AWC @コラム348 米国参加に拘る日本政府に嫌気 ヨウジ


        
#7619/7701 連載
★タイトル (CKG     )  01/07/04  15:25  ( 55)
@コラム348 米国参加に拘る日本政府に嫌気 ヨウジ
★内容
日本政府はあくまでも京都議定書への米国の参加に拘り
EU各国やアメリカに妥協点を探る試みを行なっているが、
EU側とアメリカとの隔たりは大きく
実現は困難な見通しとなっている。
アメリカが飲めるようにするには
一つには削減率を大幅に引き下げる必要があるだろう。
アメリカが飲めるようにするには現在の削減率が7%のところ
少なくても0%まで引き下げる必要があるだろう。
アメリカのCO2排出量は昨年までに1990年より
16%も増加しているから、
この引き下げ案でも同意するかどうかは分らないが、
取りあえずアメリカの削減率を0%として見よう。
そうすると他国もバランスを取るために
削減率の引き下げを要求するだろう。
EUは8%のところ1%に
カナダは6%のところ+1%に
オーストラリアは+8%のところ+15%に
日本は6%のところ+1%ということになる。
そうすると先進国全体では5%のところ+2%になる。
仮にこれで合意できても温暖化対策は大幅に後退する。
以後、世界はアメリカのペースに合わせて
CO2削減のペースをスローダウンさせ続けなければならなくなる。
確かにこれで温暖化対策としては世界の分裂は回避できるだろう。
しかし、これでは地球環境の破局はとても回避できない。
IPCCのこれまでの長年の研究はいったい何だったのか。
世界中の科学者の研究成果に基づき決めた最低限の削減目標だったはずだ。
今回の削減目標は控えめな最低限のものてある。
これではこの問題の取り組みに熱心なEU各国の同意が得られるはずがない。
アメリカに立場が近いカナダでさえ京都議定書を批准すると述べているし、
他の国も削減ルールの細部への拘りはあるものの
京都議定書の批准には前向きなのであって
不参加を表明しているのはアメリカだけなのである。
日本政府のアメリカ参加への拘りは
国内産業界向きには受けるだろうか
国際社会からは消極的な態度を取るアメリカへの追随と受け取られ
日本には何のプラスにもならない。
私もまた今回の日本政府の対応には嫌気がさした。
アメリカ政府の意向を伺わないと一人では何も決められない日本政府に。


                            ヨウジ
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P.S.アメリカは好景気から昨年も2.7%と大幅な増加をした。
    今年はそれより伸びが鈍化したとしても2%は増加するだろう。
    結局、アメリカは今年で1990年レベルより合計18%も増加
    してしまうことになる。削減目標を0%に下げても京都議定書には
    参加しないだろう。アメリカの排出率はこれまでの23%から
    今後更に大きくなり、地球環境の危機はいよいよ深刻な事態に突入
    することが確実となった。




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