AWC 詩>ぎぃこぎぃこ  $フィン


        
#309/566 ●短編
★タイトル (XVB     )  07/01/08  00:09  ( 42)
詩>ぎぃこぎぃこ  $フィン
★内容
詩>ぎぃこぎぃこ 

ぎぃこぎぃこ 
これで最後だぎぃこぎぃこ 
ボクは額についた赤を 
タオルでふいた 
三浪してなまけもののぼくは 
この作業は大変でした 
ネットで調べた人体解剖 
歯医者にならず医者志望 
でも親が歯医者になれというものだから 
受験したのが3回落ちて 
今は三浪、受験生 
ぎぃこぎぃこぎぃこぎぃこ 
何しろ一生を左右することだから 
物にするため解体を 
赤にまみれてやってみた 
藪な医者より上手な裁き 
ぼくは歯医者にゃ向いてない 
ぎぃこぎぃこぎぃこ 
見つからないことが第一の問題 
幸いにしてパパもママもにいさんも 
親戚の家にいって 
いるのは物とボク一人 
ぎぃこぎぃこぎぃこ 
ぼくは昨日からすっとぎぃこぎぃこ 
風呂場は赤赤赤 赤だらけ 
物をどこに捨てよう 困ったな 
匂いはあるが、 
さめの死体が匂うかな 
2.3日家族は帰ってこない 
予備校いって勉強して 
それから物を片づけよう 
五月蝿いものが消えて 
ボクは幸せになれるはず 
風呂場から赤を流し 
すっきりぴかぴか美しい 
今日は予備校がんばるぞ 
窓を開ければ青い空 
でも耳に残るぎぃこぎぃこ 
なぜこの音だけが残るんだ?  
 





前のメッセージ 次のメッセージ 
「●短編」一覧 $フィンの作品 $フィンのホームページ
修正・削除する コメントを書く 


オプション検索 利用者登録 アドレス・ハンドル変更
TOP PAGE