。

 その後警察に連れて行かれて詳しく状況を説明させられた。
 由香ちゃんと僕は、アイスを買って帰る途中で軟弱なナンパ男に捕まった
こと。そして、もみ合いになり、さっきの連中に因縁をつけられて襲われそ
うになったこと。
 一方、健司は、アイスを買いに行った僕達の帰りが遅かったので様子を見
に来たら、由香ちゃんと僕が危ない目に遭っていたので、そのまま間に入っ
て乱闘になったこと。
 更に、康司と真琴は、野次馬が集まっていて騒がしかったので見に行った
ら、健司が乱闘の最中で、僕が襲われてたので、止めに入ったこと。等々。
 その結果、下手すりゃ、暴力事件や過剰防衛として処理される恐れもあっ
た今回の事件は、連中の銃刀法違反プラス傷害罪ってことで決着がついて、
結局、僕達には何のおとがめもなかった。
 状況説明のために僕達が警察に行っている間、茂、ミコちゃん、麻里ちゃ
ん、一美の四人は海辺で心配そうに待っててくれた。そして、アイスクリー
ムは結局全滅だった。

「やれやれ、最後になってミソ付けちまったな。それに予定もだいぶ狂った
し。」
 警察から戻ってきたあと海の家で着替えをして、宿に戻って宿代を払い、
駅までバスに乗って、予定の電車より遥かにあとの時間の電車に乗ってすぐ、
健司が言う。
「だけど、大事に至らずに済んだんだしさ、まあ、よかったんじゃないの?」
 康司が楽観的に答える。と、
「ねえ、本当に大丈夫?」
 軽く包帯を押さえている僕に由香ちゃんが心配そうに言う。
「たいした傷じゃないから。それよりさ、由香ちゃんの方がショック大きか
ったんじゃないの?」
「うん、最初はね、完全にもう駄目かと思っちゃったから、大泣きしちゃっ
たけどさ、でも何ともなかったし、水着も破かれてなかったから。それより
博美の怪我の方が心配だわ。」
「これ、少し大袈裟なんだよね。たいした傷じゃないってのに、こんなに包
帯巻いちゃってさ。」
 軽く、傷口のあるあたりをさすりながら言うと、健司が、
「お前にはそれくらいの方がいいんだ。もう二度と、あんな無茶するんじゃ
ないぞ!」
 なんて言って、軽くだけど、モロに傷口の上を叩く。
「いてっ! なにすんだよ!」
 思わず健司に喰ってかかる。でも健司はそれに構わず、
「痛い思いをするくらいなら、最初から無茶するんじゃない!」
 と、逆に怒る。すると由香ちゃんも、
「そうね。まあ、博美が飛び蹴りを加えたときなんかさ、カッコいいなって
思ったんだけど、でも確かに無茶って言えば無茶よね。」
 なんて言って、それに同意する。と、ミコちゃんが、
「ところで、皆さん、どうでしょう。今回の旅行でミソが付いたっていうの
なら、もう一度、皆で一緒に旅行しません? 実は、あたくしの家の別荘が
信州にある……。」
 と、言ったところで、
「それ、賛成!」
 由香ちゃんがミコちゃんの言葉をぶった切って、即座にそれに賛成する。
そして、
「ミコんちの別荘って結構広いのよね。部屋はたくさんあるし、テニスコー
トもあるし、そうそう、康司くんと一美のデートコースに最適の白樺林の散
歩道なんかもあるわよ。それにね。山の中腹に立ってるから、眺めなんかも
最っ高にいいし……。」
 まるで機関銃のように喋り出した。
「ちょっと、ちょっと、由香ったら。」
 ミコちゃんが慌てて、それをたしなめる。
「本当に、あまり期待される程のものじゃないんですよ。遊ぶにはちょっと
不便なところですしね。でも結構涼しいですから、避暑で行くのには最適だ
と思いますよ。」
「あたし、行きたい!」
 一美が叫ぶ。
「だけどさ、俺達が泊まる部屋なんてあるの?」
 真琴がちょっと心配そうに言うと、
「あ、それは大丈夫です。これくらいの人数なら、余裕で泊まれるだけの部
屋数がありますから。それに、家のお手伝いさんも一緒に行ってくれるでし
ょうから、食事の心配もいらないんです。」
「でも、本当にいいの? 迷惑にならないかしら?」
 一美も、ちょっと心配そうだ。
「ええ、大丈夫。ただね、あたくしの兄も友人を連れて行くって言ってまし
たから、その予定を聞いてからでないと、いつ空いてるかが判らないんです。
ですから、今すぐってわけにはいかないと思いますけど。」
「じゃあ、決まりね。あとはミコんちの都合を聞いて、それから行く日を決
めましょ。」
 由香ちゃんは、完全に行く気になっている。
 と、茂が、
「ところでさ、信州のどの辺なんだい?」
「最寄り駅は信越線の軽井沢なんですけどね、でもかなり山奥に入ったとこ
なんです。小海線からも同じくらいの距離かしら。小海線に出れば清里なん
かを回って帰ることもできるはずですよ。」
「へえ、そりゃいいな。」
 茂は一人でニヤついてる。まったく何がいいんだか。
 で、結局行くことに決定して、いつ行くかはミコちゃんからの連絡で、都
合のいい日を聞いてから決めることにした。

−−− まだあるよ −−−




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