#1868/3582 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA ) 21/08/01 14:26 ( 51)
盛り込み過多の気配もあるが 永山
★内容
WOWOWのドラマ「黒鳥の湖」第二回を録画視聴。ネタバレ注意です。
財前は娘・美華の夜遊びを気にしつつも、仕事での企業買収の方針を決め、田部井に
任せる。その間に私事――娘のことに加え、“漆黒の切り裂き魔”を名乗る者による若
い女性の誘拐殺人が過去の事件と同一犯なのか――を解決する心算だ。
谷岡の家を訪れ、かつての依頼人の様子を探ろうとする財前。現れた女性・比佐子は
長男の嫁で、谷岡当人はもう亡くなっているという。それならばと過去の事件の被害者
である谷岡の娘の消息について尋ねると、谷岡には娘はおらず、子供は長男だけだとい
う。食い違う話に困惑した財前は、後日また話をしたいと電話番号のメモを比佐子に渡
す。
その後、比佐子から話を聞く内に、谷岡は清水という家政婦とデキていた可能性があ
ると分かる。ならば十八年前に拉致された女性というのは、その家政婦の娘?
確かめるには清水の現在の居場所を知る必要がある。以前、清水を雇っていた久慈と
いう男性宅を訪問し、話を聞く。すぐには有力な情報は得られなかったが、清水の写真
が確かあったから、あとで知らせると約束してもらった。
その帰り、警察から電話が。JKリフレの店にガサ入れしたところ、ちょうど面接を
受けていた美華を保護した。美華本人の希望で、父親に連絡したとのこと。財前が迎え
に行くと、美華は父親への連絡を希望した割にはまだ壁を作っている。それでも財前が
話し掛け続けると、家族というキーワードに美華が反応。美華は財前が本当の父親では
ないと言い出した。これを肯定する財前。彼自身は子供を作れない身体であり、美華は
妻が前の男との間に設けた子であると承知の上で、自分の娘として育てる決心をしたの
だった。これにより両親と美華との関係は雪解けに向かう。
だが、数日経ってまたもや美華が夜遅くになっても帰らない。警察に届けたが、家出
の可能性が高いとされる。これと前後して、少し前から財前の妻は一連の不幸は自分の
してきたことに対する報いではないかと悩み、瞑想の会を主宰する若院の寺へと頻繁に
通うようになっていた。警察署からの帰りでも財前には寄るところがあるからとだけ告
げて、若院の寺に向かう。財前は彼女をつけて、寺に辿り着く。若院と彼の母親に会
い、挨拶をしているところへ妻も出て来て見付かる。
翌日、比佐子からの電話のやり取りの最中、谷岡の亡くなった日を聞き咎める財前。
十八年前の一月三十日に病死したと聞き、血の気が引く財前。叔父が殺されたのは二月
一日だった。谷岡が殺すのは不可能である。では一体誰が叔父を?
混乱する財前に、さらに追い打ちを掛けるように妻が倒れる。彼女が握っていた郵便
物の中に、漆黒の切り裂き魔を称する封筒があり、中からは美華の物と思しき衣服の切
れ端が出て来た。
――以上が今回の粗筋。取って付けたような箇所がありますが、重要そうな場面であ
りながら説明が難しいので、ご勘弁ください。
なかなか大胆に伏線や暗示を張っているのだとしたら、家政婦清水は別人としてすで
に登場しているなというのが、大方に想像できるように作られている。仮にこの想像が
外れだとしても、それはそれで視聴者・読者をだませているのだから、うまいなと思
う。
久慈がやたらと同人誌についてしゃべっていたのも気になったんですが、まだどう絡
んでくるのか読めないので、上記粗筋ではカット。あのとき見ていれば……のパターン
だとちょっと陳腐に感じるかもしれないので、それを上回ることを期待。
一方、あんまりうまくなかったなと感じたのは、美華の親に対する反抗ですね。第一
話であまりに唐突だったから。親子関係を疑っている・調べていることを想起させる描
写があったみたいなんだけど、分かりにくかった。
全体としては二度も意外な展開を見せて、引き込まれます。変則的な倒叙ミステリ+
犯人探しと認識していたら、さらにもう一つ犯人探しが加わった感じ。ただ、谷岡が過
去の殺人の犯人でないのなら、残るは一人だけって気がする。(^^;
あと、最終的に財前は会社を追われそうな雰囲気が。
ではでは。