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★タイトル (AZA ) 15/01/13 20:36 ( 30)
(ポワロ&ホームズ)三谷 永山
★内容
フジテレビ系のドラマSP「オリエント急行殺人事件」を録画視聴。事前に、
二日間で約五時間三十分(CM込み)と知って、長すぎるだろ!と感じたので
すが、実際に観てみるとそれほどでもありませんでした。
第一夜は舞台を昭和八年の日本へ移した上で、原作にほぼ沿う形で映像化し、
第二夜は犯人側の視点で犯行に至る経緯と、犯行中の様々なハプニングと臨機
応変ぶりを描くという構成。特に第二夜は、脚本の三谷幸喜の個性が発揮され
ていて、ユニークでした。一部のコメディ調には賛否あるかもしれませんが、
基本的にシリアスな線を崩さなかったので、ぶち壊しにはならなかった。むし
ろ、よいアクセントになったかな。
ただ、(原作の)犯人の行動に疑問を投げ掛ける形になった、脅迫状を燃や
す行為に関するやり取りは、理由付けされることなく投げっぱなしで、ちょっ
と無責任だったような。
そして注目の、ラスト近くにおける探偵役の判断は、これまた原作に忠実で、
後味のよさに徹したように思いました。
登場人物のネーミングが、なるべく原作に近付けようと努力した痕跡があっ
て、面白い。ヒルデガルド・シュミットが昼出川澄子なんて、作りすぎ(笑)。
野村萬斎演じる勝呂武尊が、原作でのポワロに当たる訳ですが、癖のある個
性的な名探偵をうまく演じたんじゃないでしょうか。滑稽だがお笑いの領域に
は踏み込んでいない、バランスの取れた演じっぷり。髪型も、他のポワロ映像
作品で印象の強い禿頭ではなく、あくまで“卵形の頭”である描写を採用した
容貌になっていて、よかった。
NHK教育で放送の人形劇「シャーロックホームズ」第十三話を録画視聴。
これも三谷幸喜脚本。今回は『バスカヴィル家の犬』と『踊る人形』の合わせ
技……といっても、完全に分離した二つの事件という形でしたが。それぞれ単
品だけでも充分に面白い脚本が作れそうなだけに、勿体ない。
その点を除けば、ホームズが後れを取るシーンが二度もあって、意外な展開
になってました。
ではでは。