AWC 本の感想>『魔法人形』   永山


        
#315/3622 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  17/12/28  22:11  ( 24)
本の感想>『魔法人形』   永山
★内容
・『魔法人形』(マックス・アフォード 著/霜島義明 訳 国書刊行会)
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 送り付けられた者を死に至らしめる人形? ロチェスター屋敷は恐怖の渦中にあっ
た。最初に屋敷の主たる教授の妹が階段から転落して死亡。そのことを友人のロロから
聞かされたジェフリー・ブラックバーンは、事件解決経験を買われて屋敷に乗り込むこ
とになる。だが、ブラックバーンの到着した朝、屋敷に隣接する礼拝堂の中で、教授の
息子であるロジャーの死体が見つかる。送り付けられた人形と同じく、胸に刃物を突き
立てられた状態で。
 入れっ放しの暖房、死体のそばに置かされた食事、ぬかるみに残る足跡、消えたウィ
ッチボール……様々な手掛かりに翻弄されつつも、ブラックバーンが最後にたどり着い
た真相とは?

 面白く読めた部類に入ることは確かなのですが、細かな点で少し不満が。
 まず、ある場面である人物の行動が怪しすぎて、犯人が丸分かりになってしまう。こ
れは作者の計算かもしれないけれど、もうちょっと隠す努力をして欲しかった。
※以下ネタバレ注意
 ロジカルな展開で魅せる部分と、メカニカルな殺人トリックがアンバランス。でもま
あ、その機械仕掛けを推察するに至る過程は充分に論理的なので、及第点を出せます。
 書きかけの文章の記述から犯行時刻を特定するくだりが出て来ますが、文中の時刻イ
コール書いていた時刻とは限らない、むしろ、文中の時刻イコールその文章を相手に読
ませようとする時刻である可能性が圧倒的に高いと思うので、おかしい気がする。電子
メール全盛の現代ならともかく、この作品は一九三七年の刊行ですし。

 ではでは。





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