AWC 珍作小劇場> 無 敵 戦 車      ・COLOR


        
#396/1850 CFM「空中分解」
★タイトル (BMD     )  87/10/17   7:41  ( 36)
珍作小劇場> 無 敵 戦 車      ・COLOR
★内容
ここはR国の研究所の一室である。ここである博士が笑っていた。
「ふふふ・・・遂に完成したぞ。これ一台が上陸すれば我がR国の勝利は確実だ。クク
ク、大統領の喜ぶ顔が目に浮かぶぞ!」
 博士の顔は喜びに溢れていた。このコードネーム「無敵戦車」の開発の為に博士はこ
の研究所に5年も閉じ込められていたのだから、判らないことはない。その様子を見て
いた助手の一人が博士に尋ねた。
「これが噂に聞く『無敵戦車』ですか? でも・・・装甲は薄いし機動性は悪いし音は
うるさいし・・・なんで、これが『無敵戦車』なんですか?」
がないようなこの戦車が『無敵戦車』と名乗ること事態が許し難いのに、博士がこんな
に狂喜している事が助手には理解出来なかった。博士は一言、
「本当に無敵かどうかは結果が判断してくれるさ」

−−−−−−−−時は流れていよいよ『無敵戦車』のB国上陸作戦開始−−−−−−−
「博士っ あ、あの『無敵戦車』が・・・なんと大活躍して現在首都を攻撃中、という
報告が入って来ました。」
 電話を取った助手が叫んだ。
「はっ、はっ、はっ・・・どうだ、結果が全てを証明しただろう。もうこの研究所から
出てもいいんだっけな?」
「はぁ、大統領命令で・・・でもなんであの戦車が・・・」
「それは帰りの車の中で話そう」

 二人は車に乗って街に向かって走らせていた。
「そろそろ教えてくださいよ。なんであの戦車が無敵なんですか?」
「あの戦車の動力を知っているか? あの戦車は原子力で動いているんだ。下手に攻撃
して『ドカン』となったら半径100キロがふっとぶ。そのことをスピーカーで教えて
あげるんだ。まさか攻撃はできないだろう?」
「なるほど・・・逆転の発想ですねっ」
「これで我が軍は安泰だ、ハハハ」

博士は豪快に笑った。その上空をB国の『無敵航空隊』が首都をめざして飛んでいる事
に二人はまだ気付いていなかった。
        【おわり】 By BMD66811/COLOR
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
これは質の悪い「ブラックジョーク」です。でも結局戦争なんてものは同じ事の繰り返
しだと思っています。僕はそれを皮肉としてこれを書かせて頂きました。
読んだ方、ぜひ感想を下さい。




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