AWC 真リレーA>第五回        の 陰 謀


        
#1017/1850 CFM「空中分解」
★タイトル (MUA     )  88/ 5/18  21:53  ( 45)
真リレーA>第五回        の 陰 謀
★内容

 ウォーカーキャッスルを前に、HONDAトゥディ機動バージョンを駆る啓介と真紀
は冷や汗を流しながら車両搭載の人口知能「ラム」の声をきいていた。
「ココデトマッテナンカイタラダメダッチャ!相手ノ動キヲヨクミルッチャ。」
「なにいってるのよ!このままでは潰されてしまうわ。啓介くん、引きかえすわよ!」
 真紀は握るハンドルに力をこめた。
「じょ、冗談だろ、おれのタイムカードが、、、うわぁ!」
 そのとき、ウォーカーキャッスルの金のしゃちほこから虹色の光線が放たれ、トゥデ
ィの助手席がわのドアミラーをかすめ、アスファルトをとかした。
「敵ハコッチヲネラッテイルッチャ。コノママコノすぴーどヲマモッテハシリヌケルッ
チャ!!」
 トゥディは300キロ以上だしているとは思えないほどの機動性を発揮し虹色の光線
をかいくぐりながら、巨大なキャタピラの間をくぐりぬけようとそいつの真下に走りこ
んだ。しかしウォーカーキャッスルはこともあろうに加速をはじめ、トゥディと共には
しりだしたのである。つまり、トゥディにかぶさったかたちのまま300キロで東名高
してうごめいてくる。
真紀は,半分泣きべそをかきながらも必死で、その鉄の触手を避けようとハンドルをき
る。″だいたいねえ,あの変な女の子がやっかいな話たのみにきたりしたのがいけない
のよ。あんなことがなければ、私いまこんなめにあってるわけないじゃない!!″真紀
「そんなに啓介くんのことが、好きだのあいしてるのっていってるのなら、自分で、ど
うにかしなさいよ!霜村麻子!じんましんがどーのこーのなんてこのさい関係ないでし
「あ,あさこぉ?!!」
霜村麻子。その名前が真紀の口からでた途端、ゾゾッとした悪寒が、啓介の体の中を走
りぬけた。そして,その皮膚のうえにわらわらと発疹がうかびあがってきたのである。
もちろんその赤がかったじんましんにおおわれ恐怖にひきつった彼の顔を真紀は、見る
余裕などなかった。マニュピレーターがいまにも彼女が運転するトゥデイを掴みこもう
としていたのである。くろがかった鈍い光をはなつ合金のかたまりが、指のようにうご
きながら、フロントガラスいっぱいに近付いてきた。その距離約1メートル!
 そのときである。前方から、黄色い光線がさしこんできたかとおもうと、まわりをお
おっていたウォーカーキャッスルが一瞬にして、消えたのだ!啓介と真紀は、信じられ
ないというように、おおげさにまばたきをした。
「いったい、どうなってるの?!」
「それはこっちがききたいくらいだよっ!」
「トンネルニハイッタダケダッチャ。」
しばらくのあいだ、沈黙で、ふたりがあわてふためくのを見守っていた「ラム」のこえ
がスピーカーから響いてきた。
「トンネルぅ?!」
「ダカラウチガイッタッチャ。アンナニコワガルコトナカッタッチャヨ。スコシハ、ヒ
トヲ信用スルッチャ。」
前方から、さしてきたとおもったあの黄色い光はトンネルの入り口の照明灯だったのだ
真紀が、いまだ恐怖の跡を留めた表情と声でつぶやいた。
「とにかく、たすかったんだわ。よかった。それにしても..こんなとこにトンネルな
んて、あったかしら?」
 そのころ、善良な名古屋市民は、首都消滅と、名古屋城行方不明の噂であわてふため
いていた。




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