#9042/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ
★タイトル (AZA ) 16/09/23 19:39 ( 40)
二度あることは三度目の正直 永山
★内容
日本テレビ系のドラマ「遺産相続弁護士柿崎真一」最終話を録画視聴。大いにネタバ
レ注意です。
柿崎の前に、小学五年生になる一人娘のみなみが現れ、母親のまゆみが自殺した理由
をそろそろ教えてほしいと言ってくる。柿崎は分からないと答える。
みなみは丸井華や河原井の居所を訪れ、相談を持ち掛ける。母まゆみが生前に一作だ
け出版した小説が、日本では全く売れなかったがフランスで大ベストセラーになり、印
税やら何やらで五億にものぼるお金を生んでいる。それを遺産として父親と分ける必要
があるが、できればやりたくない。みんなには代理人になってもらって、あきらめさせ
るのを手伝ってほしいと。
夜、柿崎が事務所に戻ると、覆面をした三人が家捜ししているところへ出くわす。フ
ランス語で何やら言われたあと、昏倒される柿崎。朝になって覚醒し、部屋を片付けな
がら五億の遺産について河原井らから聞かされる。しかしそのことと部屋が荒らされた
こととは結び付かない。突っ込んで聞く柿崎に、河原井らはまゆみが遺した幻の第二作
の原稿の存在を伝える。フランスでは第二作への関心が非常に高まっており、原稿を手
に入れるためなら、非合法な手段を執る輩もいると言われる。さらに娘のみなみの部屋
にも泥棒が入ったとの知らせが。みなみが暮らす、柿崎から見て義母・貞子の家に飛ん
でいくと、貞子から今頃顔をよく出せたものだとなじられる。遺産について尋ねる柿崎
に、びた一文やらないよと言われ、追い出される。
また夜を迎え、柿崎はまゆみの自殺の原因は自分の浮気にあると娘には思われている
が、実際はその逆だと言うことを周囲に認める。娘には言えない。
そこへ片言の日本語による電話が掛かってきた。娘を預かった、幻の原稿と引き替え
だという。取引場所へ向かう前に河原井から拳銃を借りた柿崎。さらに何かやら頼み事
をしてから、出発した。
――ここまでが前半の粗筋。このあと怒濤の展開を見せ、二転三転の逆転劇と相成る
のですが……非常に分かり易い作りになっているため、どんでん返しの妙をあんまり味
わえない。多分、制作サイドでも分かってもらえるように意識して作ってるんだろうけ
れど、ここまで仕込んでくるなら、三度ともきちんと驚かせてほしい気がする。三段ロ
ケットの一段目と二段目は前振りで、三段目だけが本来の機能を果たした感じ。その三
段目で驚けたのも、伏線がないことによるものだし。だからこその、一段目と二段目の
分かり易い伏線なんでしょうけど。
伏線と言えば、だまされた側がだまされたことに気付く伏線が、娘の方にはあったも
のの、柿崎にはなかったような。フランスでのベストセラーリストや、実際の印税額な
どは画面上では分からないし、わずかに娘が義母の財布から一万円をこっそり抜き取っ
ていったことがあるものの、それだけでは弱いかな。
コミカルな弁護士物として、これくらいのレベルを毎回やってくれたらまずまずいい
んだけど、全体を通して見るとちょっと平均点が低かった。
柿崎が河原井にどうして多額の借金があるのかなど、放置されたままの事柄がいくつ
かありますので、ひょっとしたら続編が?
ではでは。