AWC マツケンサンバ2  談知


        
#247/566 ●短編
★タイトル (dan     )  04/12/15  07:23  ( 47)
マツケンサンバ2  談知
★内容
 まあ何といいますか、最近は女にとんと縁がなく、あっちのほう
はもっぱらオナニー一本でやっておりますが、このオナニーという
のも、極めればなかなか奥が深いものでございます。ここでまず大
事なのは、おかずを何にするかということでございます。おかずと
申しますのは、オナニーするときにもちいる写真やビデオなどでご
ざいます。もちろん、一番まっとうで一番効きますのは、自らの妄
想でいたすことなのでございますが、これはやはりなかなかできが
たい。それには相当の才能が必要でございます。自らの妄想で、自
由自在にいたせるほどであれば、作家などすぐなれます。もちろん
おかずでいたす場合も妄想は必要なのでございます。しかし、おか
ずをみて妄想をいたすわけでございますから、そうおおきな妄想は
必要ではございません。おかずが補助をしてくれるわけでございま
すから、そこからちょっと飛ぶだけなのでございます。いま申しま
したように、おかずにはいろいろ種類がございます。エロ写真、エ
ロビデオ、エロ小説などございます。このなかで、わたくしがもっ
ぱら愛用しておりますのが、エロ小説なのでございます。何なんで
ございましょう。わたくし根っからの活字派なのでございましょう
か、エロ写真やエロビデオではあんまり興奮いたしません。もちろ
んそれなりに感じはいたしますが、ちんちんが一気にエレクトする
ほどではないのでございます。映像ではやはり駄目なようなのでご
ざいます。やはり活字。エロ小説こそわたくしのおかずの本命なの
でございます。エロ小説といいましても、何でもいいわけではござ
いません。あるひとりの作家のものに限るのでございます。その作
家とは、蘭光生というかたなのでございます。このおかたは残念な
がら10年ほど前にお亡くなりになっております。まことおしいこ
とでございました。従って現在では新作はでておりません。いや旧
作もほとんど店頭からなくなっております。よく書かれておられた
フランス文庫などでももうおめかけすることはございません。まこ
とまこと残念なことなのでございます。わたくしはこのお方の本を
古本屋などで収集しておるのでございます。現在までに30冊以上
集めたのではと思います。どれも愛用させていただいておるのでご
ざいます。その内容はともうしますと、浣腸、アナルセックス、S
M,などなど、なかなか過激なものなのでございます。わたくし根
が純情なのでございますから、ほとんど女性にそういうことをした
ことはございません。しかし、これらの本を読むと、自らの劣情を
刺激されて、おもわずエレクトしてしまうのでございます。哀れな
男のさがでございましょうか。アナルセックスなど女性にいたしま
しても、実際はそんなに面白いものでも快感があるものでもござい
ません。でもなぜかこの蘭光生の本を読むと立ってしまうのでござ
います。ああ偉大なるかな文学の力。わたくしが文学を志したひと
つの理由が、文章だけでエレクトさせるこの文学の力を感じたから
なのでございます。このお方の本を読んでエレクトしますと、しみ
じみ文学って凄いなあと実感いたすわけなのでございます。文学に
一生かけよう、と思ったりするわけなのでございます。蘭光生、通
常の文学事典には今後も一切でてこないお方でございましょうが、
わたくしの文学事典にはこの名はいつまでも燦然と輝いているので
ございます。





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