AWC ひっきー日記27 ぴんちょ


        
#837/1158 ●連載    *** コメント #836 ***
★タイトル (sab     )  10/04/16  11:29  ( 66)
ひっきー日記27 ぴんちょ
★内容
或る晩の父母の会話。

母:ちょっとこれ見て。

父:なんだこれ。なにこれ。精神病院じゃないのか。

母:違うわよ。そこに思春期外来というのがあって。

父:こんな所に行ったらますます社会から遠ざかるんじゃ
ないの。だって、これ、過去に精神病院に通院歴があると
かになるんだぜ。

母:そんな事言って、なんかしたらどうするの。

父:えぇ?

母:あの子が何かしたらどうする積もり。

(沈黙)

父:猫を思い出したよ。

(沈黙)

父:赤紙が来たらどうする?

母:え?

父:もし赤紙が来たらあいつを戦争にやるんだろう。

母:だって逃げられないんでしょう。

(沈黙)

父:あいつが無能力のままだったらいいんじゃないのか?

母:結婚したら私なんて追い出されちゃうかもね。

父:そんな事考えているのか。

母:自分だって追い出したいんじゃないの? でも誰かに
家は継がせたい。娘は追い出したし。

父:何言ってんだ。

この会話の中に出てくる猫というのは昔妹が拾ってきた猫
だ。まだ子猫だったが去勢された。猫AIDSになるとい
うんで一歩も外に出してもらえなかった。もっとも数ヶ月
そうしておいたら自分から外に出ようともしなくなったが。

ああいう心配性の親に育てられると俺みたいにひっきーに
なるのか、とも思う。俺の母親は超心配性だ。家に誰もい
ない時に父母の寝室を家捜しした事があった。驚くべきも
のを発見した。母子手帳が3冊出てきたのだ。俺と妹の間
に子供がいたのだ。あれは羊水検査とかなんとかで異常が
発見されて中絶されたんじゃないのか。池沼の子供を産ん
だって社会に適応出来ないから。そういえば例の音楽掲示
板に『木枯し紋次郎』という昔の時代劇のテーマソングが
うpされていたが、紋次郎は天保の大飢饉で間引きに合い
そうになって逃げてきた、と書いてあった。案外現代でも
間引きはあるんじゃないのか。

いや、そうじゃなくて猫の事は俺も理解出来るし俺だって
仮に結婚出来て奥さんが妊娠して羊水検査でひっかかった
ら中絶するかも知れない。でももし子供がいて赤紙が来た
ら何としても逃がしてやると思う。ヨブ記じゃあるまいし。




元文書 #836 ひっきー日記26 ぴんちょ
 続き #838 ひっきー日記28 ぴんちょ
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