AWC イラク人質事件  談知


        
#201/569 ●短編
★タイトル (dan     )  04/10/29  08:19  ( 52)
イラク人質事件  談知
★内容
 イラクで拉致され人質になった香田さん。こういうことが起きる
と、やれ無責任だ自己責任だという話が起こってくるのが日本だ。
今の時期にあんなところを旅する必要はないとか。いいじゃないか
とワタシなんか思うね。今の時期だからこそ旅する意味があるんじ
ゃないか。無責任な世界旅行。結構じゃないか。若い時期に無責任
に旅することはいいことだよ。それにより、かならず何か得られる
と思う。
 若いころから順調にいって、無駄なことを何もせずすんなり高級
官僚などになったひとがやった結果が今の日本だ。日本をぐちゃぐ
ちゃにしたのはそんなひとたちだ。ものごとがもの凄いスピードで
変化する今の時代、すんなりきたひとには、それに対応する能力な
んかないと思うね。だって変化しなかったからすんなりきたわけだ
から。変化しないことを前提の世界に育ってきているひとたちだか
ら。
 若い頃からあちこち寄り道して、無駄なこともたっぷりして、あ
らゆることを吸収してきたひと。そんなひとしか今の時代をしっか
り動かすことはできないんじゃないのか。少なくとも、今はもう純
粋培養といった感じのひとが通用する時代じゃないね。
 ワタシなんかも若い頃旅ばかりしていた。世間的にみれば無駄な
ことばかりしていたわけだ。でも本当に無駄だったのか。そうでは
ないと思うぞ。それらの無駄はワタシのなかにある確信と自信をも
たせてくれたように思う。それがあるから、今のワタシは幸せな気
分で生きていくことができている。すんなりどこかに就職でもして
そのまま来ていたら、とてもこんなに安らかな気分では暮らしてい
ないと思うね。
 香田さんの場合、確かに甘い部分もある。明らかに危険なイラク
に入ったみたりとか。でもその甘さも含めてワタシはその行動を支
持したいね。若いころはそうでなけりゃと思う。それくらいの元気
がなくてどうするの。
 イラクのような危険な国へボランティアなどにいくひとがいると、
そんな危険なことはやめろとか、それは国がやることだとか、そう
いう声が起こるのがこの国だ。そういう声を聞くたびに、お上にす
べてまかせておけばいいという、お上意識を感じる。お上にすべて
おまかせ状態という情けなさを感じる。なぜ自分たちがやろうとし
ないのか。自分の意志でやらないのか。なぜまるごとおまかせなの
か。そしてなぜ、自分の意志で何事かやろうとするひとを非難する
のか。自分の意志でみずからやろうとするひとのほうがよっぽど偉
いと思うね、ワタシは。
 この前のボランティアのひとが拉致され人質になった事件のとき
も、日本では非難ごうごうという感じだった。こんなときに馬鹿な
ことをして、という感じ。でもアメリカのパウエル国防長官だった
か、それらのひとのことを、国の宝だといった。誰からの命令があ
るわけでもなく、自らの意志で、イラクの人々を助けるために来た。
こういうひとがいる国は素晴らしい国である。それらのひとは国の
宝のようなひとである。少なくとも、国の命令がなければ何もしな
い、できないひとよりはるかに素晴らしいひとたちである。まあア
メリカにつごうがいいからという面もあるだろうが、しかし、アメ
リカという国はそういう考えのひとびとでできあがっている国であ
る。アメリカが素晴らしいのではない。アメリカに住んでいる人々
の考え方が素晴らしいのである。だから何だかんだいわれながらも、
基本的にアメリカは尊重されている。
 香田さんの一刻もはやい解放を祈ってます。





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