#2912/3773 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA ) 24/01/05 16:52 ( 30)
原作の汎用性 永山
★内容
テレビ朝日系で放送の松本清張ドラマ「顔」を録画視聴。ネタバレ注意です。原作は
松本清張の同名小説で、これまでにも複数回映像化されており、いくつかは観たことが
あります。
繰り返し映像化されるのは、原作小説が単に魅力的なだけでなく、設定をいじりやす
い、つまりは独自色を出しやすいことがその理由じゃないかなあと、今回改めて感じた
です。
というのも、この二〇二四年版「顔」がこれまでにないと言っていいくらい、現代風
にアレンジされていたから。動画配信やリベンジポルノが出て来るし、新型コロナ流行
をうまく取り入れているし、顔出しなしの歌手がデビューするというのも非常に現代
的。それらの諸要素を、原作の基本的アイディアを損なうことなく、匠に取り込んだ脚
本になっていたように思いました。
ちょっと分かりにくいなと感じたのは、中盤から終盤に入る辺りであった井野聖良の
心の動き。石岡弁護士の言葉「私は井野聖良の正体を知っている」をどう受け取ったの
かが、想像しづらいような。脅しのように聞こえたかもしれないけれど、話の流れや弁
護士という職業及び性格から言って、そんなはずはないとすぐに分かるはず。でも不安
さがなかなか拭えないでいたのが見て取れたので、いかなる意図でああいう演出になっ
たのか、制作陣に説明して欲しいくらい。
基本的に勧善懲悪が貫かれており、そのブレのなさはよかったんだけど、それでもあ
の動画配信者に対する罰は少々物足りないかな。もっとがっつり、痛い目に遭って欲し
かった。
何をきっかけに石岡が、目撃したのは井野聖良だったと気付くのかについては、早い
段階で想像が付きます。あとは見せ方だな、井野のデビュー曲のジャケットを見て気付
くのかなと予想しましたが、テレビ番組とは。それも初めて顔を出す番組でのシルエッ
トとは。顔を隠すと、シルエットにしたせいで逆に気付かれる・思い出されるというの
は皮肉が効いていてよいと思うのですが、顔を明かすための番組でのシルエットという
のでは、焦点が少しぼやけてしまった感があり、勿体ない。
あ、石岡弁護士を演じたのが後藤久美子だということに、テロップを見るまで全然気
付かなかった。
ではでは。