#324/566 ●短編
★タイトル (GSC ) 07/11/04 00:39 ( 73)
長崎見物と将棋大会 (2) [竹木 貝石]
★内容
(私のパソコンシステムだと、長文がアップロードできないようなので、
二つに分けました。)
10月28日(日)
1. 将棋大会(一日目:
第31回 全国視覚障害者将棋大会は、開会式に続いて、A級・B級、
それぞれの予選が行われ、4人一組の総当たり戦で、2勝1敗以上が
勝ち残り、1勝2敗は抽選によって一人だけ明日の決勝トーナメントに
進むことができる。
私はかろうじて2勝し、翌日まで首がつながった。
負けそうな相手に勝ち、勝てそうな相手に負かされたのは皮肉である。
2. 買い物:
将棋大会が行われている間、妻は松江から来たM君のお母さんと二人で、
有田焼の里を見学に行き、子供達の土産に、アニメキャラクターの焼き物
などを買ってきた。
私は、ホテルのみやげ物売場で、有田焼の飯茶碗と、唐津焼きの小皿を
買った。
3. 懇親会:
夕食は懇親会を兼ね、私の右に妻、左に東京のS氏が座った。
自己紹介を含めて一人ずつ挨拶したが、各々個性豊かな話し方・
ユニークな発言が多く、中でも、左隣のS氏が作った川柳は見事だった。
「佐賀で また 将棋が指せて 嬉しいの」
4. 風呂(その2):
今夜(28日の夜)は、各部屋に備え付けの風呂に入ったが、一般的な
ホテルの洋式(狭い浴槽内でシャワーを浴びる方式)ではなく、タイル
張りの広い洗い場があり、温泉と同じ成分の熱湯が使えた。やっぱり
日本人はこういう風呂でなければ休まらない。
10月29日(月)
1. 将棋大会(二日目):
詳しいことは別の文章に書いたが、結果は私の惨敗に終わった。
わびしくも情けない。
2: 風呂(その3):
将棋で早々と負けてしまったので、昼過ぎに大浴場へ行ってみた。
男湯に一人だけ居た客が出ていった後、受け付けのおじさんが中まで
案内してくれ、露天風呂にも連れていってくれて、私は遠慮なく大浴場を
歩き廻り、露天風呂も心ゆくまで偵察した。
私は嬉野温泉の名前すら知らなかったが、成分は良質の塩泉で、あたかも
石鹸を塗ったごとくに体がすべすべになる。源泉の温度も高く、大変良い
温泉だった。
3. 特急〈みどり〉:
大会が早い時間に終了したので、予定より1時間前のバスに乗り、JR
武雄温泉駅に着いた。寂れた田舎の駅だが、列車の発着に合わせて結構
人ので入りが多い。
売店で6個100円のミカンを買い、例のカステラを食べた。
16時55分発の特急〈みどり〉は、百キロ前後のスピードで快適に
走り、佐世保線→長崎本線→鹿児島本線を経由して、一路博多に向かった。
4. 新幹線〈ひかり〉:
博多から名古屋までの直通列車は大部分が〈のぞみ〉で、ちょうど良い
時間の〈ひかり〉はこの列車しかない。〈のぞみ〉だと、ジパングクラブの
割引きが利かないのだ。
〈ひかり〉で名古屋までは4時間かかるが、昔に比べれば便利で速い。
昭和31年に、点字・珠算競技会で熊本盲学校まで来たときには、急行
列車に乗っても24時間かかったものだ。
5. 中央線と新守山駅:
名古屋駅の乗り換えがスムーズにいき、予定より1本早い中央線に乗れた。
新守山駅を下りると、「やっと我が町に帰ってきた」という安心感に
包まれるが、既に35年余、すなわち、人生の半分以上の年月、この駅を
利用しているのだ。
[2007年(平成19年) 竹木 貝石]