AWC 本の感想>『増加博士の事件簿』   永山


        
#8752/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ
★タイトル (AZA     )  15/12/20  20:36  ( 24)
本の感想>『増加博士の事件簿』   永山
★内容
・『増加博士の事件簿』(二階堂黎人 講談社ノベルス)6/2220
 粗筋は裏表紙から引用します。

   半分に千切られたトランプ、血染めの五芒星、握ら
  れた釣り餌、口の中の割れた茶碗、鼻の穴に突っ込ま
  れた指……凶悪事件現場に残されたあまりに不可解な
  ダイイング・メッセージ。その真相に巨漢の名探偵・
  増加博士と痩身の羽鳥警部のでこぼこコンビが挑む!
  不可能犯罪、トリック、ユーモア、そしてウンチクが
  たっぷり詰まった“頭脳刺激”系ミステリー誕生!

 うーん……長編小説では使えなかった没ネタのオンパレードって感じ。正直言って、
つまらない。二十七の掌編が収録されているんだけど、その多くがダイイングメッセー
ジ物で占められているのも、飽きが来て退屈する原因かと。そのダイイングメッセージ
自体、こじつけたような物が目立つし、根拠が足りない。他のトリックでは、密室やら
不能犯罪やらが散見されるも、やはり冴えない印象。唯一、「おクマさん殺し」の真相
だけは、なかなかよかったくらい。
 作者がエッセイか何かで、トリックなんていくらでも思い付くという旨の発言をして
いて(違っていたらすみません)、驚愕込みの感心をした覚えがあるんですが、本書レ
ベルのトリックも数に入れるのなら、あまり感心しないかなあ。
 こういった推理クイズ的作品ばかりを集めて一冊の本に仕立てるよりは、長編や短編
集のおまけに数編入れる方が、評価を高く維持できると思う。

 ではでは。





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